ミニ解説(高取山)
巽高取 雪かとみれば 雪でござらぬ 土佐の城
『高取山』は奈良県高市郡高取町にある標高約583mの山です。山の頂には『高取城跡』があります。今は石垣や土塁などを残すだけですが、実際の戦にも使われた経歴もある城で、その石垣群は城の大きさを物語る壮観な面影を今も残しています。比高は日本で最も高く、規模も最大級のものです。等身大の高取山そのものが巨大な山城であると言っても良いかも知れません。また『かぐや姫』で有名な『竹取物語』の舞台候補の一つとしてもとり上げられています。
高取山の登山ルートは大きく分けて二つあります。特に『眼病封じ』の神様で有名な『南法華寺(壺阪寺)』方面からだと、山頂付近まで車で移動できる事もあり(様々な表情を持つ『五百羅漢』が見られるコースもあります)歩く距離も短いです。
『上子島沢砂房公園』、『宗泉寺』が登山口付近にあるルートはハイキングコースとなっており、最初はくねくねとした道『七曲(敵の侵入を防ぐため)』ですが、途中から真っ直ぐな『一升坂(険しい山道のため、石材を運ぶ人に米を一升加増したことに由来)』に変わります。謎が残る石仏『猿石』(『宇宙人ではないか』という突飛な意見もあり、今作でそのまま引用させて頂きました)も道中、おもむろに置かれています。山頂付近の『国見櫓』の見晴らしも、素晴らしいです。高取山は少し妙な言い方をすれば、城や石仏など歴史の名残と山の自然とが融合した、巨大な芸術作品のようでもあり、他の登山道には無い高取山独特の美しさを感じさせてくれます。
高取町はかつて『土佐街道』と呼ばれた高取城の城下町で、今も古い町並みが残されています。町ではこうした町の風情も一緒に味わえる『町家の雛めぐり』『どろんこ祭り』『たかとり城まつり』などのイベントも随時開催されています。『くすりの町』としても大変有名です。清水寺とゆかりのある『子嶋寺』などのお寺もあります。
高取町や隣町の『飛鳥』などには、貴重な史跡がたくさんあります。時代を超えて、残された歴史の断片の何か一つと向かい合いにらめっこして見ると、ふと遥か昔の日本に吹きつけた風を感じる瞬間があるかも知れません。




