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Summer Echo  作者: イワオウギ
V
181/292

181.「そのウサギさんの

「そのウサギさんの、10件以上にも及んだ説明のあとには、

 みんなからのコメントが、たくさん付いていた」


┌―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

│ 全部読みましたけど、絵に描いたようなクズ男ですね!

│ 途中、あまりにムカついて、

│ 思いっきり、

│ はああああ?・・・って言ったら、

│ お父さんに、

│ 「何時だと思ってるんだ。早く寝なさい」って怒られちゃったので、

│ 今は更にムカついてます笑

│ 八つ当たりしちゃったら、ごめんなさい笑

│ そんなクズ男の子供なんて産む必要ないです。

│ 堕ろした方が良いです。

│ 勿論、費用は全額ソイツ持ちで。

│ ソイツの顔写真や本名、それとやったことをネットに(さら)して、

│ みんなに探してもらったらいいんじゃないですか、って思ったけど、

│ そう書くと、

│ 名誉毀損(きそん)で逆に訴えられるからダメ、とか、

│ どうせ色々と言われちゃうんだろうな。

│ あー、

│ そもそもそれ以前に、ウサギさんが身バレしちゃうのか。

│ じゃ、やっぱダメか。

│ こういうとき、

│ 女は黙って泣き寝入りして金払え、ってことなんですかね?

│ 警察に行って相談してみたらどうですか?

│ ソイツが指名手配されたら、

│ 友達とか知り合いに連絡しまくって、みんなで捜査協力しますよ?笑

│ それと、

│ こうなったのはウサギさんの責任でもあるんですからね。

│ 次からは、

│ まだ子作りする気がないのなら、

│ 彼に何を言われようとも、ちゃんと避妊はしてください。

│ 自分の体は自分で守らないとダメですよ?

│ じゃあ、

│ 私、そろそろ寝ます。

│ 正直、

│ ムカつき過ぎてて、当分寝られそうにないですけど笑

│ 今日から夏休みで良かったです。

│ おやすみなさい。

└―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

┌―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

│ これを読む頃には、もうお昼近くになってるのかな?

│ つらい出来事を、

│ こんなに遅い時間まで頑張って詳しく説明してくれて、ありがとね。

│ 大変だったね。しんどかったね。

│ 妊娠したこと、夜になったら両親に言う・・・って書いてあるけど、

│ まずは、お母さんにだけ言ってみたらどうかな?

│ 多分、

│ もう、なんとなく勘付いてると思うよ。

│ 車の中でお兄ちゃんがあなたの妊娠をすぐに察したのも、

│ きっと、前々から、

│ あなたの様子が なんか変だ・・・って思ってたからじゃないかな。

│ お兄ちゃんがそうなんだから、お母さんは尚更だと思う。

│ おばちゃんの勘だけどね。

│ それに、

│ お母さんだったら、

│ 同じ女として、

│ あなたの立場や気持ちをより理解した上で話を聞いてくれるだろうし、

│ あなた自身も、

│ きっと、色々なことが話しやすいと思う。

│ あと、

│ 彼氏のバイト先は知ってる?

