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ビルドキングダム  作者: ライスパディ
第五章 第一次動乱~生きるか死ぬか~
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第55話

「よーし!交渉だ!元国王組、現場指揮は頼んだぞ!」


「ちょっちょっと待って!」


 降伏やら、停戦やらに応じるために、芋虫状態の元国王組(脳筋達)を解放して、現場を任せる事にしたのだが…


「何だヒカ、用件があるならちゃっちゃと言ってくれ!」


 元ビッガー王国国王のヒカから、引き止められてしまった。


「アタイを、義兄弟にしてくれ!」


「………ファッツ?」


 え?うん?どういうこと?


「アタイは今、国王じゃ無くなって、寿命の特権が無くなっちまったんだ…」


 ああ、そういえば、そんな仕様もあったな。


「でも、義兄弟になれば、その特権も復活する!」


 気の合う元国王や、能力値が高い元国王に、そのままその地を治めてもらいたい時に、やるやつだな…


「国政には手を出さないし、あんたら夫婦の邪魔もしない!だから…私を義兄弟にしてくれ!」


 ん?ん?それ、義兄弟にするメリット皆無じゃない?


「アタイが武を極めるためには、まだまだ時間が足りないんだ!」


 ああ、成る程…フェンと同類(武術狂い)か…


 でもなぁ…本人が鍛えても、家の国には何のメリットも…


「あんたのとこの兵士に武術指南もす………」


「よろしくな妹よ!」


「おっおう…」


 フェンと同レベルの使い手が、指南役になる?んなもん逃す手はないだろ!


 ………パラララー!


『元ビッガー王国国王ヒカの、義兄弟申請が受理されました!以後、国王特権が復活します!』


「よし!じゃあ二人とも、後の指揮頼んだ!」


「「おう!」………わかったわ!」


 さーて、外交だ!


 外交官なんて居ないから、交渉の場に行くの俺一人なんだけどね!



 さて…交渉する順番だが…


 まずは、併合できそうな、楽なところから行こう。


 理由としては、相手が交渉を蹴って、戦争状態になる可能性を減らすため…


 まあ、要するに抑止力だ。


 「こっちには、これだけの人数が居るから、攻めるだけ無駄だよ」と、言外に伝える為に、少しでもかさ増ししたい訳である。


 家の国は、守るのには強いが、攻めに弱いという欠点がある。


 今回ガッチガチに警戒している、ルーティング王国であるが、恐らく攻め込んで来る分には、完封できるだろう。


 それこそ、両者死者無しレベルで。


 だが、もし全面戦争にでもなって、『どちらかの国王が死ぬまでは、戦争が終わらない』とでもなった場合、どうしても攻め込む必要が出てくる。


 そうなっても、勝てはするだろう…勝ては…


 そうなった場合、両国の死者は凄いことになるだろうし、怨みも相当なものとなる。


 そんな両者の遺恨を消すには、最低でも三代はかかるだろうし、併合後も大変だ。


 そんな戦を、抑止力で防げるなら、儲けものだ。



 と、いうことで、まずはタイニー王国との交渉だ。


 そんな国あったっけ?と、思った皆様、安心してください!俺も忘れてました!


 『属国申請中』と書いてある板のボタンをポチリと押して、相手の応答を待つ。


 最初から属国化希望ということだから…戦闘には向いてない振り分けとかしたのかな?


 ………ピロリン!


『双方交渉の意思を確認!交渉部屋へ転送します!尚、公平を期すために、三人以上同伴者が居る場合には、人数の少ない国家と同数にして頂くために、控え室へと送ります!』


「体が…光ってる?」


 これが転送の合図なのだろ…う……か………



「………はっ!」


 一瞬意識飛んで………た?


「どこだここ?」


 目の前に有るのはテーブルと椅子、壁と床には木が打ち付けられており、奥の窓から覗く景色は、白一色だ。


 ん?テーブルの上に紙が…


 えっとなになに?


 『タイニー王国側が、3名連れてきていたため、只今2名に人員を減らしております。』


 成る程…人材豊富で良いなぁ…


 家の国なんて、外交が出来そうなやつ、軒並み教育ポットに入ってるからなぁ…


 後4年は、一人外交が続きそうである。


 ………ピロリン!


『双方、人員の選別が終わりました!扉を解放します!』


「うおっ!」


 椅子に座ろうとしていたら、急に目の前に扉が現れた。


「驚かせるのは、止めて欲しいんだけどなぁ…」


 ブツブツと文句を言いながら、現れた扉を潜って行くと―――


「ウワォ…ホビットサン…」


 ―――背丈が腰程の、人間族では無い種族と相見えるのだった。

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