第39話
さて、元アイアン王国のメンバーの学習内容だが…
ここまで来て、薄々感付いている人もいるだろう。
基本的に、五年間かかる内容をメインとして考えている。
二つ程例外は有るのだが、それ以外の人は、五年かけて学び、そして新しい村へと行ってもらうつもりである。
新たな村のテーマはズバリ、鉱山都市である!
というのも、元々アイアン王国は、鉱石を発見、加工することを主軸に置いていたので、追加適性で『鉱石探知』が星二つ、追加技能で『鉱石採掘』が各星4つとなっていて…
恐らく、通常の適性や技能も、そちらに寄っていたであろう事が予想される。
そして、それを活かさない手はないと、俺は判断した。
例外を作ったのは、トラウマを抱えた人をそこに向かわせなくても良くする為である。
まあ、この人材不足のオンパレードな時代に、トラウマを克服するだけの時間的余裕が無いのが、一番の理由ではあるのだが…
ということで、先に例外の発表である!
まずは服関係!三つ纏めて発表…といっても、無茶苦茶わかりやすいが…
その三つとは、手製糸製作、手製布製作、手製服製作の三つで、それぞれ2人づつ学び、期間は全て半年となっている。
やっと!やっと新しい服が着れるようになる!
苦節一年…新たな服と言えば、猟組の作る毛皮を合わせたものだけ…
服を解体して地図にする時代はもう終わりだ!
基礎植物知識の二人が見付けてくれた、糸へと加工出来る植物…
その植物の発見により、我々はついに、まともな衣服を………
…といっても、一番初めに回されるのは赤ん坊なのだが…
そこら辺の話は後にするとして、次である!
例外の二つ目は…魔法式護岸工事技術と、魔法式堤防技師である!
これ等を選んだ理由はもちろん、氾濫対策である。
しかもこの二つの知識は、これまでの昔の知識再現系の知識ではなく、未来世界での最新の知識となる。
今までの知識には殆ど無かった、コンセプトという欄には『単独で、機械要らずの工事を』と書かれており、否が応にも期待してしまう。
期間はグレードによって異なり、普通の川を整備するなら半年、大河を整備するなら一年、惑星の水際を整備するなら三年だそうだ。
ただ、前提条件に土魔法応用やら基礎教養やらが要求されているので…
目覚めるのは6年後となる。
いやぁ、そこまで村が耐えられるかが問題だなぁ…
去年の氾濫よりはましだとは思うけど、もう既に川増水してきてるし…
まあ、とにもかくにも、知識を得て貰う4人2組には、頑張ってもらいたいところである。
さあ、ここからはお待ちかね…新たな村の住人達である!
10人離脱して、65人となった彼等には!存分に鉱石採掘を…してもらいたかったんだけどなぁ…
本人による『鉱石採掘』系の知識は、宇宙船を使っての物しかありませんでした…
いやまあ、わかるよ?せっかく知識手に要れても、すぐ死んだら意味ないからとかなんだろうけどさ…
なんで監督官と指導員の知識があるんだよ!
なんでこう闇が垣間見えるの!
しかも深いんだよ!開拓星の闇深いんだよ!
…うおっほん!
ということで、採掘自体はゴーレムに任せ、監督官をして貰うことにしました。
え?せっかくの星4追加技能が腐ってる?
有毒ガス吸ったら死んじゃうんだから、しょうがないだろ!
…うおっほん!
彼等の仕事は大きく三つ。
一つ目は、鉱山が崩れないように、強化・保護をする事。
二つ目は、採取した鉱石を、運搬・加工する事。
三つ目は、村を外敵から守ること。
村の中では、鉱山組、加工組、防衛組の3組に別れて、仕事をして貰うことになる。
三組に共通しているのは、土魔法応用を覚えることだ。
まあ、氾濫対策組とは違って、基礎教養が前提じゃない組も有るから…
ん?どういうことかって?
ああ、魔法系は、色々と前提が必要で、表にすると………
――――――
前提1 魔力知識
前提2 基礎魔法知識 魔法兵(見習い)はここに位置する
前提3 基礎教養1
前提4 応用魔法知識
前提5 基礎教養2
メイン1 各属性基礎
メイン2 各属性応用
前提6 基礎教養全種
発展1 魔方陣や錬金術、合体魔法等
――――――
こうなる。
メイン2までは、それぞれ半年かかるので…
土魔法応用応用は、3年半かかる感じになってしまう。
そこから追加で何を取るかという話になるのだが………
それは、目覚めた時のお楽しみとしておこう。