第七十六話
重陽の節句ですね。
第七十六話
はい、やって参りましたダンジョンの第一階層です。
この階層ではまだまだ他の冒険者やら冒険者に雇われた荷物持ちの人達で溢れていると言っても過言ではない位に人がいます。
冒険者ギルドで確認した時には、五階層前後迄は人が多いそうです。
十階層辺りからベテランの冒険者になるそうですが、それまでは新人からベテラン一歩手前位迄の人が多いと聞いています。
まあ、このダンジョンでベテランと言われていても冒険者全体から見ればまだまだベテランの域には達していない人が大半らしいのですがね。
一応今日の予定では十階層迄行きたいのだが、混雑具合では難しいかもしれない。
「出来れば今日中に十階層迄行って十階層をクリアしておきたいからそれまでは急いで行くぞ」
「はい、分かりました」
「は~い」
「はいですはい」
「はいがう」
「はいクマ」
俺が予定をみんなに伝えると、ナテュール、カヨウ、フォルカス、リオンにポーラはそれぞれ若干緊張気味に返事をしてきた。
「あまり緊張しなくても、これまで通りにすれば十階層迄なら油断さえしなければ大丈夫だから難しいとは思うが、程々にリラックスしておくと良いぞ」
まあ実際、冒険者ギルドで買っておいたダンジョンの地図があるので十階層迄なら余程の失敗をしなければ大丈夫らしい。
今日の俺は中衛として槍を装備している。
今日の様に余裕がある程度ある時に色々な武器での戦い方を練習しているのである。
一応、腰にはいつもの剣を装備はしているし、そもそも魔法もあるので問題は無いと思っている。
油断はしない様に最低限の警戒はしているけどね。
そもそも、このダンジョンの十階層迄に出てくる魔物では俺の出番は無いだろうから練習にならない恐れの方が大きいけどね。
まあ、今回は魔物やダンジョン内の罠よりも、俺達に良からぬ事をしようと考えている冒険者がいるかどうかの方が気になるけどね。
実際に、質の悪そうな冒険者達が何組か冒険者ギルド内にいたからね。
その冒険者達全てが俺達を襲って来るかどうかは分からないが、最悪、質の悪そうな冒険者達全員が襲って来る事も想定はしているので、その時は取っ捕まえて冒険者ギルドに連行するのも面倒臭いので殲滅する積もりである。
装備品とかさえ回収すれば死体はダンジョンが吸収してしまうので楽である。
まあ、ダンジョンが死体を吸収してしまうから新人を襲って悪さをしようとする阿保が出てくるんだけどな。
今のところ【マップ】には冒険者達の敵性反応は無いので大丈夫だろうが、十一階層からはより一層の警戒が必要になるだろうな。
冒険者ギルドでも注意する様に新人の冒険者や遠方から来た冒険者には言っているらしい。
そんな事はおいといて、現状だけど、暇である。
物凄く暇である。
ナテュール達が罠をあっさりと発見して解除して、出てきた魔物もあっさりと殲滅。
そもそも、まだ他の冒険者達がいるので魔物も少ないし、罠も他の冒険者達が解除してありまだ再設置されていないのも多数あったというのもあり、意外と早く目標の十階層に辿り着いた。
四、九階層の転移部屋の登録は終わらせてあるので、後は十階層のボスを倒してから転移部屋の登録を済ませれば今日の予定は終了である。
「さて、最初のボス部屋だから順番が来るまでは武器、防具のメンテナンスと休憩にしよう」
ボス部屋の前に既に何組かの冒険者達が並んでいたので最後尾に並ぶ。
ボス部屋は冒険者達が部屋に入ると扉が閉まりボスが倒されるか冒険者達が全滅するまで扉が開かない仕組みになっている。
例外として、ボス部屋の入ってすぐの所に扉の解錠ボタンの様な物があり、ボスを倒せないと判断したらそのボタンを押せば強制的にダンジョンの外までボス部屋に入っている全ての冒険者達が転移させられる。
ただ、ボスとの戦闘中にそのボタンを押す事が中々出来ないので、ほぼ全滅となるパターンらしい。
もし運良くボス部屋から脱出出来ても、それまでにダンジョンで得たアイテム類がペナルティとしてなのか分からないが、脱出後にはなくなっているのでそういうものだと冒険者ギルドも冒険者も思っている。
過去にはアイテムポーチやアイテムバッグの様なマジックアイテムに収納していたアイテム類さえもなくなっていたらしい。
なくなったアイテム類は恐らくダンジョンに再配置されているのではないだろうかと言われている。
ボスに全滅されたまたは、ボス部屋から脱出されてしまったボスは、そのまま回復していない状態で次の冒険者達との連戦になる。
ボスが倒されると大体三十分位扉は閉まりっぱなしであり、ボスがリポップすれば再び扉が開く仕組みらしい。
ただ、このダンジョンの十階層のボスは余程のど素人かへまをするとかしなければLVが10以上の者が三人居れば倒せるそうだ。
今の俺達なら俺を抜きにしても楽に倒せるだろう。
後三組の冒険者達が入れば次は俺達の番になる。
さっさと終わらせてしまおう。
だが、油断だけはしないでおこうと思う。
これからも宜しくお願い致します。




