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ビルドキングダム  作者: ライスパディ
第五章 第一次動乱~生きるか死ぬか~
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第58話

「いやぁすみません…今は俺個人の決定力が大きいから回ってる感じなので、新たな派閥作成は御免被りたいんですよね」


 ドラン国王からの、義兄弟要請…その成立は、国内派閥の形成を意味する。


 現在義兄弟化されている…或いは、家族になっている元国王は、元が脳筋だったのもあって、派閥形成には至ってないが…こいつは別だ。


 言葉の端々から、加治狂い・酒狂いの気が見えるドワーフ達を、一年間もの間、農業に従事させた実績がある。


 その気になれば、派閥等いつでも作れるだけの力が有るだろう。


「ドワーフを抑え込んだり、言うこと聞かせるには、ピッタリな人材だと思うんだがなぁ?」


「そうしてドワーフを掌握した後に、それを利用した脅しとかされたらシャレにならないですからね!」


 うーん野心家…こいつは面倒くさそうだ。


「別に他の仕事を任せてくれても良いんだぜ?鉱石が関係することなら、俺に扱えない物はねぇぜ?」


「ハハハ…我が国に対して不利益を被る事でも、自分の意思を押し通すために実行出来る人だと言うことは、重々承知しているつもりです…そんな人に、実権は渡せないですね」


 こいつは面倒だな…消滅させる事も、視野に入れとかないと不味そうだ。


「ガッハッハッ!高い評価をありがとうなぁ!」


「いえいえ、正当な評価ですよ」


 下手に引き入れて、気付いたらこいつが実権握ってました…とかなったらシャレにならん!


「しょうがねぇ…義兄弟は諦めるか…じゃあまあ、鉱山付近は、ドワーフに任せて貰えるよな?」


 ハッハー!コイツァ駄目だ!


「申し訳ないが、既に任せるメンバーは決まっていてな…」


「いやいや、鉱石関係でドワーフを上回る種族はいねぇよ!今からでも変えれねぇか?」


「無理だな」


 正確に言えば、完全に不可能ではない。


 鉱山都市のメンバーに、ドワーフ達を追加すれば良いだけだからな…割とどうとでもなる。


 ただしドラン…てめぇは駄目だ!


 あまりにもリスクが高過ぎる!


 こいつが入ったが最後…乗っ取られからの、鉱石を傘に着た圧力外交までの未来が、凄く良く見える。


 野心見え見えな上に、なまじ実力がついてる分、質が悪い(たちがわるい)


「じゃあせめて、元国王の俺を入れてくれねぇか?ドワーフが入れる土壌を作っときたいんだ!」


 言葉自体は、優しさに満ち溢れてるけど…目の輝きが抑えきれてないな…


 いれる人数を少なくしたり、自分であることの利点まで説明してくれてるけど…


 お前が駄目なんだよね!


 ドワーフの国だけあって、国王もドワーフだろ?そこのネームバリューと、適性のごり押しで成り上がりそうなんだよな!


「それも無理だな…任せたメンバーが、一緒に活動していた期間がまだ短くてな…そこに異物は入れたくない」


 うん!殆ど嘘なんだけどね!


 一緒に活動していた期間は短いけど…今教育ポットに入ってるしな…入れたくても、メンバーには入れないよね…


 まあ、こいつはもう消滅が既定路線だ。


 こいつの本体は、既に確保されてるから、仮にこの交渉を蹴られても何の問題も無い。


「クッ…しょうがねぇ…じゃあそれで行こう…まあ、ドワーフの纏め役は任せてくれや!」


 フッフー!あくまでも役職を求めるんですねー!派閥は作りたくないっての、聞こえて無かったかなー?


 目のギラギラが抑えきれてないんだよね!ドワーフ派閥の長の要望で…って感じで、義兄弟化をごり押しされる未来が見えるな!


 …まあ、でも…ここが勝負どころか!


「ハッハッハッ!君は面白い事を言うね!」


「………どういう事だ?」


「君に残された道は、消滅しか無いという事だよ!」


 さて…ここからどう動いてくるか…


 交渉は…最終段階へと入っていく…

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