第51話
フェンサー王国の合流から早四ヶ月…農作物の大半が成功したことで、冬を乗りきることに成功したノーレッジ王国では、最早何度目かもわからない、農地の大拡張が、行われようとしていた。
「野郎共!準備は良いかァ!」
「「「ヒャッハァ!」」」
「それじゃあこれか………ッ!」
なんだ!?体が動かなく!
『やあ』
ッ!この声は!
『フフッ驚いてる驚いてる』
謎の声!
『結局皆呼び方変わってないの!』
フフッそうか…やっぱり謎の声呼びが良いよな!
『まあ、良いか…今回君達に語り掛けたのは、お祝いとルールの解禁を伝えるためだよ』
ルールの解禁…?………嘘だろ!何か追加されるってことか!
『まずはお祝いからだね…各国王の国が、1年間生き延びたことを、ここに祝すよ!』
ッ!そうか、全ての国家がもう一年も…
『ハイハイ、まだ作ってない国王がいることも、まだ一年経ってない国が有るのも知ってるから』
なんだ…だだの定型文か…
『クソッ!呆れられるのムカつく!…まあ良い、それで解禁されるルールは、大きく分けて二つ!』
何が来る…
『まず一つ目は、まだ国を作ってない国王に対してのサポートとして、権利の使用を許可する!ただし、入ってくるポイントは毎月10ポイントとするよ』
ううん、関係無い!
『そして二つ目!今まであやふやだった、戦争機能を大幅解禁だ!』
おお!此方は関係有りそう!
『やっと全国王が、自分の領域らしきものを定めたからね!主な機能としては、隣接してる国があるかの確認と、支配領域を選択しての開戦だね!』
おっふ…これは開拓に対しての抑止でもあるな…
『いやぁ、乱世乱世!楽しいね!』
こいつとんでもないこと言ってるぞ!
『あぁ、そうだ!敵同士なのに結ばれた国王達、おめでとう!いやぁ、3組も出てくれたから、酒が進む進む………後、バットエンドは嫌いだからね!指輪勝手に付けといたから、別れるとか止めてね!』
おい!こいつ無茶苦茶私情入ってるぞ!それで良いのか!
『良いんです!これは楽しい楽しい僕のゲーム!僕が楽しいことこそ正義なのさ!………まあ、作った後はもう干渉できないんだけどね!』
おい、指輪!
『指輪が干渉?なに言ってるのさ、はじめから設定されてるに決まってるでしょ?今回解禁されたルールは、大きいのは二つだけど、細かいのも結構されてるからね!指輪もそれの一つだよ!』
くっ…どうでも良いような、謎の声的に娯楽性の高いルールばかり増えてそうな予感がする…
『おお!皆凄いね!最初期に我慢してた機能をガンガン解禁してるからね!当たってるよ!』
くそぅ!やっぱりそうか!
『ああ、もう時間か…何か伝え忘れは…っと…』
ん?段々体の自由が戻って…る?
『無いね!じゃあ次の第二回解放時ってああ!』
第二回有るのか…
『そろそろ魔素が活動期に入ってまも………』
おいちょっと待て!最後まで、最後まで言ってから………
「「「国王様放心してるけど開始だぜヒャッハァ!」」」
………はっ!
まずい!俺置いて耕し始め………
………ジャキーン!
『ノーレッジ王国岩塩鉱山に対して、ルーティング王国より侵略戦争が申し込まれました!』
………ジャキーン!
『ノーレッジ王国全土に対して、ビッガー王国より全面戦争が申し込まれました!』
………ジャキーン!
『ノーレッジ王国内元アイアン王国首都に対して、ドランカード王国より侵略戦争が申し込まれました!』
………ピロロン!
『タイニー王国からノーレッジ王国に対して、属国化が申し込まれました!』
………ピロロン!
『アバカス王国よりノーレッジ王国に対して、救援要請が申し込まれました!』
目の前に出てくる板、板、板!
「クソッ!多数面戦争か!」
内3つは宣戦布告であり、他の板も、ろくなものがない。
「クッ…とにかく戦線を減らす!総員教育ポット施設へ!斥候は訓練場に行って、フェンと残りの兵士を連れてこい!そこが戦場になってたら連れてこずに報告だ!行け!」
とにかく、今いる国民を生き残らせるのが最優先だ!
「報告!訓練場にてビッガー王国からの降伏勧告!しかし王妃様が拒絶し、戦闘開始!指揮官不在のため、王妃様が指揮を取っています!」
教育ポット施設前で、点呼を取っている時にもたらされた情報は、既に戦端が開かれたというもの。
「国王様!ビッガー王国別動隊と思わしき人員を発見!現在盾型ゴーレムと交戦中!」
もう来たか!
「弓兵、魔法兵は堤防上部で待機!フェンサー部隊!行くぞ!」
さあて、ここから…抵抗の始まりだ!
クッ…結婚できないネタの終着点の予定だったのに………ノーレッジめ!回避したな!
…という後書きを書こうとしていたところに、大量の宣戦布告…うん…まあ…しょうがないよね…土地的にむっちゃ美味しいし…