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動き出しす歯車・前編

今回は許してください…こっちより大事な他の〆切に追われてたんです…


後編はプロ・1・2話編集してから取り掛かろうと思いますので遅くなります


誤字脱字過多

俺達の夏休みも終わり数日後、俺達はギルド内にある依頼掲示板の前へ来ていた。


「スライムの粘液採取…ゴーレムコアの入手に…オーガの牙取り……んーろくな依頼がないなぁ…」


「どれもコレも難易度高いねぇ…」


簡単な依頼は、その殆どが朝イチの張り出しで持って行かれてしまい…基本、夕方から潜る俺達には…簡単な依頼が、残ってる方が珍しいくらいなのだ。


「んー…まぁこれならそこまでは遅くならないと思うけど…お前はどう思う?」


なので難易度は高いがクリア出来ないほど難しくはない…なんてそんな丁度いい依頼が1つあれば御の字だったりする。


「まぁ妥協点だね…これ以上簡単な依頼もなさそうだし」


「んじゃ!これで決まりだな」


口が滑っても簡単とは言えないが【ワイバーン】の素材採取は難易度に対して報酬が悪い故に残されがちだったりする。


そりゃあ、ずぅっと空中で動き回られてるなんて、狩る側からしたら堪ったもんじゃないだろうな…こっちの攻撃は当たらんのにワイバーンの攻撃は避けられないとか、どんな嫌がらせより嫌がらせだって話だよ!。


「まっ!俺らには関係ないけどナッ!」


「え?いきなり何?遂に脳でも沸騰した?」


「してねぇよ!」


そこまで言うことなくね?いくら俺でも泣くよ?ねぇ!泣くよ??



--------------------------------------------------------------------


【依頼書】


【難易度】A


【依頼内容】

ワイバーン1体以上の討伐及び翼膜(よくまく)の採取


【階層】

20階層以上


【報酬】

ワイバーンの羽1枚につき【¥5,000】


【補足事項】

報酬は最大20枚分まで用意有り


【依頼者】

株式会社・アーネスト(薬剤研究部)


--------------------------------------------------------------------


ワイバーン討伐の依頼を手に取り、受け付けへ向かう。


「この依頼の受注をお願いします」


「少し拝見、致しますね」


そう言うと受付員が依頼書と俺達を交互に見る何度も。


「な…なんですか?」


「いえ…パーティーメンバーは、お二人だけですか?」


「えぇ…そうですが……」


職員は怪訝そうに俺達を見て口を開く。


「失礼ですが…とてもワイバーンを倒せるメンバーとは思えません……」


見た目で判断するとは失礼な!ワイバーンなんて【ただの空飛ぶ的】じゃないか!


「この依頼には命を伴う可能性がありますので他のパーティーと共闘や、パーティーメンバーを増やす事をオススメしますが…」


それから30分程、無駄な問答が続いている…正直、もう既に疲れた…まだ依頼に出る前なのに……。


この受付員、強情だな…なかなか受注してくれねぇ…


大丈夫だと何度、伝えてもまるで納得しようとしない

モンスターの討伐依頼は普通4人以上のパーティーでこなすモノと認識されており…それは2人のパーティーで向かって帰って来ない事例が多かった為、全職員の警戒心が非常に高い所為でなかなか受けてくれないことがあるのだ。


「問題ないですから!今までだってやってきましたし!!」


「そんなの信じられる訳ないでしょ!ダメです!」


ダァァァ話が通じねぇ!なんだこの人!新人か!新人なのか?!


受付員と俺が長くいがみ合っていると…。


「おー紫月に翔弥じゃないか!」


職員の後ろから良く俺達の担当をしてくれる【金剛(コンゴウ) 烈炎(レッカ)】さんがふたつ重なった木箱を担いだまま受付の奥から現れる。


「こっ金剛先輩!?」


「烈火さん!!」


「コイツらの受付はオレがやるからお前はこの資料を片付けて来てくれ」


そう言って肩に担いでる木箱を下ろし彼に任せる。


「い…いやしかし!彼らの人数では!」


俺たちの安否を心配しているのか、諦めず烈炎さんに詰め寄る。


「お前の気持ちはわかるが大丈夫だ!何も問題ないし、そもそもコイツらに人数の常識は通用しねぇよ」


そう言われると、彼は理解ができず訝しげな顔で小首を傾げる。


人数の常識が通用しないとは随分と失礼だな…コレではまるで俺達が人外みたいじゃないか!!


