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Summer Echo  作者: イワオウギ
V
173/292

173.すみません、この文章を

┌―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

│ すみません、この文章を送る直前になって気付いたのですが、

│ 1つ前の話、別に書かなくても良かった話ですよね・・・。

│ ごめんなさい。

│ 続きです。

│ 次の日、

│ 学校が終わったあと、言われたお店に行きました。

│ 彼との待ち合わせでよく使っていた、ファストフードのお店です。

│ 2階のいつもの席で待っていたのですが、段々と気持ち悪くなってきたので、

│ トレイを片付け、お店を出ました。

│ 駐車場のそばの、∩みたいな形の柵(車止め?)に腰掛け、

│ 飴を舐めつつ休んでいると、

│ 傘を2本持った友達が・・・、

│ あ、

│ 友達はお店に一緒に来てくれていて、離れた席にいました。

│ で、

│ 傘を2本持った友達が、お店を出てこっちに来ました。

│ ワタシは、

│ 『あ、ごめん、

│  ちょっとボーッとしてて・・・』って言って、

│ 友達の持ってるワタシの傘に、手を伸ばしました。

│ 友達は、

│ でも、

│ 『いいよ、

│  私が持っててあげるから。』って言って、

│ 続けて、

│ 『それより、どうしたの?』って訊きました。

│ ワタシは、

│ 『匂いが、ちょっと・・・』って答えました。

│ 『あぁ、そっか・・・。

│  さっきも、途中で降りたもんね』って返ってきました。

│ 途中で降りた、というのは、

│ お店に来るときに乗っていたバスのことです。

│ バスは人が多く乗っていて、

│ しかも、

│ その日の午前中は雨で、午後もずっと曇ってました。

│ なので、

│ バスの中は湿気がすごくて、人(いき)れもかなりありました。

│ それでも、

│ 友達にもらったレモン味ののど飴を舐めたりして、

│ 途中まではなんとか耐えていたのですが、

│ 強めの香水をつけた人が乗ってきて、ワタシの近くに立ったところでダメでした。

│ 耐えられそうになかったので、

│ 次のバス停で、

│ 急遽、降りました。

│ ツワリがつらくなってくるのは、

│ あと1、2週間くらい先・・・って、ネットの記事で読みましたが、

│ ワタシの場合、

│ この時点で、かなりつらかったです。

│ 色々な匂いがきつくて、

│ 冷蔵庫だって、息を止めて開けないと気持ち悪くなってしまうし、

│ 胃の辺りがずっとムカムカしていて、まったく治まってくれないし、

│ 授業中も眠気がすごくて、

│ しょっちゅう、カクン・・・ってなっちゃうし、

│ ご飯も温かいのは食べられないし、

│ 朝は取り敢えず最悪だし・・・って、

│ もう、そういう状態でした。

│ それで話を戻しますが、

│ ファストフードのお店の外で、

│ 友達と一緒に、彼の車がやって来るのを待っていました。

│ でも、約束の時間になっても来ませんでした。

│ 連絡もありませんでした。

│ 更に5分くらい待ってから、スマホで彼にメッセージを送りました。

│ なかなか既読になりませんでした。

│ スマホから顔を上げると、友達がワタシに訊きました。

│ 『返事来た?』

│ ワタシが黙って首を振ると、すぐに友達が言いました。

│ 『なら、電話』

│ 少し迷いましたが、そうすることにしました。

│ 彼に電話をかけました。

│ でも、繋がりませんでした。

│ 圏外でした。

│ 通話を切って友達に伝えると、

│ 『はぁ?』って返ってきました。

│ ワタシが、

│ 下を向いたまま、黙っていると、

│ 友達が、

│ ちょっとしてからワタシに尋ねました、

│ 『・・・あんた、

│  彼氏の家、知ってる?

│  行ったことある? 近い?』って。

│ ワタシは、

│ 間を置いてから、

│ 『・・・でも、

│  勝手に行くと怒られるし・・・』って返しました。

│ すぐに友達が言いました。

│ 『怒られる、って何?

│  こっちじゃん、怒るのは。

│  会う約束をすっぽかされたんだよ? なんの連絡もなしに』

│ 『・・・でも、

│  もしかしたら何かあったかもしれないし・・・』

│ 『だったら、

│  なおのこと行くのが普通でしょ? 心配じゃん。

│  ってか、本気でそう思ってるわけ?』

│ 『・・・』

│ ワタシが何も言わないでいると、

│ 友達が、息をひとつ吐いて、

│ 次いで、ワタシの手を掴んで言いました。

│ 『・・・ほら、行こ?』

│ ワタシは、

│ 少ししてから、

│ 『うん・・・』って返し、立ち上がりました。

│ 友達とふたりで、彼の家に行くことになりました。

│ 続きます。

└―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

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