第四十三話
もう少しで次の街に出発出来るかと・・・
第四十三話
馬達の名前が決まった翌日、朝食を食べ終えたので部屋に戻ってからこれからの予定を話し合うことにした。
「さて、馬達の名前も決まったのでこれからの予定を決めたいと思う。」
俺がナテュールとカヨウに大まかな予定を告げることにした。
「大まかには騎乗の練習に冒険者のランク上げ、そして二人のレベル上げをしたいと思っている」
「期間としては馬車が出来上がる迄としたい」
「しかし、その時に俺がまだ練習やレベル上げが必要だと思ったら期間は多少は延長するが、余程でなければ延長はしないのでそのつもりでいてくれ」
「それに、馭者の練習は、移動の道中や、別の街などで行うからそのつもりでいてくれ」
「「はい」」
「まあ、レベル上げとランク上げは両立しやすいので、選ぶとしたら騎乗の練習か、冒険者ギルドで依頼を受けてからのランク上げとレベル上げのどちらかになるがどちらが良い?」
俺がどちらが良いか聞いて見ると、
「私はどちらでも良いです」
とカヨウが言ってきたが、ナテュールが少し思案顔をしてから、
「私としては出来れば騎乗の練習からが良いです」
と言ってきた。
「それは別に良いが理由を聞いても良いか?」
別にどちらを選んでも問題無いのだが、何故騎乗の練習を選んだのか気になったので聞いてみた。
「はい、ランク上げはこの街でなくても大丈夫ですし、レベル上げは道中でもこの周囲の魔物ならそれ程危険は無いと思われます」
「例え、危険があったとしてもその時は馬に乗っていますので、馬車はご主人様が収納出来ると伺っていますので、ご主人様に収納して頂き、騎馬にて逃げればどうにかなります」
ああ、前にそんな事が出来るって言っておいたな。
「もし、騎馬でも逃げられない様な魔物なら多少レベルが上がっていてもどうにもならないと思われます」
適当に選んでも問題無いのだがそこまで考えていたとは思ってもいなかった。
まあ、俺のレベルをまだ言っていなかったのでそこは仕方ないと思う。
決して言うのを忘れていた訳じゃないぞ。
元々、時期を見てある程度教えるつもりでいたんだぞ。
う、うそじゃないぞ。
俺の実力をスキルも含めて全て教えたりしたら後々面倒になりそうな気がしているから教えていなかっただけだぞ。
そこっ!疑いの眼で見るな!
ほ、ほんとうなんだからな!
「まあ、その時には俺が何とかしよう」
「ご主人様がですか?」
「ああ、まだ詳しくは言えないが、今まで俺が前衛をしていたので、年齢のわりにある程度俺が強いというのは分かると思う」
「はい」
まあ、実際はある程度どころではないが今はその事は置いておこう。
「それに、索敵系の能力もかなり高いのでそこまで危険な状況にはなりにくいと思っておいて貰っても大丈夫だ」
「はい、分かりました」
俺の実力を朧気ながらでも分かって貰ったので良いとしよう。
えっ?はっきり言わないのかって?
まだ言わないよ。
言ってしまって、俺におんぶにだっこ状態になられても困るので、当分は言わないよ。
さて、本題に戻ろう。
「それでも騎乗の練習からで良いのか?」
再度ナテュールに確認してみた。
「はい、騎乗の練習からでお願いします」
「分かった」
再度の確認でもナテュールがはっきりと答えたので、本日は騎乗の練習からにした。
「では、どの子に乗るのか自分で決めて鞍を着けておけ、俺は蒼玉に乗るからナテュールとカヨウは琥珀、翡翠、紅玉の中から選んでおくように」
「基本的には蒼玉と琥珀に馬車をひかせるつもりでいるけど騎乗する事もあるからどの子を選んでも大丈夫だぞ」
「「はい、分かりました」」
結局二人が選んだのは、ナテュールが翡翠でカヨウが紅玉だった。
やっぱり自分で選んだ子なので乗るのもそういった感じになった様だ。
それなら俺が蒼玉と琥珀を交互に乗るとするか。
三人とも馬に鞍を着けたりとかの用意が終わった。
「琥珀、すまないけれど明日はお前に乗るから今日は良い子で留守番していてくれな」
俺は少し寂しそうな琥珀を撫でながら慰めた。
そして、納得してくれた様な琥珀を宿屋の馬小屋に残して三人がそれぞれの馬の手綱を引いて冒険者ギルドへと向かった。
えっ、外に向かうんじゃないのかって?
いや、外へは向かうが、ついでに薬草の採取等のすぐ終わる依頼を受けておこうと思い立っただけですけど何か?
取り敢えず、採取系の依頼を幾つか受けてから街の外へ出た。
やはり、ギルドではテンプレのいざこざは無かった。
外に出てからすぐに採取を終わらせてから騎乗の練習を開始した。
これからも宜しくお願い致します。
皆様台風にはお気をつけください。