第四話
申し訳ありません。
今回はかなり短いです。
9月16日 書き方をある程度変更しました。
第四話
俺は、息を引き取るのを確認してから、初代竜神の亡骸を無限収納の中に解体しないまま回収した。
その時に、無限収納の中に、初代竜神領域と言うフォルダを作成して、そこに収納しておいた。
竜破剣はそのまま装備しておいた。
そして、心の中で、初代竜神に対して黙祷をした。
その後、少し急いで森の中に入って、姿を隠した。
姿を隠した理由?
そんなのは決まっている。
先程から頭の中で、RPGの不朽の名作の一つである、ドラ○エのレベルアップ音がずっと鳴り響いているので、この後、HPやMPの関係上、直ぐには動き回れない様になるであろうから、安全を確保しようとしたに過ぎない。
因みに、初めてこのレベルアップ音を聴いたとき、思わず「ゲームかよ!!」ってつっこんでしまったのは良い思い出だ。
今迄は、一つずつしかレベルアップしかったのであまり気にしなくても良かったが、今回は、急激なレベルアップが想定出来るので、HPやMPが低レベル帯だと全快の状態でも、急激なレベルアップした直後だと瀕死の状態と何ら変わらない様になってしまうのである。
ここも、ドラ○エと同じ様にレベルアップと同時にHPとMPも全快状態になってくれると有り難いのだが、そう上手くはいかない様だった。
今回の事でこの事を、低レベル帯の時に確認していて良かったと心の底から思った。
何とかレベルアップ音が鳴っている内に安全を確保出来たので、少し休む事にした。
勿論、気配察知や索敵等のスキルを使って周囲に魔族を始め、魔物等が居ないのを念入りに確認した。
自重しないでマップ機能も使って確認したので暫くは安全だろう。
初代竜神との会話ではさらっと流してしまったけれど、この隙に、魔族について少し考えておこう。
両親から聞いている範囲でしかないが、この先、魔族に対する行動を決めておかないと、いざと言う時に行動が遅れてしまうのでそれは避けておきたい。
確か、魔族は魔神を頂点として、数多の魔王がその下におり、更にその下に、最上級、上級、中級、
下級、最下級の魔族がいる完全な縦社会だったと教えて貰った。
そして、魔神も竜神と同じく亜神に分類されており、最悪な事に魔神も数多存在しているらしい。
まぁ、魔神の中にも色々な性格の奴がいるっぽいので戦闘狂ばかりではないみたいらしい。
そこだけは正直助かったと思う。
だから、今回の事を仕出かした魔族連中は、出来れば出会いたくないが、出会ってしまえば、勝てそうなら殲滅の方向でいこうと思う。
それ位今回の事はムカついている。
それに、放置していると、折角の異世界ライフが滅茶苦茶になりそうな予感がするので、そう言うのは早々と処理するのが異世界ライフを満喫する早道に思える。
問題は、今のままでは勝てるかどうかわからないので早いところレベルを上げる為の予定を考えておこう。
まぁ、今のレベルアップが終わった頃には多少はましになっているだろうが、初代竜神が卑怯な手段を使われたとは言え、瀕死の状態に迄ダメージを受けていたのを考えると、楽観視は出来ないからな。
因みに魔物は、魔族とは基本的に別物であるが、魔族が産み出したものもあれば、自然発生したものもいるし、ダンジョンで発生しているものもいる。
魔族が産み出した魔物は余程の事が無い限りテイム出来ないが、自然発生した野生の魔物やダンジョンで発生したものはそれに比べるとテイムし易い。
然し、テイムそのものが低確率であるらしい。
取り敢えずは、今のレベルアップが終ってから、HPとMPを早急に回復させてから、初代竜神との約束を果たそう。
未だに、頭の中でレベルアップ音が鳴り続けているのでまだまだ時間はかかるだろう。
早くしないとドラゴンゾンビに堕ちてしまうのが出てきてしまいそうで、出てきてしまうと面倒臭い事に確実になるだろうから焦ってしまう。
焦りを覚えつつも、意識をリラックスさせて回復に努めた。
気がつけば三時間位経っていた。
どうやら、レベルアップにより、HPとMPがかなり低下した状態になり意識を失っていたみたいだ。
然し、そのお陰で今はHPもMPも全快なっているので、急いで初代竜神の領域に向かって走り出したその瞬間、
ドバンッ!!
バキッ!!
ガサササササ!!
ドスンッ!!
俺は、レベルアップした事により脚力も上がっていたのに、今迄みたいに全力で走り出したものだから、
ドバンッ!!という音の時に地面が抉れ、
バキッ!!という音の時に地面が抉れた拍子にバランスを崩して、近くの大木に勢いよくぶつかり、大木をへし折ってしまい、
ガサササササ!!という音を立てて大木が倒れていき、
ドバンッ!!という音を立てて大木が地面に倒れてしまった。
どうやら、急激に上がってしまっていた脚力に感覚がついていっていなかったみたいで、ほんの少々自然破壊をしてしまったみたいだ。
俺は取り敢えず、倒してしまった大木を無限収納に収納して解体してから急激に上がってしまった脚力や、その他の身体能力に感覚を慣らしながら初代竜神の領域に再出発した。
因みに、大木は解体により、大量の薪と十本以上の木刀、数脚の椅子に、テーブルを二脚にしておいた。
他にも、樹皮は油分を結構含んでいたみたいで、着火材になっていた。
これは、無限収納と木製加工のコラボで可能になっていると勝手に判断しておこう。
俺は、直ぐに現状の身体能力に慣れ、初代竜神の領域迄のかなりの距離を一時間ちょいで進み、領域入口にたどり着いた。
入口と言っても、森との間には幅、目測で凡そ百m、水面迄の高低差が目測で凡そ三百mあり、端的に言うと、幅広い、深い崖、崖下に川!!
そして、領域入口に向かって橋が架かっている!!
と言う現状が目の前に広がっていた。
何故、橋が架かっているのか疑問に思いながらも橋を渡って領域内に入っていった。