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Summer Echo  作者: イワオウギ
V
254/292

254.台所から聞こえていた 洗い物の音が

┌―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

│ 台所から聞こえていた 洗い物の音が、

│ いつの間にか止まってました。

│ 寝ながらスマホで文字を打ち込んでいたワタシは、

│ 画面端の時間表示に目をやり、

│ そのまま少し操作を続けたあとで、そのスマホを充電スタンドに戻しました。

│ 足音が、台所からリビングに向かっていったので、

│ 体を起こし、

│ 座ったままで、ミニテーブルのほうに向き直しました。

│ りんごジュースのコップを手に取り、ちょっと飲もうとしたのですが、

│ 無理そうだったので、

│ コップをテーブルに戻しました。

│ 何回か深呼吸して、気を落ち着けたあと、

│ ワタシは、ゆっくり立ち上がりました。

│ リビングに面してるほうの 引き戸のところに行き、

│ その引き手に手をかけ、

│ 念のため、

│ このあと言うセリフを頭の中で復唱し、

│ 次いで、1回 大きく深呼吸し、

│ ちょっと間を置いて、

│ それから、

│ 戸を、

│ ガラガラガラ・・・と、開けていきました。

│ すぐ近くに、

│ 座卓の手前で胡座(あぐら)をかいて座ってる、お父さんの後ろ姿がありました。

│ お父さんはパジャマに着替えていて、

│ 座卓の上で開いてるマンガ雑誌を、黙って読んでいました。

│ そのお父さんの向かい側、横に少しズレた位置には、

│ お母さんがこちら向きで座っていて、

│ コップに()いだ、氷入りの麦茶を啜ってました。

│ ワタシは、

│ 後ろを向き、静かに戸を閉めると、

│ 座卓の脇で、左右交互に風を送ってる扇風機の裏を通って、

│ お母さんの隣まで歩いていき、

│ そこに敷かれた座布団に座りました。

│ ワタシの正面でマンガ雑誌を読んでいたお父さんは、

│ その雑誌を閉じると、横を向き、

│ 自分の脇に置きました。

│ そうして、こちらに向き直すと、

│ 座卓の上にある、自分のコップに手を伸ばし、

│ 麦茶をちょっと飲み、息をひとつ吐いて、

│ そのコップを、

│ また、元の場所に置きました。

│ お母さんが、ワタシに尋ねました。

│ 「飲み物、

│  あなたは いいの? 持ってこようか?」

│ ワタシは、

│ 視線を座卓に落としたまま、首を小さく振りました。

│ 「ううん、

│  いい・・・」って返しました。

│ 続きます。

└―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

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