夜雨
草木も寝静まる夜
アスファルトに揺らぐ人工の月を蹴散らして
跳ね返るそれに舌打ちする
やりたいことがたくさんある
やれないこともたくさんある
どちらが多いのかなんてわからない
わかろうとするには無知すぎた
声もなく泣き続ける夜
理由なんてわかろうともしないで
降りしきる涙を見つめる
昔見た夢を覚えている
今見る夢は忘れている
生きながらにして死んでいる
気づいた時には手遅れか
いったい何がしたいのか
わからない
わかりたくない
どちらかなんてなおさらで
見えない月を空に探した
月が見たいと、そう想って