表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Summer Echo  作者: イワオウギ
V
172/292

172.続きです。夜11時の少し前

┌―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

│ 続きです。

│ 夜11時の少し前、

│ お兄ちゃんに車を運転してもらって、彼に言われたコンビニに向かいました。

│ 本当は、ひとりで行くつもりだったのですが、

│ 家を出る前に、お父さんに見付かってしまって、

│ それで、

│ 『もう遅いから明日にしなさい』とか、

│ 『友達の相談って、

│  メッセージとか電話じゃダメなのか』とか、玄関で散々言われてて、

│ そのやり取りを見ていたお兄ちゃんが、

│ 『だったら、オレが車で送り迎えするよ。

│  それならいいでしょ?』って助け舟を出してくれて、

│ それで、

│ お父さん、しぶしぶOKしてくれました。

│ コンビニに着くとお兄ちゃんが、

│ 『オレ、

│  相談が終わるまで、ここで待ってるから』って言いました。

│ ワタシが、

│ 『相談、結構長くなると思うし、

│  ここでずっと待ってもらうのも悪いから、帰っていいよ。

│  終わったらメッセージ送る』って、いくら言っても、

│ お兄ちゃん、

│ 『いや、

│  オレ、ここで待ってる』って言って、ちっとも帰ろうとしなかったので、

│ それで仕方なく、正直に、

│ 『実は友達じゃなくて、彼に会うの』って伝えました。

│ お兄ちゃん、

│ ワタシが誰かと付き合っていることを知らなかったみたいで、

│ ちょっと驚いた顔をしました。

│ そして、

│ 前を向いたまま、何かをじっと考えたあと、

│ 『なら、この車の中で待ってろよ。

│  お前の彼氏が来たら、すぐに降りればいい』って言いました。

│ ワタシは、本当はそれも断りたかったのですが、

│ でも、いくら言ってもダメな気がしたので、

│ それで、車の中で待つことにしました。

│ お兄ちゃんがコンビニに行って買い物してる最中、

│ 車に残ったワタシは、スマホで彼にメッセージを打ちました。

│ 《今、コンビニに着きました。

│  お兄ちゃんが車を運転してワタシを送ってくれて、

│  その車の中で待ってます》

│ 少しすると、

│ お兄ちゃんがコンビニの袋を持って車に戻ってきて、

│ 運転席に座りながら、ワタシに言いました。

│ 『適当に飲み物買ってきた。

│  好きなほう、取っていいよ』

│ 渡された袋を覗き込むと、

│ 中には、

│ いつもの紅茶じゃなくて、麦茶とレモンスカッシュが入ってました。

│ すぐに、お兄ちゃんの顔を見ました。

│ お兄ちゃん、

│ 前を向いたまま、

│ 必死に、なんでもないフリをしてました。

│ ちょっと笑ってしまいました。

│ お礼を言って、麦茶を選びました。

│ お兄ちゃん、

│ 少ししてから、何も言わずにレモンスカッシュを取りました。

│ しばらくの間、

│ 車の中で、ふたりで黙って飲み物を飲んでいると、

│ お兄ちゃんが言いました。

│ 『話ってすぐ終わるよな? 長くなったりしないよな?

│  オレ、

│  今日中にお前を連れて帰らないと、親父に怒られちゃうんだけど』

│ ワタシ、

│ 『・・・なるべく早く終わらせるようにする』って返しました。

│ お兄ちゃん、

│ 『分かった』って言って、また無言になりました。

│ その後、

│ 20分くらい経っても、彼は来ませんでした。

│ スマホに連絡も来ていなかったので、

│ 《来れなくなったの?》って、彼にメッセージを送りました。

│ すぐに返事が来ました。

│ 《わりぃ、行けなくなった》

│ ワタシは、

│ 《分かった。

│  なら、明日は?》って送りました。

│ ちょっとしてから、メッセージが返ってきました。

│ 《明日なら、多分》って書いてありました。

│ ワタシは、

│ 《じゃあ、

│  大事な話、明日にする。

│  急に無理なお願いをしてしまって、ごめんなさい》って書いて、

│ 次いで、会う場所と時間を決め、

│ そのあと、

│ 運転席にいるお兄ちゃんに、

│ 『なんか、来れなくなったみたい』って伝えました。

│ お兄ちゃん、何も言いませんでした。

│ 前を向いたまま、黙ってて、

│ 車も、発進させようとしませんでした。

│ ワタシが、

│ 少ししてから、

│ 『早く帰らないと、お父さんが・・・』って言うと、

│ お兄ちゃん、ようやくシートベルトを締め始め、

│ 黙って車を発進させました。

│ ワタシは、

│ スマホで友達にメッセージを送り、報告しました。

│ すごく怒ってる感じでした。

│ 《アイツ、絶対に勘付いてる》ってメッセージが送られてきました。

│ 《そうかも》って返しました。

│ 更に続きます。

└―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