「それは…どういう……??」


「あっあんま詮索すんな…色々理由があんだよ」


すると烈炎さんはタハハと笑い、話をはぐらかす。


その間、俺達はガン無視されている事に痺れを切らした2人の会話に割って入る。


「あっのぉ?早く依頼を受注して欲しいんですけっどぉ?」


俺は顔に血管が浮き出てそうな笑顔で腕を組み、微笑みかけると。


「ぁあっ!すまんすまん!!」


依頼受注をすっかり忘れていた烈火さんが俺の顔を見て苦笑いを浮かべ、咳払いをしコチラに身体と顔を向ける。


「コレ頼んだぞ!」


「……わかりました」


「コホン、依頼の件だったな」


いまいち納得できない様子で木箱を代車に乗せ去っていく職員を横目に、俺達は話を本題へ切り替える。


「そうです!早く受注してくださいよぉ…」


そう言って俺はジト目で烈炎さんの顔を覗く…すると烈炎さんは歯切れの悪い顔で目を逸らした。


「………」


ん?なんだ??いつもなら、ふたつ返事で受注してくれるのに……


烈炎さんの様子がおかしい事に翔弥も気付いた。


「ねぇ…なんか様子おかしくない?」


「あぁ…この依頼になんかトラブルでもあったのか?」


でもだとしたら、さっきの職員がそのトラブルを知っていないとおかしい…


「どうだろう…」


いつまでも話が進まず、俺達が話しかけようとした時…。


「受注するのは構わんのだが…お前達に聞かなきゃ行けない事がある……ついてきてくれ」


いつになく真剣な顔の烈炎さんはそのまま立ち上がり受付の奥へと進んで行く。


あんな真剣な顔されたら流石の俺でも、余計なちゃちゃ入れは出来ず、黙ってついて行く。


烈炎さんについて行きスタッフルームの奥へ進み、特殊職員以外の立ち入りが禁止されている扉の先にある階段を降りさらに奥へ進んで行き、辿り着いたそこは魔材倉(まざいぐら)だった。


あるかどうかその存在すら曖昧だった魔物素材だけを保管してると言われている倉庫、通称【魔材倉(まざいぐら)】があると冒険者たちの間では絶えない噂の1つだ。


「ここは……」


本当にあったのか魔物素材だけの素材庫!


「モンスターの部位や様々な鉱石がこんなに……」


俺達は倉庫内に陳列された様々な【魔物の素材達】を前に唖然としていると…。


「内部機密だがココはお前達、冒険者がダンジョンから持って帰ってきたモンスター素材の…1次保管場所だ」


アレは噂じゃなかったのか…正直持って帰って来た素材はそのまま依頼者達に渡されてるものだとばかり……ん?1次保管場所?


「1次保管って事は2次もあるってことですか?」


「あぁ!あるぞ!ここでは魔物素材に含まれる魔力が完全に無くなるまで放置して魔力が無くなり次第、ギルド外にある2次保管場所へ運ばれ、その後依頼者の元へ運ばれるんだ」


「ほへぇ、そうだったんッスね」


「まぁココの事が噂になってるみたいだが絶対に口外禁止だからな!」


「え?フリですか?」


「んな訳あるか!!」


デスヨネー!まっ!言っても面倒に巻き込まれそうだし言うことは無いでしょ!


「そう言えば、素材から魔力がなくなり次第…っていってましたが素材に含まれる魔力って極微量だって聞きましたよ?」


魔力がある者ならどれほど微量であれ魔力を()る事が出来るらいしのだが……何を隠そう!俺達は魔力を視る所か感知することが一切出来ない!


