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化学兵器に対する防御術式について
波斯國と伊拉克間の紛争では、化学兵器が使用された。
この紛争で波斯國側は、防御術式が確立されておらず多大な損害を蒙った。
化学兵器に対する防御術式は、非常に煩雑な手順を踏む故に、熟達した術者が存在しない國では存在自体が知られていないことも多い。
一般的な防御術式では、攻勢術式に対して硬度や靱性の異なる領域を展開する。(通常は意識を向けやすい前面、高度な術者の場合は側方、背面、上方全てに展開が可能)
しかし対化学兵器の防御術式は、化学物質への感知術式、物質それ自体を濾過する術式(精度の低いものから高いものへと四層程度展開する)を同時に発現しなければならない。
それ故に、防御術式を得意とする魔術士でもその域まで達しているものは少ないのである。
昨今では、後進国へ自ら渡り軍事顧問として活動する魔術師も現れている。