第二十一話
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第二十一話
皆は水蒸気爆発を想像しただろうが、そうはならなかった。
と言うか、そうならない様に、【ウォーターボール】をゆっくりと洞窟内に撃ち込んだのだ。
しかしそれでも水蒸気が物凄い勢いで出てきたので洞窟内はマグマで凄まじい事になっていたのは想像に難くない。
まぁその事は置いといて、自分の魔法の威力について考察した結果、威力を抑えようとするなら、魔法に無理に魔力を込めないで、体から洩れている魔力を使えばいける様な気がする。
あくまでも気がするだけなので、失敗しても笑うんじゃないぞ。
考察も終わったし、洞窟内の冷却も終わったみたいなので、早速考察が正しいかどうか試してみよう。
面倒くさいので結論を言うと、大成功であった。
【ファイアボール】だと怖かったので、【ウォーターボール】にしてみたのだが、大きさは俺がレベルがまだ一般的だった頃より少し大きい位で、威力はだいたいだが、倍近く位におさまっていた。
これなら対人戦の時や、人前で実力をセーブしたい時にも何とか誤魔化せるレベルになったと思う。
その後、今使える属性の魔法を全て試してみたが、全部が何とか誤魔化せるレベルだったので一安心出来た。
意図的に魔力を使って魔法を使うのは、魔力を使って身体能力を強化するのを先に行い、魔力操作を完璧に出来る様になるか、魔力その物で武器や防具を創ったり等や、単独での超巨大な魔物等を討伐したりする時までお預けにしておこうと思う。
後は洞窟を埋めてから街に帰って報告するだけだが、その前に一つ実験をしようと思う。
別に合成魔法とかをするのではなく、転生まえに覚えていた事で、それで魔法を習得出来るかどうかの実験である。
失敗してもここなら周囲に誰もいないので恥ずかしくないのが主な理由ではある。
失敗してももともとなので、早速唱えてみよう。
「高天原に神留坐す 皇賀親神漏岐 神漏美命以て 八百萬神等を神集へに集へ賜ひ 神議りに議り賜ひて 我が皇御孫命は 豊葦原瑞穂國
を 安國と平けく知食せと 事依さし奉りき 此く依さし奉りし國中に 荒振る神等をば 神問はしに問はし賜ひ 神掃ひに掃ひ賜ひて 語問ひし 磐根 樹根立草の片葉をも語止めて 天の磐座放ち 天の八重雲を 伊頭の千別きに千別きて 天降し依さし奉りき 此く依さし奉りし四方の國中と 大倭日高見國を安國と定め奉りて 下つ磐根に宮柱太敷き立て 高天原に千木高知りて 皇御孫命の瑞の御殿仕へ奉りて 天の御蔭 日の御蔭と隠り坐して 安國と平けく
知食さむ國中に成出でむ天の益人等が 過ち犯しけむ種種の罪事は 天つ罪 國つ罪 許許太久の罪出でむ 此く出でば 天つ宮事以ちて 天つ金木を本打ち切り 末打ち断ちて 千座の置座に置き足らはして 天つ菅麻を 本刈り断ち 末刈り切りて 八針に取り辟きて 天つ祝詞の太祝詞事を宣れ 此く宣らば 天つ神は天の磐門を押し披きて 天の八重雲を伊頭の千別きに千別きて 聞こし食さむ 國つ神は高山の末 短山の末に上り坐して 高山の伊褒理 短山の伊褒理を掻き別けて聞こし食さむ 此く聞こし食してば 罪と云ふ罪は在らじと 科戸の風の天の八重雲を吹き放つ事の如く 朝の御霧 夕の御霧を 朝風 夕風の吹き拂ふ事の如く 大津辺に居る大船を 舳解き放ち 艫解き放ちて 大海原に押し放つ事の如く 彼方の繁木が本を 焼鎌の敏鎌以ちて 打ち掃ふ事の如く 遺る罪は在らじと 祓へ給ひ清め給ふ事を 高山の末 短山の末より 佐久那太理に落ち多岐つ 速川の瀬に坐す瀬織津比賣と云ふ神 大海原に持ち出でなむ 此く持ち出で往なば 荒潮の潮の八百道の八潮道の潮の八百會に坐す速開都比賣と云ふ神 持ち加加呑みてむ 此く加加呑みてば 気吹戸に坐す気吹戸主と云ふ神 根國 底國に気吹き放ちてむ 此く気吹き放ちてば 根國 底國に坐す速佐須良比賣と云ふ神 持ち佐須良ひ失ひてむ 此く佐須良ひ失ひてば 罪と云ふ罪は在らじと 祓へ給ひ清め給ふ事を 天つ神 國つ神 八百萬神等共に 聞こし食せと白す」
その昔、俺がまだ小学生の頃、近所の神社の宮司さんに冗談半分に教えて貰った大祓詞を唱えてみた。
前世と今世を合わせるともう二十年以上前の事なので間違っている可能性はかなり高いが、ダメもとで試してみた。
>【神聖魔法】を習得しました。
ダメもとで試してみたが、運良く【神聖魔法】を習得したみたいだ。
しかし、この世界で元いた世界の祝詞で【神聖魔法】を習得出来るのは何故なんだろうと思ったが、どうせ転生神が俺を転生させる時に俺自身か世界そのものに何か仕掛けをしたかなんかだと思う事にした。
深く考えても答えは出ないだろうしそこまで拘ってもいないので気にしない。
街に帰るまでまだ少し時間があるので、もう少し宮司さんに教えて貰った祝詞を幾つか試してみようと思う。
それで【神聖魔法】のレベルが上がれば儲けものだし、失敗したら別の属性魔法を試してみても良いし、実験あるのみである。
祝詞の内容への文句は受け付けておりません。