│ もしかすると、

│ 今もまだ、そこで働いてるかもしれないし、

│ そうじゃなくとも、

│ 例えば、

│ バイト仲間の誰かが、居場所とか連絡方法を知ってて、

│ 教えてくれるかもしれないし。

│ それと、

│ あたしも、

│ あなたの場合、中絶するしかないのかな・・・って思ってる、

│ 主に、お金の問題でね。

│ と言っても、

│ 子供を産むだけなら、実はお金ってそこまで必要にならないの。

│ 補助券とか出産育児一時金があるからね。

│ だから、あたしのときは、

│ 産むまでにかかった実費は、

│ 上の子がだいたい8万で、下の子が6万かな、

│ 多分、それくらいだった。

│ あぁ、

│ 一応、実費の内訳がどんな感じか書いておくとね、

│ まず、

│ お腹の赤ちゃんやあたし自身のことを診てもらうために、

│ 定期的にお医者さんに通う必要があってね、

│ それであたしが払った金額が、

│ 出産までのトータルで、

│ 上の子が6万ちょっとで、下の子が4万ちょっと。

│ 妊娠は病気じゃないから基本的には保険が一切きかなくて、

│ だから、診察料って結構高くなっちゃうんだけど、

│ ただ、

│ 保険がきかない代わりに、市区町村の役所の窓口で貰える補助券が使えるの。

│ 正式名称は、妊婦健康ナントカ票だったかな。

│ で、その補助券って、

│ 住んでるところによって、使える金額や回数が微妙に違うの。

│ あたしの住んでるところだと、5千円までなら全額(まかな)ってもらえるから、

│ いつもの普通の検診のときはお金を払う必要はなかったわ。

│ ただ、

│ 血液検査とかの、何か特別なことがあると診察料が5千円を超えたりするから、

│ その超えた分については、こっちで払わないといけなかったのと、

│ あと、

│ 補助券を貰う前の、妊娠してるかどうかを確かめるときの初診や、

│ あたしの上の子がそうだったんだけど、

│ 予定日をかなり過ぎてからの出産だったから、

│ 最後の1回の診察のときは補助券を使い切ってしまってて、

│ それらの、

│ 初診や、補助券を使い切ったあとの診察の費用については、

│ 全額払ったわ。

│ 比較的順調だった下の子に比べ、上の子はちょっと大変でね、

│ 余分に検査とかもしたから、

│ それもあって、少し高くなったの。

│ で、

│ 実際の出産のときにかかったお金が、

│ 分娩(ぶんべん)費用とか入院費用とか諸々(もろもろ)込みで、約44万。

│ 出産育児一時金って、子供を産む際に貰えるお金があるんだけど、

│ このお金が、

│ 今はどうだか知らないけれど、あたしのときは42万でね、

│ だから、2万ほど足が出ちゃったわ。

│ それで、

│ あたしは普通分娩で、特に問題もなく出産できたからこの額で済んだけど、

│ これがもし、和痛や無痛分娩だと、

│ 更に10万くらいかかるし、

│ 例えば双子を授かったりとかして、帝王切開での分娩になったりすると、

│ その分の費用が上乗せされる。

│ まぁ、

│ 帝王切開になったときは、確か、保険が使えたと思うけれど。

│ あぁ、そうそう、

│ 出産育児一時金は、

│ 双子の場合、ちゃんとふたり分 貰えるからね。

│ 話を戻すけど、

│ あたしが産んだときの実費は、だいたいそんな感じだった。

│ 上の子が約8万で、下の子が6万くらい。

│ さっき、

│ “子供を産むだけなら、実はお金ってそこまで必要にならない”って書いたけど、

│ でも、そうは言っても、

│ 高校生で、

│ しかも、彼氏もアテにできそうにないあなたにとっては、

│ この時点で、既にかなり厳しい気がするし、

│ それに、

│ ホントにお金が必要になるのって、これからなの。

│ 母乳が充分に出なければ、粉ミルクを買わないといけないし、

│ 他にも、

│ オムツや衣服、

│ ベビーカー・・・は、いらない派の人もいるけど、

│ とにかく、色々と必要になってくるでしょ?

│ 我が家は、

│ 別に、教育熱心ってわけでもないし、

│ ベビーカーやベビーベッドは、知り合いのおさがりを貰えたから、

│ お金はそんなにかかってないほうだと思うけど、

│ それでも、

│ 上の子は、1歳になるまでに30万円以上かかってる。

│ 母乳が出なくてね、

│ 粉ミルク代で毎月1万くらいかかって、それが結構大変だった。

│ 下の子は、

│ あたしの母乳が途中から出るようになったのと、

│ 抱っこひもや哺乳瓶とか、

│ 上の子のおさがりが使えるものは使っていたから、

│ お金は、上の子ほどには かからなかったわ。

│ でも、

│ 年間25万は かかってるし、

│ それに、

│ あくまでこれは、“1歳になるまでにかかったお金”だからね。

│ 子供が2歳、3歳と成長していくにつれ、

│ 必要なお金も、どんどん大きくなっていくわ。

│ 勿論、

│ あなたがいま考えてる中絶だって、お金はかかるよ?

│ だいたい、10万ちょっとかな。

│ こっちも基本的には保険がきかないからね、

│ やっぱり、どうしてもそれくらいの額になっちゃう。

│ けど、

│ 産む場合と違って、それで終わりだから。

│ それ以上は払う必要ないから。

│ 痛い出費になっちゃうけれども、

│ でも、

│ 中絶を選ばざるを得ないんじゃないかな。

│ あぁ、そうそう、

│ 中絶の手術ってね、

│ 受ける人が未成年の場合、だいたいの病院で親の同意書が必要だよ。

│ だから、

│ いくら親に言うのが怖かったとしても、頑張って言わないとダメだよ。

│ 勿論、怒られちゃうかもしれないよ?

