表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Summer Echo  作者: イワオウギ
IV
142/294

141.「次の日、学校に行くと・・・」

「次の日、学校に行くと、

 教室に入ってきた担任の先生が、

 教壇に立ち、両手を教卓に付いて、

 みんなの顔を見ながら言った」


「授業が終わったあと、

 サッカー部の人だけ、教室に残って下さい。

 大事な話があります」


「みんなの表情が、一瞬にして固まった。

 シーンと静まり返った」


「先生は、

 その様子を見て、下を向き、

 ため息をついてから、

 また、顔を上げて言った」


「それじゃあ、これから朝の会を始めます。

 日直の人、号令してー」



「その日の休み時間、

 クラスは、オマキの話で持ち切りだった」


「仲の良い人同士で集まって、

 あちこちで、ヒソヒソと話した」



「大事な話って、オマキのことかな?」


「それしかないじゃん。

 ぜってー、そうだって」


「ヤッベー、ついにバレた。

 隣のクラスのヤツら、結構ヤバくない?」


「ヤバいヤバい。

 つーか、

 ウチのクラスでもヤバいヤツ、何人かいるし」


「え?、マジ?。

 ウチのクラスにもいるの?。

 だれだれ?」


「ちょっと耳貸して。

 ・・・と・・・、

 多分、・・・も。

 アイツら、

 休み時間になると、よく隣のクラスに行ってたし、

 ぜってー、そうだって」


「マジかよ、ヤッベー」


「おま、バカ。

 そっち見んなって」


「アイツら、すっげービビってる。

 見ろよ見ろよ。

 カワイソー。

 俺、イジメてないからセーフ」


「俺だってセーフだし。

 つーか、何でバレたの?。

 知ってる?」


「知らねーし。

 誰かがチクったか、オマキが自分で言ったか、

 どっちかじゃね?」


「まぁ、

 あんだけみんなで堂々とやってたら普通バレる・・・つーか、

 寧ろ遅いくらいだし」


「なぁ・・・、

 お前、訊かれたらどんくらい話す?」


「全部話した方が良いだろ。

 隠したって、

 多分、ソッコーでバレるし。

 どうせ、みんなに話を訊くんだろ?。

 話さなかったら、

 どうして話さなかったんだ・・・って、後で言われて、

 逆に俺たちがヤバいじゃん」


「あー、そっか。

 お前、あったま良いなー」



「友達も、

 しばらくしてから僕の席に来て、話しかけてきた」


「どうする?」


「どうする、って?」


「全部話す?」


「・・・そっちは、どうするつもり?」


「俺は全部話す。

 だって、

 オマキのヤツ、可哀想じゃん・・・」


「・・・だね」


「昨日、部活に、

 オマキも、顧問の先生も来なかったけどさ、

 やっぱり、あのとき、

 イジメのこと、話してたんかな?」


「多分」


「それにしても誰なんだろな、

 先生の机に紙入れて、教えたヤツ」


「え?」


「さっき、隣のクラスの前を通ったとき、

 俺の友達に会ってさ、

 で、

 そのときに色々と教えてくれたんだ。

 昨日の朝、

 隣のクラスの先生が、机の抽斗を開けたとき、

 少しの間、

 動きが止まって、中をじーっと見てたらしくてさ・・・。

 一度、首を傾げて、

 抽斗から、畳んであった紙を取り出して、

 中を開いたんだけど、

 そこで、急に固まっちゃってさ・・・。

 で、ちょっとしてから、

 また紙を折り畳んで、ポケットに入れて、

 その後、

 何事も無かったかのように、授業を始めたらしいんだけど、

 帰りの会が終わって、

 オマキひとりが先生に呼ばれて、教室を出ていって・・・。

 それで今日、これじゃん。

 絶対、あのときの紙に書いてあったんだ・・・って、

 隣のクラスじゃ、噂になってるっぽい」


「・・・へー、そうなんだ」


「でも、誰なんだろな?。

 その友達に、何人か怪しい人を教えてもらったけどさ、

 どうも俺、それを聞いてもピンと来なくて・・・。

 お前は、誰だと思う?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