第九十話
皆さん、コロナの第2波に気を付けて下さい。
第九十話
取り敢えず、奴隷を買う前に紹介状を貰う事にした。
その方が奴隷商館側の負担もほんの少しだけでも減らせると思ったのもあるが、確実に欲しい物から貰おうという思いもある。
「お待たせ致しました。こちらが紹介状になります」
俺が待っている間に紹介状を書いていてくれたみたいで、俺の対応をしてくれていた商館の店員さんが十数枚の紹介状を持って来てくれた。
「すまない、助かる。面倒ではなかったか?」
俺は渡された紹介状をチラッと確認して、次に行こうとしている方の街の紹介状が有るのを確認しつつ【アイテムボックス】の中に収納した。
そして、例え面倒であったとしても面倒ではなかったとの答えが返ってくるのを分かっていながらも、「面倒ではなかったか」と相手をおもんばかる様な言い方をした。
まあ、要するに社交辞令の定型文である。
しかし、例え社交辞令の定型文であろうと、こういう接客業の者が相手の時であろうと、そうでなかろうとも友好関係をこれからも続けていきたいと思っているのなら、こういうやり取りも大事なのである。
今時、異世界であろうと、前世の地球の時であろうと、「お客様は神様です」というのは、時代遅れどころか無駄無意味ナンセンスであると俺は思っていた。
ただし、異世界の恐いところは、本当にお客様が神様な時がありそうなところである。
まあ、今はそんな事は置いておこう。
「いえ、面倒とかその様な事は全然ありませんよ」
そんな事を考えていたら、店員さんが俺が予想していた通りの答えを返してくれた。
まあ、実際に紹介状を渡した客が渡した先の店で買ってくれれば奴隷商人の横の繋がりがより強固になるし、買わなかったとしても、買わないならそもそもその街の奴隷商人のところには行かないだろうから、問題無いのである。
例え、紹介状を持った者が何か問題を起こしたとしても、紹介状はあくまでも紹介をするだけの物であって、その紹介状を持っている者の人格等を保証する物では無いので、その時は紹介状を書いた奴隷商人には何の責任も負わなくで良いのである。
だから、今回の場合では商人側には何のデメリットも無いのである。
だから、商人側からすれば紹介状を書く枚数分の手間だけがデメリットというか負担なのである。
かといって、誰彼構わず紹介状を書くわけでは無いとだけ言っておく。
あからさまに買わないだろうと思われる者や、たちの悪い者の為には書かないのである。
これは極々当たり前の事でもある。
責任を負わないで良いからといって、無責任に書くのは違うのである。
これは、商人間の信用問題なのである。
この事はどんな時代、どんな世界であろうと大事な事でもある。
「そろそろ奴隷たちの方の準備もおおよそ整ったと思われますので、数人ずつお呼び致しましょうか?それとも出向かれますか?」
前回の時にチラッと言っていた事を覚えていてくれたみたいで、聞いてきてくれた。
「そうだな、折角なので、最初はそちらのおすすめを呼んでもらって、その後に呼んでもらった者以外を出向いて見て見ようかな」
「そうしても大丈夫かな?」
思い付きの方法をしても大丈夫かどうか聞いてみた。
「大丈夫でございますよ」
「では、おすすめを3人ずつお呼び致しますので少々お待ち下さい」
「その間に出向いていただいても大丈夫な様に、ととのえる様にと言っておきます」
どうやら大丈夫そうなので、用意して貰う事にした。
俺って面倒臭い客かもな・・・
これからも宜しくお願い致します。