│ 中絶の費用って高いし、

│ あなたの場合だと、

│ 彼氏がこのまま見付からなかったら、

│ その高い中絶費用、全額払わないといけないわけだから。

│ 親としては、到底納得のいかないことだと思う。

│ でも、そうだとしても、

│ 同意書には、しぶしぶサインしてくれると思うよ。

│ 妊娠を放っておくことなんて、できないからね。

│ ウサギさんが質問してた、「学校の先生にはいつ言うのか」だけど、

│ これは、

│ 1回病院に行って、妊娠を確定させてからでいいんじゃないかな。

│ 妊娠してない可能性だって、まだあるわけだし。

│ それと、

│ これは もしかしたら書いてはいけないことなのかもしれないけど、

│ 中絶するなら、学校に報告しなくてもいいんじゃないかな。

│ 学校側としては、

│ 自分たちの生徒の中に妊娠した人がいる・・・ってのは、やっぱりイヤだと思うの。

│ その噂が広がれば、

│ 他の生徒の親御さんから、

│ 「あなたの学校の指導はどうなってるの。

│  他にはいないんでしょうね? ウチの子は大丈夫なんでしょうね?」って、

│ そんな感じの苦情がたくさん寄せられちゃうかもしれないし、

│ 学校の評判だって落ちて、入学を希望する人が減ってしまうかもしれないし。

│ あなたの通ってる高校って、

│ 夏休みに夏期講習があるくらいだから、進学校なんでしょう?

│ 校則によっては退学処分になったり、

│ あるいは、それとなく自主退学を迫られる可能性は充分にあると思う。

│ 勿論、そうならない可能性もあるし、

│ それに、あたしとしても、

│ こういうときに、

│ 生徒のために、厳しくも色々サポートしてくれる学校の方がポイント高いんだけどね。

│ ただ、そうすると、

│ 「妊娠しても退学にならないから」ってことで、甘く考える生徒が増えてしまって、

│ 学校側が大変になってしまうのかな。

│ 難しいね。

│ まぁ、ここまで色々と暗くなってしまうようなことばかり並べてきたけど、

│ でも多分、大丈夫よ。

│ なんとかなるわよ。

│ だって、

│ あなたみたいな経験をしてきた人で、今は幸せに暮らしてる・・・って人、

│ たくさん見てきたもの。

│ 大丈夫よ。

│ まずは親に相談。

│ それから病院。

│ あ、そうだ、

│ 病院の先生は、

│ あなたみたいな生徒を、今まで何十人、何百人と診てきているはずだから、

│ きっといいアドバイスをしてくれると思う。

│ 学校の先生に言うべきかどうかも含めて、色々相談してみたら?

│ じゃあね。応援してるからね。

│ 頑張って。

└―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

┌―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

│ 全て読ませていただきました。

│ ウサギさんには悪いですけど、

│ そのカレ・・・というか、もう逃げていなくなったので元カレですか、

│ サイテーだと思いました。

│ 何故か、まだ未練があるような書き方をされてますが、

│ そんな男、さっさと忘れた方が良いです。

│ ってか、

│ こういう男が、

│ 今も日本のどこかで普通に暮らしていると思うと、とても嫌な気持ちになりますし、

│ 怖いです。

│ すぐにまた新しい女を見付けて、同じことを繰り返すんでしょうね。

│ どうにかならないんですかね。

│ あと、ご質問の件ですが、

│ ウチも、中絶するなら学校の先生には報告しなくていいと思います。

│ って言うか、

│ ウチの学校にも、

│ 妊娠して中絶したけど、先生に言ってない人、ふたりいます。

│ 親とか友達が言いふらさない限りは、学校にバレることもないと思います。

│ 病院から学校へ勝手に報告が行くことはない・・・って聞きました。

│ 病院側には、

│ 患者の個人情報やプライバシーを守らなければならない・・・という、

│ 守秘義務ってのがあるらしいです。

│ ちなみに、一応書いておきますけど、

│ 産むつもりなら、

│ 学校の先生には、早めに言っておいた方が良いと思います。

│ 体育の授業とか、普段の学校生活とかで、

│ 先生や周りの人たちに色々と気を遣ってもらう必要が出てくるし、

│ そもそも、お腹が大きくなってくると隠しようがないので。

│ まぁ、

│ 高校生で、しかもシングルマザーとしての出産なんて、

│ どう考えてもアリエナイんで、

│ これは無意味な話なんでしょうけど。

│ それと、

│ 今回、いろんな人に迷惑をかけたのは、

│ 避妊を怠ったあなたの責任でもあるんですからね。

│ しっかり反省して、

│ 次こそは素敵なカレを見付けて、幸せになってください☆

└―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

┌―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

│ 勿体ぶってなかなか書かなかったけど、やっぱり避妊してなかったんですね。

│ 「ワタシ、こんな可哀想な目に遭ったの。みんな、同情して。慰めて」っていうのが、

│ 読んでいて痛々しいくらいに伝わってきましたが、

│ 残念ながら、どう考えても100%あなたの責任です。

│ あなたが悪いです。

│ どうせ、

│ 妊娠しちゃったらどうするつもりか、全然考えないでヤッたんでしょ。

│ 彼氏に喜んでもらうためにさ。

│ そんな軽々しい気持ちでするようなことじゃないんですよ?

│ 分かってます?

│ おかげで、

│ あなたのご両親は高額の中絶費用を払わないといけないし、

│ 担任の先生だって、

│ もしかしたら学校側から責任を追求され、何かの処分を受けてしまうかもしれない。

│ あなたのせいでこうなったんですよ?

