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なっぴの昆虫王国 イブ編  作者: 黒瀬新吉
107/141

107.啓示

啓示


「みんな、ごめんなさい。サクヤは私が目覚めさせてしまったの、そして地球の未来を見てしまった……」

香奈がメタモルフォーゼを解除した里奈と美奈を連れて「amato2」に戻って来た。

「スサノヒドラと戦い、勝ち残ったなっぴの姿。その戦いに巻き込まれ破壊されてしまった地球。その様子をあなたは見たのでしょう」

「マイ、ひとつ聞いていい?」

セイレがそう言い、マイに尋ねた。


「あなたはいつからイブに目覚めていたの?」


カプセルの外、まばたきもしないサクヤがマイ達を待っている。ルノクスは緑の大地、この間にも新たな草木が芽吹く。だが、それ以外の生き物は見えない。地球の歴史に重ねるなら、新しい海の中ですでに小さな生命が生まれているはずだった。マイが皆に話し始めた、それは「シュラ」を倒す為、マイがヒドランジアとなった時に遡る。


シュラを倒す為、マイは異次元に隠れていた、その時のことだ。


ー「イブ編」 躊躇(ちゅうちょ)よりー


 ……何も武器らしいものを持たない、その生命体にシュラは火炎弾を使わずに近づく。

「思った通りだわ、マイ、さあ今度は私をハッチに向って飛ばして。タイスケがひねり潰される前に」

しかし、マイは答えなかった。

「マイ、マイってば……」

マイは暗闇が苦手だった。彼女が身を隠していた次元は暗い音の無い世界、何度も気を失いそうになるのをこらえていたのだが……。万事休す、その時マイの頭に声が響いた。


「それでもあなたはレムリアの王女なの!」

母『ラベンデュラ』の声がマイの失いかけた気を取り戻させた……


「マイ、イブの啓示が降りたのはその時なの?」

「その時は、ただ気を失っていただけだと思っていた。実はその時、私だけはシュラに認識されていなかったの、何故そうなのかその答えを教えてくれたのは思いもしない方だった」

「それは誰、私たちが知っている方?」

「ビドル、そのお方はレムリア王国の伝説の勇者。シュラがサクヤによって消滅した時、彼は私の意識を過去に戻した」


「マイの見たのは、この地球の過去だったのでしょう。それもレムリアの過去ではなかったの?」

香奈がそう言うと、マイが頷いた。

「それはレムリアに七龍刀を持ってきたヒドランジアの話だったの」

「ヒドランジア、それは最初に地球に現れたナナのことなのね」


「ナナは……、たったひとりでレムリアに来た。リカーナ女王の張った結界は、硬く丈夫でとても破ることは出来ない。その証拠にインセクトロイド・サクヤの能力でも正確な場所は感知する事が出来なかった。ナナは、次元の谷を越え、レムリアの場所を難なく特定し、丈夫な結界に短剣を突き刺し、それを苦もなく破るとこう言った」


「リリナの子らよ、よくぞここまでやってきた……」


「その言葉はナナの様でもあり、サクヤの様でもあった。サクヤの意志はヒドランジア・ナナに受け継がれていた」

虫人を守るという役目とともにナナはレムリア王国に来ると、それを虹のほこらに納めた。

「ナナの意志は永く王国を支えてきた。それを何度も闇が襲う、何故なら星には自浄力があるから……」

「自浄力……」

「闇を呼び込み、虫人を絶やそうとしたのはこの星を作ったものの仕業だった」

「この星を作ったもの……」

「そう、タオ、マナ、ヨミ……」

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