第七話 第一挑戦者様ご来場!(挑戦者Side)その2
俺達は足早にギルドに帰還した。
「お疲れ様でした!ダンジョンで何か収穫ほありましたか?」と受付嬢が聞いてくるが、
「ギルマスに至急、報告しなければならない事がある。」そう真剣な表情で言うと、受付嬢はすぐに「こちらへどうぞ。」とギルマスの部屋まで案内してくれた。
部屋に入るなり、ギルマスから、「どうした。何かあったのか?」と威厳のある顔で聞かれた。
「はい、ダンジョンは塔型のダンジョンで入り口の隣には看板がありました。そこには、ダンジョン内でのルール、救済措置、注意事項が書いてありました。ルールは2つ、ダンジョンに入れるのは朝昼晩の3回のみ。犯罪行為は禁止。破った場合は即刻出ていって貰う。救済措置も2つ。戦闘不能になった場合、回復した上で外に転移する。1階層につき2箇所、セーフティエリアがあり、目印の焚き火から半径20メートル以内には魔物は入って来れない。注意事項は3つ。魔物の解体は出来ないが、その階層に応じた金やアイテムがドロップする。次の階層に行く為には、扉の問題を解かなければならない。1層1層のエリアが広大だから野営道具は持っていった方がいい。以上でした。」
その後もファンファーレの事やエリアボスの事も報告した。
「う〜む、死なないダンジョン…か。それが本当ならば冒険者の訓練所としても使えるのだが…その喋っていた個体の情報でもあれば…フィールドボスというだけではちょっとなぁ…」
ギルマスが唸っていると、ユリアが
「ギルマス…情報…ある。この…本」
討伐報酬としてドロップした本を差し出した。完全に忘れてた…
「ん?その本はなんだ?」と言いつつ受け取ったギルマスが本を読み進め、口をひらいた。
「なるほどな…どうやらあのダンジョンにはフィールドボスの下位互換の様な個体が複数いて、フィールドボス以外は6体でパーティーを組んでいるらしい。パーティーの実力は総じてDランク程で、フィールドボスはAランクの実力を持つが、ボスも下位互換も総じて耐久力が低いらしい。だからお前たちが一撃当てたら倒すことができたんだ。」
ギルマスによると、これ以降も調査は必要になるが、場合によっては塔の周辺に街を作るかもしれないと言っていた。