│ いくらなんでも無責任過ぎます。

│ 反省してください。

│ なんか、必死になって悲劇のヒロインぶってましたけど、

│ あなたよりも、あなたの周りにいる人たちの方が可哀想です。

└―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

┌―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

│ まず、はっきりと言わせてもらうけどさ、

│ アンタの彼氏、アンタのことを少しも愛していないよ。

│ だって、

│ アンタのことを本当に愛していて、本当に大切に思っていたなら、

│ アンタのために避妊を毎回したはずだし、

│ アンタが生理の遅れを彼氏に(しら)せたときだって、

│ 不安がってるアンタを懸命に勇気付けた上で、

│ すぐに薬局に行って、検査薬を買って、調べて、

│ そして、

│ これからどうするか、

│ 一緒になって真剣に考えてくれたはずだよ、愛してるならね。

│ なのに、

│ なんだい、アイツは。

│ 「検査薬を買って調べたい」って、アンタが言ってるのに、

│ やれ、気の所為だ、

│ やれ、カゼの所為だ・・・って、全く真剣に取り合おうとしなかったし、

│ アンタが、

│ 「大事な話があるから会いたい」って言ったときだって、

│ その約束をすっぽかしたじゃないか。

│ 2度もだよ?

│ それで、

│ なんで愛されてるって言うのさ。

│ 恐らく、

│ 100人中100人が、アンタはぜんぜん愛されてない・・・って答えるよ。

│ だいたい、喫茶店でのアイツの態度なんて、

│ 最悪そのものだったじゃないか。

│ アンタが「妊娠したかもしれない」って言ったら、

│ 返ってきた言葉が、「それ、本当にオレの子なの?」って。

│ あたしゃ、呆れたよ。

│ アンタ、

│ 人が()さそうだから、もしかしたら気付いてないかもしれないけどさ、

│ アイツ、

│ 自分が避妊を怠ったことを間違いなくしっかりと覚えてて、

│ アンタを妊娠させたかもしれない・・・って、強い自覚があったよ、

│ アンタが生理の遅れを伝えた、そのときからね。

│ だから、

│ アンタの「大事な話」をずっと()けてた。

│ 喫茶店でのアイツはね、

│ 自分が妊娠させたかもしれない・・・と思ってて、

│ その上で、

│ 「それ、オレの子なの?」って訊いたんだよ。

│ ダメ元でアンタの浮気を疑ってみて、

│ どうにかして、自分の責任から逃れようとしてたんだ。

│ アイツにとっては、

│ まず、それが大事だったんだ。

│ 酷い男だよ、まったく。

│ いいかい、

│ 確かに、アイツはアンタのことが好きだったかもしれないよ。

│ でも、

│ それは、アンタが気前よく抱かせてくれるからだよ。

│ それだけさ。

│ 抱けなくなったら、

│ その時点で、アイツはアンタに対する興味を()くしただろうよ。

│ アイツにとって、

│ アンタは、そういう存在だったんだ。

│ 要するに、

│ ただの遊びで、どうでもいい女だったんだ。

│ あたしの職業柄、ちょいと説教臭くなって悪いけどさ、

│ 男女交際ってか、

│ 男女のそういった付き合いには、

│ 遊びと・・・、

│ ええっと、その逆は、

│ 本気の付き合い・・・で合ってるのかな、

│ まぁいいや、

│ とにかく、遊びじゃないのがあるけど、

│ アンタ、その違いを考えたことはあるかい?

