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Summer Echo  作者: イワオウギ
V
247/292

247.「《『次の日、お父さんのアパートに行って

「《『次の日、

   お父さんのアパートに行って、ちょっと話して、

   そのあと、

   九州から来る▼▼お祖母ちゃんを迎えに、ふたりで空港に向かったわ。

   朝、

   お父さんのところに▼▼お祖母ちゃんからの電話があって、

   で、

   私の実家に向かう前に、どこか静かなお店でひと休みしたい・・・ってことだったから、

   (あらかじ)め そのお店を探しておこう、ってのと、

   あと、

   ついでだから、私たちのお昼ゴハンも そっちで・・・って話になって、

   だから、

   ▼▼お祖母ちゃんの到着は1時過ぎだったんだけど、アパートを出たのはかなり早めだった。

   10時とか、それくらいだったかな?

   私もお父さんも、空港に行くのは そのときが初めてでね、

   迷子になったりしないか・・・とか、

   ▼▼お祖母ちゃんと擦れ違いになって、会えなかったらどうしよう・・・とか、

   色々不安だったんだけど、

   でも、

   空港なんて、テレビとか映画とかでしか見たことなかったから、

   ちょっと楽しみだったわ。

   それで、

   電車に乗って、終点にある空港駅で降りて、

   まずは、▼▼お祖母ちゃんのための喫茶店を探して、

   その後、

   お昼ゴハンを食べよう、って、

   地元の定食屋さんっぽいお店に入ったわ。

   お父さん、その日もカツカレーを頼んでた。

   お店を出たあとは、まだ時間にだいぶ余裕があったし、

   観光がてら、空港まで歩いていくことにしたの。

   今だったら、電車もモノレールもターミナルの真下まで行ってるんだけど、

   当時は、電車の方は空港のちょっと手前までしか行ってなくてね、

   だから、

   その終点にある空港駅から実際の空港の入口まで・・・1kmくらいかな?、

   それくらい歩く必要があって、

   で、

   空港って、すごい広さでしょ?

   だから、

   その入口からターミナルまで、更に1kmくらい歩く必要があったの。

   何百台もの乗用車が奥までびっしり()まってる、見たことのない広さの駐車場を横目に、

   炎天下の空港の敷地内を、お父さんとふたりで汗を垂らしながら歩いていってね、

   前日に、

   @@お祖母ちゃんから、

   駅からはバスで行くことを勧められてたんだけど、

   その理由が身に沁みてよく分かった。

   巨大な駐車場の周りを空港の大きな建物がズラズラっと並んでて、

   どの建物がそうなのか、分からなかったから、

   取り敢えず一番奥の、それっぽい建物を目指すことにしたわ。

   そしたら、そこが到着ロビーのある目的のターミナルで、

   お父さんとふたりで胸を撫で下ろした。

   到着予定まで、まだかなりの時間があったから、

   まずは、帰りのバスの確認をして、

   それから、

   そのまま少し、建物内を見学することにしたの。

   美容院とか診療所、歯医者さんを見付けてビックリして、

   でも、もっとビックリしたのは、

   構内を行き交う人の多さだったわ。

   もう、とにかく、

   どこを見ても、人、人、人でね、

   空港って、こんなに混んでるところなんだ・・・って驚いちゃった。

   到着ロビーに戻って、

   しばらくしたらイスが空いたからそこに座って、

   ▼▼お祖母ちゃんの到着を、お父さんとふたりで待ってたわ。

   お父さん、

   到着時間が近付いてくると口数が減っちゃってね、

   便名とかが書いてある自分のメモを見たり、自分の腕時計で時間を確かめたり、

   到着口の方を見て、深呼吸して気を落ち着けたりしてて、

   かなり緊張してる様子だった。

   その隣で、

   私も、多分、同じくらい緊張してたわ。

   電話で喋ったことなかったし、

   お父さん、

   向こうで撮った写真を1枚もこっちに持ってきてなかったから、顔とかも分からなくて、

   だから、

   どんな人なんだろう・・・って、少し不安に思ってた』

  続きます》」

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