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プロローグ


周りには見たことの無い植物、見たことの無い動物、土の成分すら地球と異なる。そしてその知らない地、で眼前の体長1mを超える猪を見つめながら僕は少し前のことを思い出す。

「はあ…ここはやっぱり地球じゃないのか。」



「翔!おっそーい!」

僕の名前を呼ぶのは目の前の小柄な少女。僕の恋人で同級生の小桜 琴音だ。

「ごめんごめん。」

僕こと星空 翔は琴音に謝りながらデートの待ち合わせの広場まで歩いていく。

今日は琴音と付き合って1年の記念に遠くの遊園地までデートに行くのだ。

「さあ、行こうか。」

「うん!」

僕は琴音の手を握って駅へと歩いて行った。


僕と琴音との出会いは学校より先に自宅から5km程離れたお店だった。

そのお店は二次元のキャラクターグッズを売っているものだった。

小さい頃から成績が良く、「神童」と呼ばれた僕は真面目なイメージが付いているようで、オタクという印象が付くのを避けるためにわざわざ遠い店まで足を運んでいる。

同じことをしている人がまさか同級生にいるとは思わなかったが。

そのお店で僕は琴音と出会い、学校で話すようになり、今に至ると言いうわけだ。


そんなことを考えながらぼーっと歩いているといつの間にか駅のホームに立っていた。横には琴音が居る。少し待っていると、電車がホームにきた。

やっと電車に乗れると考えた時、いきなり琴音が線路に飛び出した。

いや、体勢から見るに後ろから押されたのだろう。

しかし、そんなことは関係ない。僕は琴音を助けるために線路へ飛び出した。

自分が線路に入っても助けられるわけが無いと分かっていても体が動いた。

案の定、琴音をホームに中々上げられないうちに目の前に電車が迫って…

意識が暗転した。


気付くとそこは不思議な空間だった。

奥行きがあるのかも分からない、白とも黒とも言えない表現出来ない空間だった。

横には琴音が居る。僕は何となく2人で死んでしまったんだと思った。

そしてそれはすぐに証明された。


「やあ、こんにちは。」


何も無かった所にいつの間にか人の形をした光があった。

「僕は神様だよ。」

「同時に死神でもある。」

「本当は死ぬのはそこの女の子だけだったんだけど。」

「まさか君が入ってくると思わなかったよ。」


僕は神を名乗るこいつが琴音を殺したと悟った。

「ふざけるな!」

途端に激しい憤りを感じた。

しかし、神はそんなことお構い無しに言葉を続ける。

「君には悪いことをしたね。」

「お詫びにこの子と一緒に別世界に送ってやろう。」

「いや、それだけじゃダメだな。」

「君にだけ1つ好きな力をあげよう!」

神の話を聞いていたがどうやら琴音と離れることは無いようで少し溜飲が下がる。

「さあ、何の能力でもいいよ!言ってごらん。」

神は僕に力を授けるつもりのようだ。

「何でもいいと言ったな?」

僕は確認の為に聞く。

「ああ、なんでもいい!無限の魔力でも、達人の剣の腕でも!」

僕は決めた。いや、決めていた。

もし、どんな能力でも手に入るとしたら何がいいかと。

答えは決まっている。

「神、じゃあ俺に―――――の能力をくれ。」

それを聞いた神は、

「!…いいだろう。面白い選択をするね。神が怖くないのかい?」

神を恐れる必要などない。この能力があれば。

「では、君達を異世界に送るよ。」

「ちなみに隣の少女ちゃんは元の身体能力のままだからくれぐれも気をつけてね。」

なぬ…と思った時にはもう遅く、目が覚めると知らない地だった。



ここ数時間の事を思い出しながら、突拍子もないことになったと思った。

先ずは目の前の猪を倒すか…

僕は心の中で「ステータス」と念じる。

すると頭の中に僕のステータスが浮かぶ。


名前…星空 翔 Lv…1 ヒューマン

能力

HP…137/137 MP…79/79

筋力…24 敏捷…37

知力…289

スキル

・スキル創造


これが今の僕のステータスだ。

そう、僕が神から貰った能力はスキル創造のスキル。

早速使ってみる。使うといっても、頭で念じるだけである。

僕は、火魔法Lv1を取得する。

掌を猪に向けて、

「ファイヤー!」

すると、掌から人の頭ほどの火の玉が真っ直ぐ飛んでいき、

猪に命中、そのまま焼き尽くした。

このスキルやステータス等の使い方は取得と同時に頭に入ってくる便利な機能仕様になっている。

隣には怯えきった琴音が居るが、僕は辺りを見回してモンスターの気配が無いのを感じると、スキルを取得していく。

まずは、この異常なスキルがバレないための「隠蔽」、

さらに「鑑定」「索敵」「剣術」「拳術」「体術」と、次々に取得する。

全ての属性の魔法である「全魔法」、生活に必要な「生活魔法」、時空や重力を操る「特殊魔法」等の間法を取得したあたりで気付き、

「体力強化」「魔力強化」「体力自動回復」「魔力自動回復」などを順調に取得する。

僕は以前スキル創造スキルを手に入れた時に何のスキルを取るかを決めていた。

その時に思いついていたスキル群を取得していくしていった。


名前 星空 翔 Lv1 ヒューマン

能力

HP…1483/1483 MP…12649/12649

筋力…24+538 敏捷…37+2485

知力…289

スキル

・スキル創造

・武具生成

・全魔法Lv1

・剣鬼Lv1 …etc.


一通り取得した時にはすっかりステータスが変わっていた。

「隠蔽」によって雑魚ステータスにしか見えないようになっているが、すぐにバレるだろう。

そして僕は「索敵」を発動し周辺情報を取得する。

近くに街があるようなので、そこに行ってみる。

「琴音、街に行こう。」

すっかりほったらかしにしていた琴音を呼び、街に向かう。

琴音はほったらかしにされたことに腹を立てていたが、

「ごめんな、でも、琴音を守るために仕方がなかったんだよ。」

と言うと、はにかみながら許してくれた。


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