│ あたしゃ、こう考えてるよ。

│ 相手の人生を自分が背負(しょ)い込む気があるかどうか、ってね。

│ アンタは、

│ 多分、YESだったと思う。

│ たとえアイツが借金(まみ)れになったとしても、

│ あたしの印象では・・・だけど

│ アンタ、

│ できるだけ一緒にあげて、アイツを支えようとしていたと思う。

│ でも、一方で、

│ アイツはNOだった。

│ 相手の人生を背負い込む気なんざ、さらさらなかった。

│ 遊びだったんだ。

│ だから、

│ 面倒なことになったアンタを捨て、さっさと逃げた。

│ あっと、勘違いされちゃ困るけどね、

│ あたしゃ、

│ 別に、遊びの付き合いが悪いとは言ってないよ。

│ 人生なんて楽しんでナンボだし、いくらでも自由にしたらいいさ。

│ ただし、

│ いくらでも自由にしていいのは、お互いが遊びで構わないと思っているならの話。

│ 片方は遊びのつもりで、もう片方は本気・・・ってのは厄介なもんで、

│ 短い間ならともかく、

│ 長引いちまうと、いつか一気にバランスが崩れちまって、

│ そうして、不幸が訪れてしまうもんさ。

│ その不幸が訪れてしまうのが、

│ どちらか(かた)()か、あるいは両方かは分からないけどね。

│ だから、

│ 相手が本気かどうか、自分は本気かどうか・・・、

│ その見極めってのは、とても大事なんだ。

│ 絶対に怠ってはいけないことなんだ。

│ もし、それが、

│ 自分と相手で食い違っていると感じた場合は、

│ なるべく同じになるよう努力すべきなんだ。

│ 相手を自分と同じにさせるか、

│ それとも逆に、自分が相手に合わせるか・・・、

│ どっちでもいいけどさ。

│ そうして、

│ それがムリだと感じたときは、叶わないと感じたときは、

│ その相手とは、一刻も早く離れるべきなんだ。

│ 関係を解消するべきなんだ。

│ 自分は勿論のこと、相手のためにもね。

│ まぁ、とは言え、

│ 本気になってる側はなかなか諦めきれなくて、決断しにくいだろうけどさ。

│ いいかい、

│ あたしがアンタに言いたいのはね、

│ アンタ、

│ 相手が本気かどうか、

│ 付き合ってる最中、ちゃんと見ていたか・・・ってことさ。

│ ちゃんと観察していたか・・・ってこと。

│ 「好きだ」ってアイツに言われ、のぼせ上がっちまって、

│ 思考停止になってて、

│ それで、その見極めを怠っていたんじゃないかい?

│ 相手に、より好かれようとすることにだけ気が向いてしまっていて、

│ その相手が自分のことを本心ではどう思っているか、

│ それを、まったく確かめようとしなかったんじゃないかい?

│ 確かに、

│ 相手の気持ちを疑うのはイヤかもしれないよ。

│ でも、とても大切なことなんだ、

│ この先、再び同じ目に遭わないようにするためにも。

│ アンタ、

│ あたしが見たところ、気立てのいい優しい子だよ。

│ あたしゃ、

│ これまで、数多くの色々な人を見てきたけどね、

│ 優しい人ってのは、

│ いつだって、必ず2つのものを持っていたよ。

│ 他者の幸せを願える心と、

│ そして、苦難に負けない強い心さ。

│ 他者の幸せを・・・って方は、

│ 昔に読んだ、ある漫画の受け売りだけどね。

│ アンタ、その両方を持ってる。

│ もっとも、

│ 「強い心」って方は、自覚ないんだろうけどさ。

│ 予言しておくよ、

│ いつかアンタの前に、きっといい男が現れるよ。

│ そうして、そのときには、

│ 間違いなくアンタのことをほっとかないよ。

│ いい男ってのは、

│ そういうのをすぐに見抜いちまうもんなのさ、

│ 分かっちまうもんなのさ、

│ あたしみたいにね。

│ おっと、

│ 勘違いするんじゃないよ、あたしゃ女だからね。

│ あくまで、いい男なら・・・って話さ。

│ それと、

│ お節介ついでに書いとくけどね、

│ そういう男が自分の前に現れたら、

│ 怖いかもしれないけど、

│ ちゃんと自分からもアタックしないとダメだからね。

│ 待ってるだけじゃダメだよ。

│ 男だって、

│ あぁ見えて、あたしたちと同じなんだ。

│ 自分から声をかけるのは、やっぱり怖いものなんだ。

│ 勇気が()るんだよ。

│ アンタと相手が、お互い同じように怖がっていたら、

│ 永遠に何も始まらないじゃないか。

│ だから、

│ なるべく自分からも声をかけないとダメだよ。

│ 逃しちゃダメだ。

│ あと、

│ アンタの説明読んでて、

│ アンタ、女だから男に尽くすのは当たり前・・・って、

│ そう考えてるフシがあるような気がするけど、

│ それなら、アンタだって男に尽くされるのは当たり前なんだからね。

│ 別に、厚かましいわけでも何でもないからね。

│ 女も男も対等のはずだし、

│ それに、

│ 家族になったら、お互い助け合わなきゃならない。

│ お互いに尽くし合わなきゃならない。

│ だから、

│ アンタが相手の男に尽くしていて、

│ その男がアンタに尽くし返してくれるのなら、

│ それは、ちゃんと素直に受け取らないとダメだよ。

│ あ、

│ おいおい、電車の音じゃないか。

│ そろそろ休まないと。

│ 偉そうに長々と書いて悪かったね。

│ 酒に酔っ払いながら書いたおかげで、

│ 多分、ちょっと乱暴な物言いになってると思うけど、

│ 気に(さわ)っちまったらゴメンよ。

│ これでも悪気はないんだ。

│ じゃあね・・・と思ったけど、

│ ひとつ、書き忘れてた。

│ 消えた彼氏を探すんだったら、警察を頼るのはやめときな。

│ あそこは、

│ 強姦(ごうかん)のような、はっきりした罪がないとなかなか動いてくれないよ。

│ だから、弁護士にしな。

│ アンタのケースなら慰謝料の請求ができそうだし、たぶん動いてくれる。

│ 弁護士なら、情報収集に関しての特別な権限を持ってるし、

│ 頼りになるよ。

│ それで、彼氏を見付けることができたらさ、

│ 慰謝料を目一杯ふんだくって、

│ そうして、

│ お釣り代わりに、トビッキリの強烈ビンタを一発かましてやりな。

│ 傷害罪ギリギリのヤツをさ。

│ それと、

│ 学校の先生に言うべきかどうかは、校則を読んでから考えてみたら?

