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ビルドキングダム  作者: ライスパディ
第二章 群れる奴等と下準備
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第18話

「いやぁ、もう二度と来ないと思ってたんだけどなぁ…」


 はじめの頃にみた水量に戻った川を見ながら、しみじみと思う。


「まあ、こんなのも今のうちだけだな」


 俺がこの川で予定していることは…ズバリ、橋の建設である!


 …といっても、丸太を架けるだけなのだが…


 あの氾濫から一週間と少し、増えていく木(枝付き)に絶望しながらも、堤防建設で失った分を取り戻すべく、せっせと枝を落としていた木材を、今ここで使う!


 …最近、どんどんと木材が減っていくなぁ…


 …建築資材…残るのだろうか…


 堤防建設の余りと、新たに枝を落とした木材を合わせて8本…それが、今回の橋に使う木材の量である。


 多いと思っただろうか…木が細いのかと納得したのだろうか…否!断じて否である!


 多い?多めに木材(枝落とし済み)を使う余裕が家の王国に有るとでも?…そんなことしたら泣くよ?国王泣くよ?


 木が細い?こんな『ザ・原初の森』みたいな所にそんなもの有ると思う?というかそんなのばかりだったら伐採型なんて買ってないんだよ!三倍だよ?三倍の値段するんだよ?通常型だと、押しても!引っ張っても!蹴っても!殴っても!ピクリともしなかったんだよ!じゃないと買わないよ!


 うおっほん!


 それはさておき、橋の建設である。


 まずは掘削型が川辺に穴を掘る。


 深さとしては、丸太の三分の二程…広さは8本分である。


 流石にそのままでは、風やら水の流れやらで橋が崩れると思うので「地中に固定しよう」と考えた次第である。


 それでまあ、8本…クッ…ゴーレムが通れるように…8…本…枝…落とし…あぁぁ…


「うう…掘削型…速く掘ってくれ…」


 今ここにいるゴーレムは、丸太運搬兼設置役の12号と、穴掘り要因の掘削型5号、後は護衛のゴーレムとして、通常型1号と2号もいる。


 そんな中で、俺の考えた建設方法は、大きく分けて3つの手順に別れる。


 穴掘り、川越、設置である。


 まず穴掘りは先程説明した通りの穴より、少し横幅を広くしての掘削となる。


 理由としては、対岸にも同じものを掘るつもりなので、その時に「あっ、微妙にずれてる…」となっての掘り直しを防ぐ目的が有る。


 他にも細かい理由が有るには有るが、全部説明してもきりがないので、省略する。


 次に川越だが、そのままである。


 …というかもうしてしまっている。


 今までの運搬型の実積と、先日の氾濫時の実験で、ゴーレムが川越出来ることは解っていた。


 氾濫時での実験では、通常型でも、技能型でも、三体揃えば堪えられるということが解った。


 ただ、通常時の川での実験はしていなかったので、こちら岸の穴を掘る前にと、掘削型5号を川越させてみると…案外あっさりと渡れてしまったのである。


 「あれ?橋要らなくね?」と思った俺を誰が責められるだろうか…


 「こっ国民が…使うんだ」と無理矢理納得させて、対岸での掘削作業を開始させながら次の説明へ移る。


 次は設置。


 まあ、これもそのままで、穴に木材を並べ、間に石を差し込み、固定してから土を入れる。


 後はそのまま地固めをして、完成である。


 …とまあ、このように説明したということは―――


「水の勢い強っ!いやこれ石差し込むの無理でしょ!」


 ―――その通りにいかなかったというわけで…


「うーん木材流される…いや、不味い!通常型1号抑えて!2号は川越して向こう岸で抑えて!」


 いやぁこれは誤算…というか埋める土が流される!


「そこの通常型!掘削型全員呼んできて!」


 こうなったら物量じゃあ!



 そうして、全掘削型と、半数の護衛用通常型を動員したこの工事は、その日の夕方になんとか終了したのだった。


「やっと…終わった…」


 とてつもない疲労感と、なんとか終わった安堵感を感じながら、その日はスッキリと―――


「あっ向こう岸でやること終わってないじゃん!」


 ―――悶々としながら眠るのであった。

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