第六話 第一挑戦者様ご来場!(挑戦者Side)その1
「コア!見てみろ!挑戦者っぽいのが来たぞ!」
コアの標準機能の一つであるダンジョンカメラで確認した挑戦者を見て、興奮しながら騒いでる俺にコアは、
「ちょっと落ち着け、確認に来ただけかもしれないからな。」
挑戦者Side
「なぁ、この辺りに新しいダンジョンができたって話、どう思う?」
俺はガルム。Bランク冒険者だ。ダンジョンを専門に攻略するのを挑戦者って言うらしいが、俺達は違う。
「どう思うも何も…依頼だから…調査するしか…ない。」
この女はユリア。このパーティーの魔法職だ。少し話しづらいが、いいやつだ。
「ガハハ!!どんな攻撃だろうと、俺が防ぎきるから心配するな!」
この豪快な男はガムザ。一応このパーティーのリーダーなのだが…馬鹿だ。まぁ、だからこそ、何でも話せるってのもあるけどな。
「そうねぇ。達成出来なかったら大変だし、頑張りましょうかぁ。」
このおっとりしてるのはナズナ。パーティーの回復士だ。なんだかんだ頼りになる。
ダンジョンが見えてきた。あれか。結構大きいな。
ダンジョンに近づいて見ると、入り口の隣に看板があった。何なに?
「「「「は?」」」」俺達は揃ってそんな事を言ってしまった。いや…だってこんなにも丁寧にルールだとか注意事項だとか救済措置まで書いてあるダンジョンなんて見た事ないぞ?!
十中八九罠だろうな…と思いつつ扉を開けると、
『おめでとうございまーす!貴方方は挑戦者様第一号でございます!景品をどうぞ!』という音声がファンファーレと共に流れて来て、目の前にウエストポーチが落ちてきた。警戒しつつも開けてみると、何とマジックバックだった事が判明した。それもかなり容量が大きめの。「え?は?はぁぉぉぁぁ??!!!」俺は思わず叫んでしまった。
ユリアから静かにしろと怒られたが、このウエストポーチの事を説明するとひどく驚いた様子だった。それはそうだろう。マジックバックなんて、Aランクの上位パーティーにならないと持っていないような品で、オークションじゃかなり高値で売れるんだから。
俺達はもしかしたら油断させる為の罠かと思い、慎重に進んでいくと、双剣を持ったゴーレムっぽい魔物と遭遇した。
「ユリア、あのゴーレムの種類はわかるか?」
「分からない……もしかしたら…新種…かも。慎重に…いこう…あんな小型の…ゴーレム見た事…無いから。」
「了解!」
そう答えると俺達は戦闘を開始した。警戒はしていたが、予想外の事が起こった。
「な!このゴーレム、速い!」
普通はゴーレムはその重量から、素早い動きはできず、遅い動きで攻撃してくるので、対応は容易だと思っていた。
俺が剣で切りつければそれをいなして素速く反撃してくる。まるで熟練の戦士のようだった。ガムザがフォローしてくれて無かったら死んでたかもしれないな…。
それを見ていたユリアが、「あの動きは…まさか…でもそれしかありえない…」ぶつぶつ何かを言っていた。
「どうした!ユリア!何か分かったのか?!教えてくれ!」
そう言うとユリアは神妙な顔をして、
「多分…あの動き方…からして…機械兵器の…可能性が高い…それも…新種の…」
ユリアがそう言うと、機械兵器が喋りだした。俺とガムザの攻撃を紙一重で躱しながら。
『チガウ。貴様ラガ今マデ戦ッテキタノハ、未完成機体ダ。ソシテ、ワタシハ、コノ階層ノフィールドボスダ。』
喋っている機械兵器に偶然、俺の剣が当たった。そうすると、いきなり戦っていたはずの機械兵器が消えて、革袋が4つ出て来た。4人して唖然としていると、またファンファーレが聞こえてきた。
『フィールドボス討伐、おめでとうございます!初回討伐報酬として、白金貨3枚、機械兵器:ソルジャー・ストーンタイプのについて、龍の鱗、そしてなんと、次の階層に向かう扉を開けるヒントを贈呈いたします!今度とも、当ダンジョンを宜しくお願い致します!』
その後、俺達驚きながらも軽く探索をしてギルドに報告の為、帰還した。
スライム君「負けたけど、楽しかった!次はまけないぞ〜!」
戦いに敗北したとは思えないいい声を出して、次の戦いにそなえていました。