硬目標などに対する術式展開
掩蔽壕などの硬目標に対しては、高威力の術式を用いる必要がある。
術の威力は、術者の集中力と払われた代償に左右されるが、どれだけ長く対象を術式に暴露させるかも重要な要素となる。
例えば、熱反応魔法。
この術式を照射された対象は、振動により発熱を引き起こす。
発生する熱量は先述のように、術式の照射時間による。
つまり照射時間を長くし、精度を極限まで高めれば石英などを気化させることまで可能な術式だ。
実際に、こうした術式を運用する際は、先んじて指向性の誘導術式を対象に照射、その後に攻勢術式を展開する。
誘導術式を展開している間は、殆ど身動きが取れない為、敵勢力に此方の居場所を感知された場合は反撃を受けることは確実である。
特殊な誘導術式で、対象に起点を置き、最短の照射時間で攻勢術式を発動する(俗に言う打ちっ放し)ものなどもあるが、術者の安全を確保できる反面、対象への作用は最低限なものとなってしまう。
そのため、打ちっ放しを行う術式は専ら対人目標に用いられる。
今回は、魔術を現実世界の対戦車誘導弾などのように運用したらどうなるのだろう?という考えのもと書き起こしてみました。
指向性の術式(現実でのレーザーなど)で標的にマーキングして、攻勢術式を撃ち込むようなイメージですね。