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ビルドキングダム  作者: ライスパディ
第五章 第一次動乱~生きるか死ぬか~
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第56話

「初めまして、僕はタイニー王国国王の、タニーです」


「私は妻で女集まとめ役の、イオです」


 そう名乗った、ホビットの国王夫妻は、握手を求めてくる。


「俺は、ノーレッジ王国国王の、ノーレッジです。宜しく」


 それに答えながら、少しずつ動揺していた心を落ち着ける。


 この世界の人族は、基本ベースが人間族で有るため、身長や耳等の特徴以外は、人間の見た目と変わらない。


 まあ、人間族が来ると思っていた所にホビットで、かなり驚きはしたが…正気度は削られていないので、大丈夫だろう。


「立ち話も何ですし、座りましょうか」


「そうですね」


 タニー国王の勧めで、椅子に座る事にする。


 イオ妃の様子を見るに、メインはタニー国王で、イオ妃はそのサポートをする感じかな?


「では早速…属国になるための条件を、提示させて頂きます」


 おっと早速か!


「まず、国民の扱いですが―――



 ―――以上が、我々の要求です」


 ………成る程。


 色々と言われたが、纏めるとこんな感じかな?


 1,国民を不当に扱わないこと。


 2,住居や住む場所の制限を設けないこと。


 3,職業を強制しないこと。


 4,異種族間の結婚を認めること。


 5,現リーダーをそのまま起用すること。


 6,国王夫妻を消滅させ無いこと。


 以上だ。


 うん…そうだな………何の問題も無いね!


 現リーダーをそのまま起用したら、反乱の芽になる?


 ハッハー!新たなリーダーを置ける程、我が国の人員は豊かじゃ無いんだよ!


 住む場所の制限は後々問題になる?


 強制的にスラム街やら、郊外に住ませるのでは無いなら、大丈夫って言われてるから問題は無いよ!


 よし!じゃあ後は詳細を詰めるだけだな!


「成る程…わかりました。こちらとしても、飲める範囲のものでしたので、後は詳細を詰められればと…」


「本当ですか!では、お願いします!」


 そうして会議は進んで行き、合流までの大まかな流れが決まった。


 暫くは、両国から数人づつ派遣しあって情報交換をして、諸々が落ち着いたタイミングで、合流する事になった。


 食料事情は良好とのことで、合流までの食糧援助は無しだが、防衛戦力としてゴーレムを送ることにした。


 え?ここでもし蹴られたら、情報だけ持ち逃げされるって?ハハハ、一度でも家の国を見かけたことがある国家なら、絶対知ってる情報だからね…痛くも痒くもないさ!


 なんでかって?国の外周に防衛用ゴーレムが、配置されてるからだよ!隠しようがないよね!


「では、これで行きましょうか!」


「「はい!」」


 諸々の話し合いを終え、いざ解散…なのだが…この部屋ってどうやったら出………


 ………ピロリン!


『交渉終了を確認しました!今回の決定事項を纏めましたので、それでよろしければ決定を押してください!』


「「「………ビックリしたぁ…心臓飛び出るかと思った…」」」


 ドキドキする三人を他所に、新たな板が表示される。


 これの決定を押せば、契約完了となり、その内容は遵守される。


 期間は、ホビットのタニー元国王が死ぬまで。


 夫妻たっての希望で、義兄弟による不老化は行わない。


 何でも、『子供が欲しい』というのが、共通の希望らしく…


 同時に、『その子供より遅く死にたくない』というのも、共通の考えだそうな。


 …なんか…良いなぁ…


 家の場合、少なくとも数世代経つまでは、子供を作ることは出来ない。


 それは、複数の国を吸収した国の宿命であり、権力を集中させないという、パフォーマンスでもある。


 …どうやらタニー夫妻は、もう決定を押したようだ。


 少し悲しい顔をしている二人を横目に、此方も決定を押す。


『双方の決定を確認しました!これよりタイニー王国は、ノーレッジ王国へと吸収されます!また、双方交流が無かったため、合流用の地図を配布します!』


 ………ッ!


 懐かしい…感覚だ…強制的に知識が有る状態にされるとは…


『それでは、今回はここまでとなります!双方お帰り下さい!』


 くそう展開が速すぎるんだよ!別れの…あい……さつ………



「………はっ!」


 帰って来たのか…えっと時間は………たってないか………


 まあ、丸一日たっていないという前提では有るが…


 確認方法?地面に枝を刺して、影の先に石を置いただけだよ?石の上から影が動いてないから、時間は同じ…はず…


「よーし、次だ次!」


 一つの交渉を纏めたノーレッジは、ウキウキでとある場所へと向かって行くのだった。

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