表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ビルドキングダム  作者: ライスパディ
第四章 動乱の夜明け
44/70

第43話

 枝落とし王決定戦の火蓋が切って落とされた!


 2週間前の成績は、製作組が2本で、複合組が0本、後の組はそれぞれ1本ずつという結果に終わっており、それがどの様に変わるかが見物である。


「さあ、製作組が今回もハイペースで枝を落としていく!」


 製作組の最大の特徴は道具である。


「前回の苦情を元に設定された今回のルールでは、使う石は直前に、各チーム1つづつ選んでいく、ドラフト方式となっています!」


 時間を掛けて磨かれたその目利きは、今回の道具選びでも光輝き、見事な迄に鋭い物を選び抜いていた。


「さあ言い訳が出来ない他の組は果たして…と、おお!混合組!驚異の追い上げだ!」


 おお!上手い!的確に節を撃ち抜いている!


「ここで情報が入って来ました!どうやら混合組内の研究組が、大きく関わっているようです!」


 おお!研究組か!確かに、他チームとは違って、全員が二つの石を持っている!


 俺も途中やってたなぁ―――


「どの様に関わって…おおっと!ここで兵士組!兵士組が驚異の速度で枝を落としていく!」


 ―――石一個で枝落とせるようになるまで…


「強い!強すぎる!風魔法の力でぐんぐんと他チームを引き離していく!」


 これは…決まったかな?


「いや止まった!止まったぞ!これは魔力切れだぁ!」


 ああ!魔力切れか!これはまだまだ解らないぞ!



 そして時は進み…


「さあ、いま!猟組女性陣から、正午宣言がなされました!制限時間は残り10秒です!」


「「「十!九!八!七!六!五!四!三!二!一!0!」」」


「さあ!そこまでです!」


 猟組と農業組を除いた他三組は横一線だ!


「猟組と農業組は、同率で2本となっています!」


 おっ計測終わったか?


「同率3本で並んでいた三組ですが!今!結果が出ました!」


 どうなるどうなる!


「兵士組!木材3本と枝2本!」


 一瞬で木材を完成させた瞬間は、若干意識が遠のいたが、魔力切れからの失速が痛かったな!


「製作組!木材3本と枝4本!」


 流石は製作組、前回から成長しつつ、安定した枝落としは、見ていて安心するほどだった。


「混合組!木材3本と枝12本!」


「「「っしゃあぁぁぁぁぁ!」」」


 下馬評では圧倒的最下位であった混合組だが、その全てをひっくり返した!


「予選勝者は!混合組です!」


「「「ワアァァァァァ!」」」


 他チームが石1つで挑むところを、研究組の考えの元変えてきた!


 この2週間、一切のヒント無しでここまでたどり着いた彼等には、後で何かご褒美をあげ無くては!


「それでは昼休憩の後、決勝戦です!」



 ガヤガヤと賑わう昼休憩中…俺は、闘志を燃やし続けていた。


 予選の合計本数は11本…


 しかも前回と比べ半分以下の時間でこの成長…どれだけ真剣に練習していたかがわかる…


 …そしてどれだけ暇だったのかも…


 だからこそ、俺は…ここで!本気を出す!


 デスマーチ中に編み出した最高効率で、迎え撃とうと思う!



「さあ!昼休憩も終わり、決勝の時間と相成りました!」


 目の前には目を爛々と輝かせた混合組がいる。


「それでは早速!決勝戦………始め!」


「「「ワアァァァァァ!」」」


 それに答えるように腕を振り上げ、下ろす。


「前回の半分の時間でどう国…王…様………が………」


 そこには、2本の枝が落ちていた。


「「「す、凄げぇぇぇぇぇ!」」」


 通常、十数回叩いて落とす枝を、ただの一振りで2本落とす…


「怒涛の追い上げ!物凄い勢いで枝が落ちていきます!」


 これが…これこそが!


「それに答えるように混合組もペースを上げますが…」


 俺の…奥義だ!


「速い!圧倒的速度だ国王様!どんどんと枝が落とされていく!」



「さあ!猟組女性陣から仕事終わりの宣言がなされました!制限時間は残り10秒です!」


「「「十!九!八!七!六!五!四!三!二!一!0!」」」


「そこまで!すぐに計測を始めてください!」


 はぁ…はぁ…流石に疲れる…


「はい!それでは結果発表です!」


 さて!どうなったか…


「混合組!木材4本と枝5本!」


 更に成績を伸ばしてきた!大の字で倒れているのも納得の成績だ!


 …ただ…枝落としてる最中数えてなかったから…どうなっているか解らない…


「対する国王様は………木材15本と枝14本です!」


「え?どっちだ?」


「予選の合計は…あっくそ!計算できるやつここにいねぇじゃん!」


「早く結果を言ってくれよ!」


「合計結果は………混合組15本対、国王様15本!予選の枝は考慮されないので………枝の本数5対14で国王様の勝利です!」


「「「うおぉぉぉぉぉ!」」」


 あっ…あっぶねぇ!


 奥義出しながら危うく負けるとこだった!


「これにより、初代枝落とし王は…国王様となります!」


「「「ワアァァァァァ!」」」


 でも………勝ったぞぉぉぉぉぉ!



 そうして終わった共同生活最終日…


 宴がおこなわれたその夜は、笑いが絶えることは無かったという。


 ノーレッジ王国は、今日も平和です!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