247.「《『次の日、お父さんのアパートに行って
「《『次の日、
お父さんのアパートに行って、ちょっと話して、
そのあと、
九州から来る▼▼お祖母ちゃんを迎えに、ふたりで空港に向かったわ。
朝、
お父さんのところに▼▼お祖母ちゃんからの電話があって、
で、
私の実家に向かう前に、どこか静かなお店でひと休みしたい・・・ってことだったから、
予め そのお店を探しておこう、ってのと、
あと、
ついでだから、私たちのお昼ゴハンも そっちで・・・って話になって、
だから、
▼▼お祖母ちゃんの到着は1時過ぎだったんだけど、アパートを出たのはかなり早めだった。
10時とか、それくらいだったかな?
私もお父さんも、空港に行くのは そのときが初めてでね、
迷子になったりしないか・・・とか、
▼▼お祖母ちゃんと擦れ違いになって、会えなかったらどうしよう・・・とか、
色々不安だったんだけど、
でも、
空港なんて、テレビとか映画とかでしか見たことなかったから、
ちょっと楽しみだったわ。
それで、
電車に乗って、終点にある空港駅で降りて、
まずは、▼▼お祖母ちゃんのための喫茶店を探して、
その後、
お昼ゴハンを食べよう、って、
地元の定食屋さんっぽいお店に入ったわ。
お父さん、その日もカツカレーを頼んでた。
お店を出たあとは、まだ時間にだいぶ余裕があったし、
観光がてら、空港まで歩いていくことにしたの。
今だったら、電車もモノレールもターミナルの真下まで行ってるんだけど、
当時は、電車の方は空港のちょっと手前までしか行ってなくてね、
だから、
その終点にある空港駅から実際の空港の入口まで・・・1kmくらいかな?、
それくらい歩く必要があって、
で、
空港って、すごい広さでしょ?
だから、
その入口からターミナルまで、更に1kmくらい歩く必要があったの。
何百台もの乗用車が奥までびっしり駐まってる、見たことのない広さの駐車場を横目に、
炎天下の空港の敷地内を、お父さんとふたりで汗を垂らしながら歩いていってね、
前日に、
@@お祖母ちゃんから、
駅からはバスで行くことを勧められてたんだけど、
その理由が身に沁みてよく分かった。
巨大な駐車場の周りを空港の大きな建物がズラズラっと並んでて、
どの建物がそうなのか、分からなかったから、
取り敢えず一番奥の、それっぽい建物を目指すことにしたわ。
そしたら、そこが到着ロビーのある目的のターミナルで、
お父さんとふたりで胸を撫で下ろした。
到着予定まで、まだかなりの時間があったから、
まずは、帰りのバスの確認をして、
それから、
そのまま少し、建物内を見学することにしたの。
美容院とか診療所、歯医者さんを見付けてビックリして、
でも、もっとビックリしたのは、
構内を行き交う人の多さだったわ。
もう、とにかく、
どこを見ても、人、人、人でね、
空港って、こんなに混んでるところなんだ・・・って驚いちゃった。
到着ロビーに戻って、
しばらくしたらイスが空いたからそこに座って、
▼▼お祖母ちゃんの到着を、お父さんとふたりで待ってたわ。
お父さん、
到着時間が近付いてくると口数が減っちゃってね、
便名とかが書いてある自分のメモを見たり、自分の腕時計で時間を確かめたり、
到着口の方を見て、深呼吸して気を落ち着けたりしてて、
かなり緊張してる様子だった。
その隣で、
私も、多分、同じくらい緊張してたわ。
電話で喋ったことなかったし、
お父さん、
向こうで撮った写真を1枚もこっちに持ってきてなかったから、顔とかも分からなくて、
だから、
どんな人なんだろう・・・って、少し不安に思ってた』
続きます》」




