志乃
「志乃、大丈夫だった?LINEも出ないし」
「入院してたからね。まだ、大丈夫じゃないけどマシになった方かな」
「大変だったね。元彼が死んで、そのあと両親まで死んじゃうんだもん。しかも、目の前で」
「今でも、現実だと思えないんだよね」
「まあ、切り替えろとまでは言わないけど、吹っ切らないとずっと暗いままだから。辛いことがあったら私に言ってね」
「ありがとう、梨沙子」
「ただいまー」
「おかえりーお姉ちゃん」
今は一旦、家に帰っている。当然、血などはもうない。
「じゃあ、作戦会議するか」
「はーい」
「じゃあ次誰にする?」
「また、フェイク入れるかー」
「じゃあ、そこらの見知らぬおっさんでいっか。電話しとくね」
「佳奈もアリバイ作っとくわ」
「はーい。あ、もしもし駿くん?私。志乃なんだけどさ。この間ありがとね。私たちの入院中に一人殺してくれてさー。あれがなかったら怪しまれてたかもしれないし。でね、次もまた殺していいよ。誰でもいいよ」
「フェイク完了〜!」
「はーい。さっすがお姉ちゃん!ていうかあいつ、まだ引っかかってるの!?うけるー」
「まぁ、ぶっちゃけ、ちょろいよね。あんなやつ。」
「じゃあ、行ってきまーす」