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Summer Echo  作者: イワオウギ
IV
130/292

130.「その後、お前は・・・」

「その後、お前は、

 すぐさま、再び病院に預け返された。

 このまま家に置いておくのは危険だ・・・と、判断してのことだった。

 そして、

 母さんの弔問に来た人たちには、先程の父さんのことは伏せたままにして、

 通夜と葬式を、何とか無事に済ませた」


「日暮れどき。

 タクシーに乗り込み、帰っていく坊さんを、

 門の前で、みんなでお見送りした。

 家に戻ると、父さんには寝室に(こも)ってもらって、

 じいちゃんたちは、座敷にある座卓の周りに集まった。

 向こうのご両親が、

 座卓の向かい側で、じいちゃんたちに頭を下げ、

 父さんのしたことを改めて()びたあと、

 お前を、

 今後、誰がどうやって育てていくか・・・、

 5人で、そういう話を始めた。

 誰が・・・という部分は、

 すぐに、じいちゃんたちに決まった。

 今の父さんの近くには、とてもじゃないが住まわせられない・・・、

 向こうのご両親も、こちらも、

 そういった結論で、

 それで、ウチが引き取ることになった。

 続いて、お前の養育費に話が及んだ。

 向こうのご両親が、

 全額、父さんに面倒を見させる・・・と言ってきた。

 じいちゃんたちは、

 しかし、

 3人で少し話し合った上で、その申し出を断った。

 必要ない、と言った。

 向こうのご両親は、すぐに察した。

 そんなこと言わんでくれ!、出させてやってくれ!。

 あの子も、

 突然、自分の奥さんに死なれちまって、

 気が相当に滅入(めい)っちまって、ちょっとおかしくなっちまって、

 それで、

 きっと何かの間違いで、つい魔が差してやってしまっただけなんだ!。

 本当は、あんな子じゃないんだ!。

 信じてくれ!。

 優しい、良い子なんだ!。

 じいちゃんは、

 でも、

 父さんのやった行為を、絶対に許したくなかった。

 お前を父さんの子ではなく、

 母さんと、じいちゃんたちの子として育てるつもりだった。

 お前を父さんの元に戻すつもりは、

 そのときは、全く無かった」

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