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ビルドキングダム  作者: ライスパディ
第二章 群れる奴等と下準備
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第20話

 こんにちは!私ノーレッジは今、川へとやって来ております!


 え?なんで川へ来てるのかって?


 …やだなぁ…お洗濯に決まってるじゃないですか!


 こんな快晴………曇り………小雨の日は洗濯に限るなぁ!


 まあ、通り雨だと思うから、すぐに晴れると思うけどな!


 ほら!もう太陽が見えてきた!


 護衛の通常型も1号から3号まで揃い踏みだし、今日も冒険日和だね!


 ああ、そうだ!地面が乾いて終わったフィーバータイムなんだけど、とうとう小型肉食原生生物まで帰ってきたよ!


 いやぁ、これは中型原生生物が帰ってくるまで秒読みかな!


 ………ということで冒険である!


 疑問符を浮かべるかも知れないが、冒険である!


 昨日、人が生きるのに必要なものとして『塩』が有ると言ったのだが、覚えているだろうか。


 その塩は…まだ見つかってないのである!


 候補こそ有るものの、現物を見ていないのである!


 そして、昨日発見された小型肉食原生生物の死体…


 不味いのである!


 川を挟んだ反対側が、草食原生生物のパラダイスである可能性はゼロではない。


 しかし、ほぼゼロに近しいことも事実である!


 例の原生生物(四本腕の熊)が、対岸から来て、そちらへ帰って言った事も相まって、熊その二も………いや、まあ、それはないと思う。


 狩った獲物はその場でパクリと食べて、持って帰る素振りもなければ、その声を聞いただけで獲物が逃げ出すほどの執拗な狩り。


 単体での縄張り意識の高さを見る限り、同系統の仲間がいるとは考えづらい。


 ただまあ、考えづらいだけで、ゼロでもないというところが、面倒なところである。


 中型肉食原生生物を見られれば、可能性はゼロに近付くのだが、それを見るということはつまり、この冒険の終了を意味するということで…


 不味いのである!


 ということで今は、先程言っていた『候補地』へ、全力で移動している。


 森の中での全力移動…


 所持しているゴーレムの方角がなんとなくわかるという、国王固有の能力が無ければしなかったであろう、そんな行為をしながら、候補地の方角を思い出していく。


「ゴーレム達がこっちにいるから…あの方角だな!」


 そろそろ、候補地が何処か気になっている方もいることだろう。


 ということで、候補地の場所なのだが…


 昨日のダイジェストで『この鹿っぽい原生生物、やけにあの方角に去ってくな…』と、言っていたのを覚えているだろうか。


 実はその後、複数の草食原生生物でも、同様の事例が発見された。


 ということで今回は、そんな草食原生生物が集まっているであろう場所へ、歩を進めているわけだ。


 俺が持っている知識が正しければ、その場所には塩があるはずで…


 俺の持っている知識が正しければ、塩の探索は1日目にするべき事となっている。


 そして、俺の持っている知識が正しければ、国王はまず『塩の在りかを確認してから、国を作成すべき』となっている。


 まあ、そりゃそうだ。


 国民は塩が無ければ死んでしまうわけで、それの目処がたってないのに、国民を召喚するということはつまり、その国民に死ねと言うも同義であり、国王としては、最悪の部類となる。


 そんな最悪の国王が一体何処にいると言うのであろうか―――


「よし、鹿の原生生物が去っていく方角も再確認できたし…塩の確保、行くか!」


 ―――そう!ここである!


 このノーレッジという国王は、どの国王も最も苦労する時期と言われる最初期において、ノータイムで国を作った男である!


 塩を見つけ、広場を見つけ、やっとの思いで国を作れば、植物の毒見が待っている。


 そんな最初期に、それら全てを無視して、ノータイムで国を作った国王なのである!


 そんな国王は今―――


「おっこの岩山もしかして………ッ!しょっぱい!」


 ―――念願の塩を見つけていた。


「っっっ…来たぁぁぁぁぁ!」


 よし!よし!塩を見つけた!


 これで取り敢えず、国民が死ぬ要素はかなり減らせた。


 後はこの場所を、きちんと占拠出来るかだ。


 それが出来るかどうかで、この場所の価値は、凄く変わってくる。


 安全に塩を取れる岩塩鉱山か、原生生物の襲撃を警戒しなければいけない岩塩鉱山か…


 この差は、凄いものである。


 と、いうことで、護衛用の通常型1号・2号をこの場所の防衛に置いて…


「3号!乗ったぞ!全速前進だ!」


 全力で施設へと帰っていく―――


「あっもう少し右ほうこ…うわっ!あっ危な!振り落とされるところ…あっもう少し左ほ…うわっ!」


 ―――少し速度を落としながら…

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