表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Summer Echo  作者: イワオウギ
V
208/292

208.「じゃあ、またあとでねー」

┌―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

│ 「じゃあ、またあとでねー」

│ 「うん、ばいばーい」

│ 玄関で手を振り、友達を見送ったワタシは、

│ そのドアを閉め、

│ 漫画部屋に戻りました。

│ 自分のコップを拾い上げ、

│ 次いで、

│ リビングテーブルにある友達のコップを、自分のものに重ね、

│ 漫画部屋を出て、台所に向かいました。

│ 重ねてある友達のコップを外して、シンクの上に置き、

│ 自分のコップには、

│ 冷蔵庫から出した りんごジュースを()いで、

│ また、漫画部屋に戻りました。

│ 勉強しなくちゃ・・・って思い、

│ 2階の自分の部屋に行き、

│ 昨日、友達が渡してくれたプリントを持ってきて、

│ 布団の中で勉強していたのですが、

│ いまいち集中できなくて、

│ しかも、気分も段々と悪くなってきたので、

│ やめることにしました。

│ 布団に仰向けになり、ひとりでボーッとしていると、

│ 門の開く音が聞こえました。

│ 次いで、

│ ドアの開く音がし、

│ お母さんの、「ただいまー」って声が聞こえました。

│ ワタシは、

│ 寝転がったまま、

│ 「おかえりー」って返しました。

│ ちょっとしてから、

│ 部屋の引き戸が少しだけ開きました。

│ 顔を覗かせたお母さんが、

│ 「あら、起きてたの」って言って、

│ 引き戸を更に開けて、部屋の中に入ってきました。

│ ワタシは体を起こしつつ、

│ 「あぁ、ごめん。

│  おかえり、って言ったつもりだったんだけど、

│  声、ちっちゃかったかも」って返しました。

│ お母さんは、

│ 後ろ手で引き戸を閉めつつ、

│ 「いいの いいの。

│  無理しないで寝てなさい。

│  それよか調子はどう? 少しは良くなった?」って訊きました。

│ ワタシは答えました。

│ 「あ、うん。

│  ちょっと前までは良かったんだけどね、

│  でも、

│  なんか、また・・・」

│ 「あら、

│  ジュースは飲めてなかったみたいけど、

│  ゼリーはちょっと食べれたのね」

│ 「うん、1つだけね。

│  友達に少しあげたから。

│  あと、

│  ジュース、

│  それ、2杯目だから・・・」

│ 「あら、

│  じゃあ、今朝よりだいぶいいじゃない。

│  点滴のおかげかしら。

│  食欲は どう? 食べられそう?」

│ ワタシは、

│ 「あぁ、えーっと、」って少し考えたあと、

│ 「・・・分からないけど、

│  でも、もしかしたら食べれるかも」って返しました。

│ 「分かったわ。

│  じゃあ、

│  一応、持ってくるね。

│  ミニトマトを買ってきたから、

│  取り敢えずそれと、

│  あとは、冷奴でいいかしら」

│ 「あぁ、えっと、

│  ・・・うん、

│  じゃあ、それで」って返すと、

│ お母さんは、

│ 「そう、分かったわ。

│  なら、今から持ってくるから。

│  ちょっと待っててね」って言って、漫画部屋を出ていき、

│ 後ろ手で、戸を閉めました。

│ 足音が離れていきました。

│ 振り返ったまま、

│ 少しの間、閉まった戸を見ていたワタシは、

│ そのまま視線を、自分のすぐ後ろにある枕に落とし、

│ 次いで、体をゆっくり横たえました。

│ また仰向けになり、天井を見上げました。

│ 少しして、

│ ため息をひとつつきました。

│ 続きます。

└―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