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ビルドキングダム  作者: ライスパディ
第三章 目覚めと国民
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第27話

「よし!ここ見ろよー」


 ノーレッジ達見学組は、現在、畑の区分を見ていた。


「この二×四マスが、一枚で、一人大体100枚位管理して貰うから…」


「おい、この国王なんかヤベェ事言い出してるぞ」


「農業組もあんな目をするのか…」


「俺、今度から物作ってる人には優しくしようと思う」


 なんだか猟組がざわめいているが、計算を忘れない内に言わなければ!


「大体2000枚有る」


「「「ヒュェッ」」」


 猟組が一斉に変な声を出す。


「ヤバイって、この国王ヤバイって」


「ああ、可哀想に…」


「農業組に、黙祷…」


 猟組が何か喚いているが、失礼な!こちらはきちんとカタログスペック通りに作っていると言うのに!


「えっ?なんかこの国王不満そうな顔してるんだけど…」


「やっぱり狂ってたんだ!」


「俺、今度から物作ってる人に足向けて寝ないようにする!」


「「「フッハッハッハッ!」」」


 突然、農業組が笑い始める。


「えっ?こいつらも狂ってたの?」


「えっ?こいつらも狂ってたの?」


「俺、今度から物作ってる人に足向けて寝ないようにするのやめ………」


「「「そこまでだ猟組!」」」


 ドン引きする猟組が見えていないのか、声を高らかに上げる農業組。


「「「我々のスペックは、一人で10人分の畑まで!」」」


「「「つまり!」」」


「「「この大きさなら、倍はいけるぜ!」」」「「「改良組は農業はしないから、管理する畑は200枚だ!」」」


「「「えっ?」」」「「「ハーッハッハッハッ!」」」


「「「えっ?マジで200枚も管理すんの?」」」「「「どうだ!我々のスペックを思い知ったか!」」」


「あの、途中から原種栽培組が嘘でしょって顔してますけど?」


「最大で200枚までいけるぜ!キリッの直後に、本当に200枚管理することになったもんな…」


「俺、原種栽培組には足向けて寝ないようにする」


 結局、ハイテンションを維持できたのは原種改良組だけで、栽培組は素面どころか若干引き気味だが…


「農業組ぃ!鍬と甕ぇ出来たぞ!」


 その時、明らかに徹夜をしているであろう、目をギンギンにした木工組のリーダーがやってくる。


 …あっ改良組が正気に戻った。


「ハッハッハッ!遠慮するなって!」


 ねぇ!木工組には何が見えてるの?もしくは聞こえてるの?


「ハッハッハッ!心配しなくても良いって!高々二人気絶しただけじゃねぇか!」


 あっ改良組が正気に戻った理由解ったぞ…自分達以上の狂喜を見たからだわ…絶対。


 っていうかリーダー…俺達が畑の説明をしている間にいったい何が…あっ…完成したのか…


「よーし農業組!通常型1号を貸してあげるから、各々の道具を運ぶんだ!」


 はいそこ!俺別に変なこといってない!言ってないから!


 だからその非難の目と、捨てられた子犬みたいな目をやめてくれ!


「あっあーそうだ!今日も押すのかぁ…猟組に軽い説明をしたら、植える作物の相談をしようと思ったんだけどなぁ…」


「「「よし!栽培組!今すぐ道具取りに行くぞ!」」」


 あっ改良組が狂喜に戻った。


「あー国王様、いくらなんでもそ…嘘だろ…」


「国王様ぁ、それじゃあ農ぎ…嘘でしょ…」


「国王様、そんな今思い付い…おい嘘だろ…」


 はいそこ!猟組ドン引きしない!俺もちょっと思うところがない訳じゃないけど、ドン引きしない!


「よし、じゃあ…次行くか…」


「「「そうですね…」」」


 もうそこには触れない方が良いと思ったのだろう…


 …俺もだ。



 ということでやって来ました森の手前。


 ここ三ヶ月位静かだったこの森も、最近では以前の賑わいを取り戻し、入れ食いと言わないまでも、かなりの侵入頻度である。


「よーし、ここはお前達が入るのとは、反対側の森だが、恐らく大型は居ないから、ここでの説明にさせて貰う」


 勿論、小型は山程居るし、中型もたまに出る。


 ただ、前の氾濫の時に逃げ出した中型が、逃げ出した先の中型と争い合ったみたいで、こちらに来るのは、その争いに負けた少数の群れか、そもそも群れに属してないハグレか、となる。


「この森に慣れるまでは、ここで練習して貰う予定だから、覚えておいてくれ」


 まあ、最近の中型遭遇頻度的に、そろそろデカイ群れとかち合いそうなので、貯めに貯めたポイントを、そろそろ放出する予定である。


「後は実戦で…となるが、何か質問は有るか?」


 といっても、いざというときのために、50ポイントは残すつもりではあるが…


「あー国王様、他国の人間を見かけた場合はどうします?」


 今日一番の爆弾が、ここに投下された。

 今回出てきたマスですが、基準となる棒を使って作成したものとなります。


 ノーレッジが見たなかで、一番真っ直ぐな棒を基準にするために、実は結構色んな所に長さが刻まれていたりします。


 例えば、石器組や、木工組が作業している近くには、基準となる長さが刻まれた木材が置いてあり、基準棒の複製なんかも行われています。


 基準棒の長さは、一メートル前後の物とイメージすると、結構分かりやすくなると思います。

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