ミニ解説(葛城山)
葛城山(大和葛城山)は、金剛山地で、金剛山に次いで高い山(標高959m)であり、金剛山と並んで、雄大な姿を見せています。山全体が一年を通じて、変化に富んでおり、春には『ツツジ』、夏には『青葉』、秋には『ススキ』、冬には『霧氷』と、姿を変えていきます。
個人的な感想で、大ざっぱな解釈ではありますが、金剛山は(四季によりもちろん移り変わりますが)時が止まったような、凜とした、静寂な時間感覚と空間を合わせ持つのに対して、葛城山は流動的で、循環する生命の流れを、感じさせてくれるように思います。同じ山系に並んでいる山でありながら、対照的な側面を見せてくれます。
葛城山は、役行者が修行した山としても知られますが、彼が生まれた場所も、葛城山のある御所市でした。吉野の金峯山から葛城山に橋を架けようとした伝説などが残されています。登山口付近には、役行者と縁のある『不動寺』というお寺があります。
また、言い伝えでは、ヤマトタケルが亡くなった後、白鳥へと姿を変えて飛び立ちますが、その時舞い降りた場所の一つが、葛城市だったようです(『日本武尊白鳥陵』)。
二上山寄りに位置しますが、相撲を日本で最初にとった、相撲の開祖である『當麻け速』にちなんで建てられた、葛城市相撲館 『けはや座』という資料館があります。
葛城山の登山道は、登山口から少し歩いた所で『櫛羅の滝コース』と『北尾根コース』に分かれます。前者は『櫛羅の滝』が見る事が出来、後者は御所市内を展望する場所が、途中にいくつかあります。山頂には『葛城高原』が広がっており、見晴らしが大変良く、周辺の街が広範囲に展望出来ます。近くにお店やロッジもあり『鴨』のご馳走も頂く事ができます。最近ではカップルを祝福する『恋人の鐘』も建てられました。
ツツジの咲く時期の葛城高原は『一目百万本』とも称されます。ツツジは70年代に突如自生したとも言われ、麓から見た人が山火事と間違えて通報したというエピソードも残されています。ツツジに限らず四季に合わせて姿を変える葛城山。今も多くの人が訪れ、見る人を楽しませてくれます。




