大和三山は結ぶ㉚
ヤッカイは驚いた後、表情が段々と怒りモードへと変わっていきました。
「っていうか、こんな一瞬で全滅だなんてズルい! 順番とか守ってあげたのに! そっちがルール違反だよ! よーし、こうなったら!」
ヤッカイがブツブツ言っている最中、近くで雲に乗って移動する老人がいました。
龍泉寺
雲で移動する老人に小角仙人達はいち早く気が付きました。観音が言いました。
「何やらヤッカイが仲間を呼んだようです!」
観音はグッと泉に顔を近づけ、雲に乗った人物を凝視しました。身なりは小汚く、垂れ目の小柄な老人でした。
「『いかにも』って感じです! 見た目は弱そうでも、得体の知れないオーラを感じます! 危険です!」
稲村も言いました。
「確かに! ただ者ではなさそうだ。本性は化け物かも知れん!」
小角仙人は軽く言いました。
「あー。ありゃ、久米仙人じゃ。わしと同じ仙人じゃよ」
観音と稲村はキョトンとした目で小角仙人を見ると、観音は先の暴言を撤回しようと、動揺しながら言い直しました。
「仙人様?…… いかにも、いかにも、素晴らしそうな人物です!」
稲村もあからさまにぎこちない顔で言いました。
「そうだな。私もそう思った……」
小角仙人は愉快そうに付け足しました。
「とても気が合うヤツでな。わしとはよく一緒に修行したものじゃ」
懐かしそうに笑う小角仙人をよそに、観音と稲村の二人は近づいて小声で話しました。
「やっぱり危険です……」
「あぁ。化け物かも知れん……」




