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守護山娘シリーズ  作者: 白上 しろ
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葛城は咲く⑦

数ヶ月後。人々の手によって葛城高原の笹の草刈りが始められました。多くの人が協力してくれる事に、葛城はとても喜びました。何度も何度もクルクル回って踊り続けました。嬉しくて思わず草刈りをする人に近づく事もあり、驚かせてしまいました。

「わっ! ん? なんだ、登山客か。危ないよ」

葛城はまた申し訳なさそうに謝りました。

「すみません!」

草刈りの男性は感心していいました。

「しかし珍しいな。コスプレして山登りなんて」

男性は登山者らしからぬ葛城の姿をみて、コスプレをしていると思ったのです。葛城は首をひねりました。

「(コスプレ? ですか?)」


歩きながら葛城は考えていました。

「(『コスプレ』って何でしょう?)」

近くにいたサングラスの鴨が話しかけました。

「どうした娘?」

「あっ、鴨さん。分からない事があって」

「何だ? 何でも聞いてみな」

「コスプレって何ですか?」

「コスプレ?(何だ、そりゃ? まぁ、何かの略だろう。人間が落として行った英和辞典を熟読した俺だ。英語なんてお手の物だぜ!)」

サングラスの鴨はフッと笑いました。

「『コスプレ』ってのは、『コスモス プレデター』の略だ。つまり『宇宙の略奪者』と言ったところだ」

葛城は驚きました。

「宇宙の略奪者! わたくしはそんな恐ろしい者ではありません! あの人間様は勘違いされておられます。誤解を解かなければなりません!」

葛城は鬼気迫る顔で先ほどの男性の元に向かいました。男性は丁度、休憩をしている時でした。

「あの!」

「ん?」

「わたくし、葛城と申します!」

男性はタバコを吸いながら妙な子に絡まれていると思い、軽く受け流しました。

「え? あぁ、はい・・・・・・」

「ですので、安心してください!」

「ん? はぁ・・・・・・」

男性は頷きました。実際、男性を安心させるどころか不安すら与えてしまった疑いもある葛城ですが、男性の言葉を素直に受けとり、葛城は嬉しそうにルンルンで鴨のいる場所に戻ってきました。

「誤解が解けました。良かったです!」

鴨は驚いていいました。

「簡単だな! おい!」


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