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ビルドキングダム  作者: ライスパディ
第五章 第一次動乱~生きるか死ぬか~
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第53話

「よし!じゃあそれで行こう!」


 話し合いを終えた(国王)と男指揮官は、作戦を開始していく。



 まず、帰ってきて休憩していた斥候に、再び伝令を頼む。


 内容としては、魔力が切れ次第、ゴーレムによる制圧の後、捕縛すること。


 捕縛用の蔦はどちら(訓練場とポット施設)にも潤沢に用意されているので、問題は無いだろう。


 ただ、牢屋的なものは無いので、指令系統を別にした上で、距離を置いてうつ伏せになり、その状態でゴーレムによる監視が付く形になると思う。


 ただ、魔力が回復したときに、どの様な反応を示すのかわからないので、他の戦も速いとこ終らせたい所である。


 後は、斥候がもう片割れを連れて来たら、こちらも動き始めるとしよう。



「「国王様!只今帰還しました!」」


「よし!じゃあ行くぞ!」


 斥候の帰還と共に、作戦が動き始める。


「ハッ!斥候…っと女の方だが、もう一仕事だけ頼む!」


「はい!」


 …といっても、立案から実行まで、15分有るか無いかの作戦に、そこまで期待はして欲しくないが…


「もう一人は俺の方だ!頼んだぞ!」


「ハッ!」



 今回、向かう場所はそれぞれ、男指揮官が『元アイアン王国首都』で、俺が『岩塩鉱山』となっている。


 決めた理由は二つある。


 1つ目は、攻め込む場所である。


 アイアン王国の進行を覚えている人はいるだろうか。


 あの時に、最大の障壁となったのが鉄剣だった。


 ゴーレムを切り裂けるその固さは、我が国にとって最大の驚異とも言える。


 そして今回攻め込まれている場所となるが…


 『鉄鉱山』と、『岩塩鉱山』となっている。


 この星に降り立って、2年前後しか経っていない現状、戦争してまで欲しいものというのは、その国にとっての必需品である可能性が、かなり高い。


 その中で、『鉄を求める国』と、『塩を求める国』のどちらに、鉄剣が有る可能性が高いかというと…当然後者であると言えるだろう。


 勿論、前者の国が既に鉄を手に入れていて、更なる鉱山を求めている可能性も無くは無いが…その状態なら、戦争に人手を割くより、鉱石採取に人手を割く方が、余程国の為になるだろう。


 ここまで聞いて、おや?となった人もいるだろう。


 何故、強敵の可能性が高い場所に、国王自らが行くのかと…


 正直、俺も行きたいわけではないのだが、二つ目の理由が行かざるを得なくしている。


 その理由が…


 『兵力の殆どがゴーレムであること』


 と、なっている。


 どういう事かというと、我が国の権利で呼び出したゴーレム達は、基本的に呼び出した本人…つまりは国王の命令しか聞かない。


 今回の様に、国民に預ける場合は、国王から「この人の命令も聞くこと」と言う命令を出すのだが…


 そういう命令を出すと、ゴーレムの行動には、かなりの制限がかかる様で…


 硬度と物量での、ごり押しが難しい可能性の高い方に、俺が向かうこととなった。


「国王様、敵戦力と現状の報告になります!」


 先行して情報を得ていた斥候によると、敵数は約100で、遠距離武器は無し、近接の内50程が鉄剣持ちとの事。


 そして現状だが、採掘型と、通常型2体が破壊され、通常型の他5体は擬態中、盾型と剣型はボロボロになりながらも、大立回りを演じているそうだ。


 流石に、我が国の最古参ゴーレム達は練度が違うか。


 塩が有ると言うことで、毎日、昼も夜も関係無く、中型や大型と戦い続けたゴーレム達のその練度は、剣型1体で、我が国の軍を相手に出来る程…というかこの前の訓練で、1体70で無双していた…


 通常型でさえ、対30人程度なら無双していたので、内2体を倒した奴さん(ルーティング王国兵)は、相当な練度なのだろう。


 ただまあ、20名程の負傷兵も発見されているので、完封された訳では無さそうだ。


 負傷兵を抜いて、敵数は約80…


 此方の追加戦力は、出来立てのゴーレム36に、妖精2…


 うん!無理だねこりゃ!


「ゴーレム突撃ィ!」


 ハッハァ!こうなったら見掛けだけで押しきるしかねぇぜ!


 ゴゴゴゴという地鳴りに、一部のルーティング王国兵が此方を向き固まる。


 そうだろう、そうだろう。


 一体だけでも面倒くさかった、武器無しが30に、現在進行形で大暴れしてる剣持と盾持ちが6、その後ろからは魔力弾が乱れ打ちされてるんだから!


「「「うっ…うわぁぁぁぁぁ!」」」


 それを見た兵士は、我先にと逃げ出していく。


 奴さん(ルーティング王国兵)の価値観的には、絶望以外の何者でもないからね、これ。


 逆に、今戦ってるゴーレムだけが特別で、他はそこまでって事を知ってる此方的には、死地に突っ込むも同然な訳だが…


 恐怖は伝播し、軍は瓦解していく。


 その後にやることは一つ!


 追撃戦である!


 ………が、今回は行わない。


 なんでかって?ハリボテであることがバレたら終るからだよ!


 出来れば、バレてない内に和平まで済ませてしまいたいな…

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