第二十話
微妙な感じで終ってしまいましたが、よろしくお願いいたします。
第二十話
洞窟に張っていた結界を解除した俺は早速洞窟に足を踏み入れた。
勿論、気配や魔力等を探りながらなので洞窟の入口付近に魔物がいないのは確認済みである。
洞窟内の大きさは意外と大きかった。
高さはだいたい五メートル、横幅はだいたい七メートル位だ。
明るさは暗いかと思っていたら光苔の様なものが光源となっていたので、満月の夜位の明るさであった。
洞窟内に少し入ってから【マップ】を確認したらしっかりと更新されていて、洞窟の全容がまるわかりだった。
洞窟内の魔物を確認してみたが、ゴブリンしかいなかった。
テンプレ的なゴブリンキング等の上位種は皆無であった。
俺は心の中で「俺のテンプレに対するドキドキを返さんか~」と誰にともなく怒鳴ってからゴブリンの総数を確認した。
こうなったら洞窟内のゴブリンに八つ当たりをしようと固く誓った。
そこっ!!傍迷惑な誓いをたてるなとか言うな!!
俺的には、村から街への道中や、冒険者ギルドでの冒険者への登録時、そして今回の戦闘とで計三回もテンプレが来るだろうと思ってドキドキしていたら、三回共テンプレが無かってガッカリしたんだからこのやるせない感情の捌け口が欲しいところにゴブリンと言う魔物が立候補してくれたのだから(立候補していないとか言うなよ)その誠意に応じただけだからな。
八つ当たりの自覚はあるが、それは横に置いておこう。
なんだったら金庫に仕舞って鍵閉めて海の底にでも捨てるでも良い。
と、とにかく折角立候補してくれた (していないが)ゴブリンの誠意に応じてゴブリンを殲滅するとしよう。
洞窟内のゴブリンの総数は僅かに六十匹、どうやら殆んどのゴブリンは洞窟の外にいたみたいだ。
言い忘れたが、洞窟の構造は簡単に言えば蟻の巣状であり、出入口は俺が入って来た一ヶ所のみだった。
と言う訳で、スキル【隠行】等を使い、近くのゴブリンからこっそり倒していきましょうかね。
【マップ】もあるし、他にも探知系のスキルを使いまくっているから不意討ちすれど不意討ちされずなイージーな状況なのは楽である。
そこ!!元々レベルやステータス等でイージーじゃないかってつっこみは要らないからな。
さて、さっさとゴブリンを殲滅して魔法の習熟につとめよう。
その後、一時間程度でゴブリンを殲滅したら、ドラゴンの時と同じくアイテムボックスⅩにゴブリンの死体と装備していた錆びた短剣等が自動回収された。
幸いにも拐われた人はいなかったみたいで、【マップ】にも生命反応は無かった。
洞窟から出た俺は、少し休憩した。
休憩後、折角なのでゴブリンがいた洞窟に魔法を撃ち込んで威力の確認をすることにした。
まず、焔魔法でそれぞれボール系、ランス系、アロー系、ウォール系等を撃ってみる事にした。
焔魔法が終わったら、水魔法、氷魔法、無属性魔法、嵐魔法、豪雷魔法、竜言語魔法、龍言語魔法、土魔法の順番に試そうと思う。
この順番にしたのは、なんとなくだが、土魔法を最後にしたのは単純にこの洞窟を埋め立てる為である。
このままこの洞窟を残していても、またゴブリンの様な魔物が住み着くか、盗賊が住み着くか位になりそうなので、それを防ぐ為だ。
わざと残して魔物や盗賊が住み着いてからまた殲滅すると言うマッチポンプはしたくないので埋め立てるのは絶対である。
さて、さっさと魔法の習熟訓練でもしよう。
因みに焔魔法とは、火魔法の上位魔法である炎魔法の更に上位魔法である。
当たり前だが、より上位の魔法になればなるほど同じボール系の魔法でも威力が跳ね上がる。
さて、まずは出来る限りの威力を抑えての【ファイアボール】を撃ってみよう。
短縮された【ファイアボール】の詠唱をして撃ってみたら、ものの見事に洞窟内の壁や天井や床の土が【ファイアボール】の熱量でマグマの様になってしまった。
【ファイアボール】のサイズも異常だった。
通常の【ファイアボール】なら個人差もあるが、直径がだいたい四、五十センチ位である。
村にいた頃の俺の【ファイアボール】のサイズもだいたいそれ位だった。
しかし、今回撃ってみた【ファイアボール】は、出来る限り威力を抑えた筈なのに直径が三メートル位あった。
十秒前後呆けていたが、意識を取り戻した俺は、水魔法の【ウォーターボール】を【ファイアボール】の時と同じく威力を抑えてマグマと化した洞窟に向かってゆっくりとした速度で撃った。
こちらも【ファイアボール】と同じ様なサイズであった。
そして、洞窟内に入っていった瞬間、物凄い勢いで水蒸気が洞窟から溢れてきた。
これは、他の魔法も気をつけないとまずいだろうなと気を引き締めなおした。
次回も魔法の習熟に費やすと思います。
しまった!!今回も台詞が…