大和三山は結ぶ⑲
爆発の回数が段々と増えていきました。影のヤッカイ達はたくさんの塵を操り始め、耳成達のすぐ近くで爆発が起きるように仕向けていきました。大量の塵は地面に積もり始めます。
耳成山。
耳成は塵に足がとられてしまい、爆発が起きる度にコロコロと転がっていました。影のヤッカイが地面で何か拾いあげました。
「焼きドングリみ~つけた !」
黒く焦げたドングリと同じように、真っ黒な耳成はいいました。
「焦げすぎだよ! ドングリも! 耳成も!」
影のヤッカイは耳成の顔を見ていいました。
「おっきな焼きドングリ!」
耳成は怒っていいました。
「耳成はドングリじゃないもん!」
耳成の側でまた爆発が起きて、耳成はまた吹き飛ばされていきます。影のヤッカイは愉快そうに言いました。
「ドングリ、コロコロ~♪」
起き上がった耳成は念を込めていいました。
「絶対! 倒してやるんだもん!」
しかし、影のヤッカイを倒す事は出来ず時間が経つばかり。悪いことに別のヤッカイも姿を現しました。耳成は慌てました。
「二人一緒にとかずるいんだもん!」
そして、またまた別のヤッカイが姿を見せました。
「何人いるの! 一人ずつだからね! 並んで! 休憩とかもちゃんと挟むから! 待つのが嫌なら、別の山回ってもいいよ!」
影のヤッカイ達は驚きました。
「別の山に押し付けた!」
影のヤッカイ達は戸惑った様子で相談し始めました。
「何言ってるんだ? こいつ・・・・・・」
「本当に守護山娘なのか?」
「こんなの相手にするの?」
耳成はなおも怒って、ヤケクソ気味にいいました。
「って言うか、せめて一人倒してから出て来てくるのが、順番というものじゃないの!!」
影のヤッカイ達は顔を見合わせました。
「よく分からないけど、とにかく順番の事で怒っているみたい」
「他の仲間達にも伝えておこう」