俺達2人はダンジョンに入る者なら必ずあるであろう魔力が、雀の涙"すら"ないのだ…

その所為で魔力の感知や魔法や魔剣に聖剣そして魔道具と言った…魔力がなけれ使う事が出来ない物は何1つとして使う事が出来ない。


因みに俺達が使っている、このマジックバッグは素材に魔石を使用している事で、魔力がなくても使えるオーダーメイド…要するに特注品なのだ!…いやぁ非常に助かってます…普通なら、魔石なんて希少で高価な物をマジックバッグ如きで!なんて思われる所だが…俺達が唯一使える魔法道具だし…何なら生命線だ、これが無くなったら裸でモンスターと戦う様なもんなんだからさ…


「微量とて、どんな影響が起こるか数10年たった今なお魔力の正体は未知数なんだよ!だが…今回お前達に見てもらいたいのはこの部屋の奥にある!」


そう言って烈炎さんが叩いた扉には【超級危険保管庫】と書かれていた。


そしてその扉を開けると…そこには………。


「コイツだ…」


「「なぁ!?」」


そこには…核のある部位が消し飛び茶色く枯れ果てたモンスターの亡骸が保管されていた…。


「コレが討伐され此処にある事を知っているのは、コイツをここまで運んで来た自衛隊の方々と、オレを含む1部のギルド上層部だけだ…」


間違いない…コレはあの時、俺達が倒したアルラウネだ……


「単刀直入に聞くが、コイツを倒したのはお前らだな?」


「ちっ違います!!てかなんで俺達だと思ったんだよ!」


頭の整理が着かないうちに質問をされ、俺は慌てて否定する。


「戦いの痕跡を見ればひと目でわかるわ!」


そう言って烈炎さんはアルラウネの束ねられた触手と本体を交互に指さす。


「この触手にある明らかな焼け跡…形状的には爆発でも受けたんだろうな」


「それだったら爆発魔法って可能性だってありますよ?」


「なら…コレはなんだ?」


そう言って烈炎さんは小さな黒い何かの欠片が入った小瓶を取り出す。


「ん?」


焦げた金属片?なんで金属片なんk…あっ!コレ誤魔化せないやつだ!!


「で…でも、それだけで俺達がやったって言うのは考えすぎなんじゃないですか…?」


「そうだな…でも決定的なのがコレとコレだ…」


そう言うと烈炎さんはポケットの中から1つの写真と弾丸の無くなった薬莢を取り出す。


「写真?」


「コレは12.7x99mm弾の弾丸がぶっ刺さった天井の写真だ」


「え?そんな写真を集めてるんスか?随分と変わった収集癖ッスね」


すっとぼけた声で明らかにふざける…すると。


「そうなんだよ!特にこの天井に突き刺さってる角度なんて最高だと思う…わけあるか!」


意外と乗ってくれる所、大好きだわ


「やらせんな!馬鹿野郎…」


慣れないノリツッコミにほんのり顔を赤らめる烈炎さんに…。


「いい歳したおっさんの赤面なんて需要ないッスよ?」


俺はハイライトの消えた目で烈炎さんの顔を見る。


「お前がやらせたんだろ!! 話を逸らすんじゃない!」


いや、やらせたってより烈炎さんが勝手にやっただけだと思うけど……火に油を注ぎそうだからまぁいいや


1連の流れを俺の所為にした烈炎さんは大きく咳払いをして本題へ戻る。


「さっきも言ったが、ここに写ってるのはお前の撃ったライフル弾の痕跡だよ!ダメ押しで言うならこのアルラウネには魔法攻撃の痕跡は一切なかったそうだ…」


魔法を一切使わずに戦う……そんなの俺達しかいないな!あの自衛隊パーティですら魔法は使ってるらしいし!よし!!


「な!なんだってぇぇぇ!!!」


「そろそろ殴るぞ…?」


「紫月、流石にもう無理だね…」


「ごめんなさい」


いやわかってる…もう言い逃れが出来ないのはわかってるんだよ…だったらもうふざけるしかないじゃないか!!


そう…俺達はわかっていた。たった2人のパーティーがクラウン級の魔物…その中でも【危険度S】に分類されている【アルラウネ】を倒したと言う事の大きさを……。


「んじゃもう一度聞くぞ?コイツを倒したのはお前達だな?」


「はぁ…違うと言ったら信じてくれますか?」


俺は浅く溜息を吐き諦め気だるそうに答える。


「無理だな」


「じゃあそういう事ッスよ」


俺達はお互い顔を合わせ苦笑いを浮かべる。


「この事は(おおやけ)にするつもりはないが、お前達はまだ誰にも言ってないな?」


「勿論!なぁ?」


「クラウン級のアルラウネを倒した事は伝えてないよ?」


翔弥の親父さんにあの日の事は少し喋ってしまったが【何を倒した】のか、それは伝えてはいない。


倒したモノのヤバさはお互いしっかりと理解していたからこそ【何を倒した】のかは家族にすら言えなかった…せいぜい言えたのは【魔物に襲われたが何とか生き残った】程度である。


