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守護山娘シリーズ  作者: 白上 しろ
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大和三山は結ぶ⑩

そんなある日。

ヤッカイが香久山周辺を襲って来ました。香久はやや苦戦を強いられながらもヤッカイを退けます。今回のヤッカイは特別強いと言う訳ではありませんでした。それではなぜ苦戦したのかと言うと、この日は香久山周辺に住むたくさんの人達が、香久の活躍を見守っていたのです。香久は性格上とても緊張していました。それでも香久は見事にヤッカイを退けます。人々の喝采を受けると、香久は内心恥ずかしい訳ですが、(その素振りを見せる事もまた、更に恥ずかしいので)照れ隠しのように、堂々と笑顔で声援に応じていました。

香久にとって最大の事件が起きたのは、まさにこの時でした。

人々の騒ぎで興奮したのか、突然、一頭の馬が香久の背中に突進、激突! 勢い良く弾かれた香久は、不運にも地面に落ちていた木の片(それは織物を織るシャトルと呼ばれるものでした)に股間を強打。激痛のあまり香久は反射的に地面に伏せました。香久の本当の悲劇はこの激痛だけではありません。香久は涙目で顔を上げました。これまで歓喜の声を上げていたたくさんの人達が、今何が起きたのか分からず、誰もが唖然としています。そしてヒソヒソ話をし始め、事態を知った人達は哀れみの目を向けながらも、一歩、二歩と、後ろに下がり始めました。中には心配して近づいて来る人もありましたが、

「だ、だ・・・・・・ 大丈夫です! ですから、来ないでください! お願いです! 近くに来ないでください!」

涙ながら訴える香久の言葉に一層悲壮感が増して、みんな心配しながらも去っていきました。香久は一人地面に伏したまま、もう何の音も感じとれない状態で、羞恥の極地を感じていました。

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