│ 生徒手帳を開けば、そこに何か書いてあるでしょ。

│ あ、

│ さっき、ひとつ・・・って言ったのに、

│ これ、ふたつめだったわ。

│ まぁ、いいか。

│ あーあ、もうすっかり朝だわ。

└―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

┌―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

│ そっか、やっぱり中絶を考えてるんだ。

│ 私も、そうするしかないと思ったよ。

│ 産んで育てるとなると、

│ あなたの家族にかなり負担がかかってしまいそうだし、

│ 産んだ子供自身も色々苦労しそうだし、

│ ま、しょうがないんじゃない?

│ 中絶の手術は、

│ 病院に行って、いきなりその日にすぐ実施・・・とは、ならないと思う。

│ 多分、初日は、

│ ホントに妊娠してるか、エコー検査とかで確かめて、

│ 医者と少し話をして、

│ それで終わり・・・かな。

│ 何事もなければ1時間もかからなくて、

│ 手術は、また日を改めて・・・って、なると思う。

│ 初診のときにかかる費用は、だいたい1万円くらいだから、

│ 取り敢えず、2万持っていけば大丈夫。

│ 初診のときや中絶のときは、基本的には保険はきかないけど、

│ でも、

│ 何かの病気が見付かって、

│ それで、なんらかの処置をしてもらったときのために、

│ 保険証は、一応持っていった方がいいよ。

│ あと、行く病院は、

│ 選べるのなら、なるべく前処置のあるとこがいいと思うよ。

│ あなた、

│ 子供を産んだ経験は勿論のこと、中絶の経験もないんでしょ?

│ だったら、

│ 手術は、前処置ありの方がいいと思う。

│ 確かに、

│ 場合によっては手術の前日にも病院に行く必要があったり、

│ 前処置による痛みが少しあるかもしれないけど、

│ でも、そっちの方が、

│ 中絶手術で体にかかる負担が減るし、安心だよ。

│ ちなみに、

│ さっき、前処置はもしかしたら少し痛いかもしれない・・・って書いたけど、

│ 手術中は痛くないよ。

│ 麻酔がきいてるからね。

│ あと、すぐ終わる。

│ だいたい、10分くらいかな。

│ 術後も、問題がなければその日のうちに家に帰れるし、

│ 普通に生活できるよ。

│ もっとも、

│ 1週間くらいは、

│ 激しい運動を控えたりして、ちょっとだけ安静に過ごす必要があるけどね。

│ それと、

│ あなたは、

│ 中絶したあと、ひとりでずっと落ち込んでそうなタイプに見えるから書くんだけど、

│ 私、

│ 昔、中絶したことあるけど、

│ なんとも思ってないよ。

│ 罪悪感はないし、後悔だってしてない。

│ 実生活では、

│ そういうこと言うと、

│ 冷酷人間扱いされて、色々非難されることがあるから、

│ 打ち明けるのは、本当に仲の良い人だけだけれども、

│ でも、私はそう。

│ なんとも思ってない。

│ 勿論、

│ たとえば妊娠して日が経って、お腹が膨らみ始め、

│ 自分の赤ちゃんの存在を感じられるようになっていれば、

│ きっと話は全然別だよ?

