歩兵術者と尖杖、短杖
歩兵術者は主に敵地の制圧を担当する。
装備としては通常、杖を二本程度携帯する。(大小二本で一式となる)
一本は近接防御用の短杖、もう一本は長距離術式や白兵戦が発生した際に使用する杖(単にジョウと読んだり、尖杖と言ったりする長いもの)である。
威力については、術式に対する意識と払われる代償(古来は自らの血肉を使用したが、現在は専ら銅や軽銀)に比例する為、尖杖の方がより高威力の術式を行使出来る。
一方で短杖は尖杖が使用不可となった時、低威力の術式を連続して使用したり、単発の高威力術式を行使するなどして用いる。
また、尖杖は先端に鋒を付けたり、後端に石突をつくるなどして白兵戦に対処しやすくしたものも多い。
特異な例を挙げると、杖に対して形態変化の術を掛け、弦を張って弓として使用したり打根を付けて弭槍としたものなどがある。
このように、尖杖は多様な使用法が存在する。
尖杖は先述のように、杖そのもの以外の武具のような形の場合が多いが、一説によるとこれは魔術師を非魔術師(つまり、一般の歩兵)に擬する為とされている。
つまり敵性勢力に対して高価値目標である術者が、一般歩兵に扮することで損耗を防ごうというわけである。