01 あの日の思い出
書籍化の改稿とか連載の更新とかを全て無視して書きましたごめんなさい許してつい出来心で!
「こんなところで何してるの?」
「これかい? これは魔法の研究だよ」
「魔法?! おじちゃん、凄い魔法使いなの!?」
「あはは……残念ながらおじさんは魔法が使えないんだ」
「え……? じゃあなんで魔法のお勉強なんてやってるの……?」
「そうだなぁ……」
純粋無垢な幼い少女の瞳には、なんとも楽しそうに語る自分がいることに気づいた。
「魔法が好き、だからかな」
「そうなの! それは良いことね!」
「ああ、そうだね」
そんな他愛無い、相手からすれば覚えてもいないだろう一つの言葉に救われて、今があった。
◇
「あの時のおじさまは私のことを覚えてくれているだろうか」
きっと覚えていない。それでも、もしかしたら、少しでも記憶に残るものがあるとすれば……。
「私の活躍をどこかで聞いてくれるかもしれない」
天蓋付きのベッドに沈み込みながら何度も見た夢を見る。
「あの時教えてもらった魔法……あれのおかげで私は……」
持てる術を全て使い尽くしても、あの時教えてもらった、あのおじさまにとっては「とても簡単な」魔法の正体は、見つかることはなかった。
「どこにいるんですか……? おじさま」
その声はいつもどおり、誰にも届くことなく広すぎる部屋に寂しく響くだけだった。