│ 愛情が湧いて、可愛く思えるだろうし、

│ 中絶の話を持ちかけられたら、すごく抵抗するだろうし、

│ 残念だけども中絶しなくちゃいけなくなった場合は、

│ 手術中も、手術が終わったあとも、

│ 間違いなく、

│ 私は、ずっと泣き通しだと思う。

│ 痛みに耐えきれないと思う。

│ 生きる気力を失って、魂を抜かれたように放心して、

│ そうして、

│ 何日もの間、ただ呆然と過ごすと思う。

│ しばらく立ち直れないと思う。

│ でも、

│ 妊娠初期の段階で、自分のエコー検査の写真を見せられても、

│ 正直言って、当時の私は、

│ 特別な思いとかは、ほとんど湧いてこなかった。

│ 白黒写真の丸い影の中にある、薄っすらとした部分を、

│ 医者が棒の先で指しながら、

│ 「ほら、ここにいますよ」って言ったけど、

│ なんか、ピンと来なかった。

│ 説明するのが少し難しいんだけど、

│ 自分の子・・・と言うか、

│ それ以前に、

│ 人であることや、

│ そもそも、ひとつの命としてそこで生きていること自体が、

│ いまいち分からなかった。

│ 感覚的に、納得できなかった。

│ 命は、

│ まだ、そこにいないような気がした。

│ まだ、何も来ていないような気がした。

│ (から)っぽの気がした。

│ 普段から私のお腹の中にあった卵子と、そんなには変わらないように思えた。

│ 自分の、大きくなり始めの細胞がそこにある・・・そんな印象だったの。

│ 愛着とか愛情とかは、

│ なので、ほとんど湧いてこなくてね、

│ 家に帰ってから、

│ もしかしたら私は冷たい人間なのかな、ヒトデナシなのかな・・・って、

│ 長い間、

│ ひとりで、ずっと落ち込んでた。

│ そんな感じだったから、

│ 私は、中絶手術に関しては割と平気だった。

│ 個人的には、そのあとの手術の方が大変だった。

│ 当時の彼の、二股で付き合ってた知らない女が突然私の部屋に怒鳴り込んできてね、

│ 彼の前で激しい言い争いになって、

│ 殴り合いになって、

│ 最終的には、

│ 私は左の頬と鼻を骨折して、病院に運ばれたの。

│ 彼とは、すぐに別れたよ。

│ 話が少し脱線してしまったけれども、

│ とにかく、

│ 私は、中絶は平気だったよ。

│ なんとも思ってない。

│ 私だけじゃないよ。

│ 私の知り合いにも、何人かいる。

│ みんな、

│ そこら辺の人たちと、あんまり変わらない。

│ 至って普通の人。

│ 冷たさは、

│ 少なくとも私は、特に感じない。

│ 勿論、

│ 世の中には、

│ 人の命を軽々しく思っていて、思い遣りの欠片もなくて、

│ だから、中絶することに対してなんとも思ってない・・・って人も、

│ 確かに存在するんだと思う。

│ ただ、

│ そうじゃない人だっているよ・・・ってことが伝えたかっただけ。

│ 私は、もしかしたら冷たい人間なのかもしれないけど、

│ でも、私の知り合いはそうじゃないよ。

│ みんな、

│ 気の利く、良い人ばかりだよ。

└―――――――――――――――――――――――――――――――――――――


「寄せられていたコメントは、そんな感じだった。

 40件以上あった。

 ほぼ全て、女性と思しき人からのコメントだった」


「ウサギさんに対しては多くの人が同情的で、

 その中のほとんどの人が、

 彼氏のことを、サイテーな男だと言って非難していた」


「ただ、一方で、

 ウサギさんをキツイ言葉で激しく責め立てている人も、何人かいた。

 そのコメントは、

 当事者でない私までもが、読んでいて心苦しくなるような内容だった」


「そして、

 《中絶したことをなんとも思ってない》という人のコメントがあってからは、

 今度は、

 名指しこそ()けているけれど、

 その人に宛てるために書いたんだろうな・・・と思えるコメントが並ぶようになった。

 ウサギさんへの回答は1、2行で、

 残りの数十行を、その人に対する非難に費やしてるような、

 そんなコメントばかりだった」


「私は、

 最初のうちは、全部しっかりと目を通して読んでいた。

 ただ、段々と気が滅入(めい)ってきて、

 それで、

 ちょっと読んでみて、キツそうな内容だった場合は、

 そのコメントの残りを全部すっ飛ばすようにしていた。

 全体的にギスギスしていて、

 読んでいて、かなりつらかった」


「そうして、

 ウサギさんの妊娠については、

 だいたいの人が、《中絶した方が良い》と答えていた。

 《産むべきだ》とか、《産んだ方が良い》と答えた人は、

 私の記憶では、

 ひとりもいなかった」



「寄せられていた40件以上のコメントの、最後の方に差し掛かったときだった。

 こんなコメントがあった」


┌―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

│ ウサちゃん、おはよー。

│ 喫茶店のところまでは、頑張ってなんとか起きてて、

│ 掲載されると同時に読んでたんだけど、

│ 途中で睡魔に負けて、ベッドに入っちゃった。

│ 昔はいくら夜()かししてもヘッチャラで、

│ カラオケのオールとか、よくしてたんだけどね。

│ やーね、(とし)取るってさ。

│ まずは、長文お疲れ様。

│ 大変だったね。

│ 朝起きて、ウサちゃんの投稿を開いてみたら、

│ すっごいたくさんのコメント付いてて、

│ わたし、ビックリしちゃった。

│ キツイのも多そうだったけど、あんまり気にしちゃダメよ。

│ どう考えても、相手の男の方が悪いんだから。

│ ウサちゃんの妊娠については、わたしも中絶派かな。

│ 経済的にもそうだし、

│ やっぱり、自分を捨てて雲隠れした人の子を育てる・・・ってのは、

│ 気持ち的に、ちょっと難しいかな・・・って思う。

│ 愛情を注ぎにくい部分って、どうしてもあると思うの。

│ 育児に追い詰められて、

│ それで自分の子供を虐待してしまう母親も、あとを絶たないし。

│ 悲しい話だけどね。

│ それと、

│ ウサちゃんの話で、

│ ひとつだけ、すごく気になることがあってさ・・・。

│ あのね、

│ ウサちゃんって、

│ ここ最近、もしかしたらほとんど食べれてないし、

│ 水分だって、ろくに摂れてないんじゃないの?