口外してないか聞いたのは、2人でアルラウネを倒したなんて知れれば【俺達でも倒せる】と増長する者も現れる、そうなればギルド内は大パニックになるからだろう。


過去にもたった5人でクラウン級を倒した事例は1度だけあるが、それは各々が歴代最強と呼ばれた者達が奇跡的に集まり後に【Gathering of kings(王者達の集い)】と呼ばれているパーティーを覗いて他にはいないが…。


それでも5人だ!それにその5人は各分野で今なお頂点に立ち続けてる本物の英雄達だ…そんな精鋭中の精鋭が倒したという記録は当然、憧れにはなっても増長する者など現れる事など有り得ない。


だが俺達は違う、俺達に魔力は一切なく自身の身体能力と銃火器だけを駆使し一度の依頼で万全の準備に、念を押す位に準備しその上で毎度、逃げ回り死にかけながら何とか生き延びているような者達だ…。


そんな英雄なんて口が腐っても言えないヤツらが倒したなんて知れれば、勘違いする者が出てきてもおかしくはない。


俺達と極1部の人達しか知らないが、烈炎さんは、Gathering of Kings(王者達の集い)なんて、恥っずかしい名前のパーティーでタンクをしてたらしい。その力は未だに衰えておらず、今でも全盛期さながらの力を発揮できるそうだ。


俺達が知っている限りGathering of Kings(王者達の集い)メンバーの力量は本人達曰く今でも全盛期に劣らず老いて更に強力になったとドヤ顔されたのをはっきり覚えている。


「なら問題は無い…か…お前達なら問題は無いと思うが、まぁ今後も口外をしないようにな!」


「「勿論です!!」」


「現状で聞きたい事はコレだけだ…さぁ戻ろうか依頼の受注がまだ、だしな」


そう言って烈炎さんと俺達は部屋から出て受付へ戻って来た。


「さて!ワイバーンの討伐及び翼膜の収集依頼だったな」


「ですね」


さっきまでの雰囲気は何処へやら、烈火さんの表情にはいつもの豪快な笑顔が浮かんでいる。


真面目モードは終わりってな…相変わらず切り替えの差が激し過ぎると思う俺だった…


「ほれ、これで受付は完了だ!問題ないとは思うけど極力怪我はしないように!アイツには面倒かけるなよ?アイツあぁ見えてかなり…」


「いつも通り気にしなくて平気ですよ」


苦笑い気味な烈炎の言葉に被せ俺はそう答えた。


「サポートは任せて下さい」


「お前ら2人なら心配はいらんな」


依頼書を俺たちに渡すと同時に烈炎さんは微笑する。


「それじゃあ…」


「「行ってきます!!」」


そして俺達はダンジョンへ向かった…。


………

正直20階層攻略まで書いちゃおうかと思ったけど思ったより長くなったんで、前・中・後編に分けました!許してちょ!(あ゛?)いやっあの!ごめんなさい…


………………………

No.2・スライム(クラウン級)危険度S

スライムの攻撃方法や倒し方は、通常種のスライムと大して変わらないがクラウン級と呼ばれる由縁は、そのスライムにだけある特異能力の【核分裂と核融合】にある。


・核分裂

クラウン級スライムだけが持つ固有特異能力、分裂すればするだけ力は弱くなるが無限に分裂し続ける為、斬撃も打撃も強く効果を示さない。



・核融合

斬撃と打撃が効果を示さない主な理由はココにある。

分裂した核が元に戻ると言うだけなのだが、その戻る速度が脅威的なのだ。

その融合速度は【0.14秒】と驚異的な速さが記録されている。


見た目は通常種とほぼ変わらない為、攻撃をされるかコチラから仕掛けない限り見分けるのは不可能に近いと報告を受けている。


弱点や攻撃方法に通常スライムと変わらないがクラウン級のスライムは、体表ジェルの物質を変化させる事ができ強酸性や遅延型や速攻型の毒に変化し攻撃をしてくる事が、最近確認された。


クラウン級と通常種の違いはジェルの物質変換もあるがクラウン級のジェルは常時マジックポーションの効果を持ちその効果は様々で治癒・魔力回復・解毒・解呪・の効果をランダムで発揮する為、重宝されるがクラウン級と言うだけあって希少価値が非常に高い。

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