│ みんなに気を遣って書いてないだけで、

│ 実は、かなりの頻度で戻してるんじゃないの?

│ 昔、わたしの知り合いで、

│ 二人目だか三人目だか忘れたけど、

│ その子を身籠ったとき、ツワリがかなり酷かった人がいたの。

│ でね、

│ 産院で検査してもらったら妊娠悪阻(おそ)って診断されてね、

│ 次の日から入院することになって、

│ それで、

│ 1週間くらい、点滴を打たれたままベッドの上で横になって苦しんでたんだけど、

│ ウサちゃんも、もしかしたらそれなんじゃないの?

│ だとしたら、早いうちに産院に行かないと。

│ 放っておくと、

│ 最悪の場合、

│ 大袈裟じゃなく、命に関わるよ。

│ 産院はだいたい予約制だから、すぐの受診は難しいかもしれないけど、

│ でも、

│ しょっちゅう戻したりして、

│ 水分とか栄養をほとんど摂れてなくて、かなりキツイ状態なら、

│ 今日にでも産院に連絡を入れて、

│ なるべく早くにお医者さんに診てもらった方がいいよ。

│ あぁ、そうそう、

│ 産院に連絡したときに言われると思うけど、

│ 行く前は、トイレは控えるようにしてね。

└―――――――――――――――――――――――――――――――――――――


「そのコメントのあとには、

 また、ギスギスしたコメントが2、3件あって、

 それから、

 ウサギさんの、みんなに宛てた返事が載っていた」


┌―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

│ 色々な意見をありがとうございました。

│ 全部読ませていただきました。

│ 皆さんの言う通り、やっぱり中絶することにします。

│ 学校への連絡は、

│ 病院に行って、一度診てもらってから、

│ 改めて考えようと思います。

│ それと、ある人が書いてましたが、

│ 多分、ワタシは妊娠悪阻のような気がします。

│ ここ数日、ほとんど食べれてませんし、

│ 水分も、

│ 状態が良さそうなときに、りんごジュースをちょっと飲めるくらいで、

│ あとはダメです。

│ すぐに戻してしまいます。

│ 今、お父さんは会社ですが、

│ お母さんは家にいるので、これから言おうと思います。

│ では、行ってきます。

│ 皆さん、

│ こんなワタシのために時間を割いてご回答いただき、ありがとうございました。

│ ろんりーウサギ

└―――――――――――――――――――――――――――――――――――――


「そのあとには、

 ウサギさんの体調を心配するコメントや励ましのコメントが、いくつか寄せられていた。

 ウサギさんがそのサイトに投稿した初めての相談は、それで終わりだった」



「2番目の投稿は、その3日後だった。

 談話室への投稿だった」


「タイトルは、こうだった」


「《少し前に相談させて頂いたウサギです。入院することになりました》」

作中に出てくる「補助券」は、

正しくは、「妊婦健診のための受診票」という名前の券です。

これを使うと、

出産のための通院費の負担が、かなり軽減されます。

補助券の枚数や、1枚あたりに補助される金額は各自治体によって異なります。

詳しく知りたい方は、

自分の住んでいるところの市区町村のWebページにアクセスするなどして、調べてみてください。

補助券は、役所の担当窓口で母子健康手帳と一緒に受け取ります。

その申請には、妊娠と診断された医療機関の診察券とマイナンバーカード(あるいは、マイナンバーが分かるものと、免許証などの本人確認書類)が必要です。

里帰り出産などで本来の住所地とは異なる場所で産んだ場合も、

あとで申請すれば、多くの場合は還付金が発生するようです。


それと、

日本の法律における”未成年”の定義は、2020年現在は20歳未満となっていますが、

2022年4月1日からは、民法の改正により18歳未満になります。


最後に、

念の為に書いておきますが、私は医療関係者でもないし法律関係の人間でもありません。

この小説内に出てくる医療や法律に関する情報は、

私なりに本やネットで充分に調べた上で書いてますが、誤っている可能性もあります。

小説内の、そうした情報を元に行動する場合は、

病院や弁護士の事務所に連絡して訊いてみるなど、しっかりと確認してからにして下さい。

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