第百四十四話
第百四十四話
屋敷の地下にダンジョンが出来ているのだが、実はまだダンジョンに入っていない。
何故なら、いきなりダンジョンに集中してしまうと、生活リズムが変わっていまい、冒険者ギルドや、買い物をしたりしている商店にご近所さん(結構離れているけどね)が心配して、病気か何かだと勘違いして訪問してきたらいずれはダンジョンの事がバレてしまう恐れがあるので、徐徐に冒険者ギルドの依頼を受けるのを減らしたり、買い物の頻度を少なくしたりしている最中なのである。
といっても、冒険者ギルドの依頼はまだまだ受ける方向でいるけどね。
それに、しばらく様子見をして、ダンジョンのルールの追加や変更がないかを気にしているのもある。
神々が俺達用に造ってくれたダンジョンなので、ある程度は信用しても良いのだが、地球で色々な神話を本などで知っている俺としては、神々の悪戯が怖いっていうのもある。
神々的にはこの程度なら大丈夫と思っている悪戯でも、人間的には致命的な事ってあるので、そんな事になってからでは遅いと思っているし、メールでも取り敢えずのところとしてダンジョンの仕様が送信されていたから、「あれから追加や新たに分かった内容とかが増えました」って内容のメールが送信されてこないとも限らないので、油断してはいけないのである。
それとは別に、冒険者ギルドの依頼を受けない日数があまりにも多いと、冒険者証を失効しますってなりそうなので、出来るだけ冒険者のランクを上げておきたいってのもある。
まあ、ダンジョンアタックを途中で切り上げて、冒険者ギルドの依頼を受ければ問題なのだが、熱中して忘れてしまう可能性が大いにあるの思うので、ギリギリまでランク上げにも注力したいってのもある。
取り敢えずば全員のランクがCまで上がっていれば、一年は依頼を受けなくても大丈夫って冒険者ギルドの受付で確認はしてあるので、全員のランクをCにしてから依頼を受けるのを徐徐に減らしていくのを予定している。
特に、誰も受けたがらない塩漬け依頼をこなしていくと、冒険者ギルド側は長期休暇をとると言ってもあまり嫌な顔をしないとも冒険者ギルドの受付で聞いている。
まあ単純に、折角塩漬け依頼をこなしてくれる冒険者の不興を買って、依頼を拒否されてしまうのを冒険者ギルド側が嫌がっているだけっていう事情なだけらしいけどね。
それを冒険者ギルドの受付で聞いた時は、何処の世界でも世知辛いなとしみじみと思ってしまった。
特に、受付業務をしているギルド員の人達には、ご苦労様ですって心の中で思っていた。
そこで言葉に出してしまうと、「だったら依頼を受けて下さいね」と言われるのが目に見えているので、決して言葉にしてはいけないのである。
今のペースで依頼を受けていけば、全員がCランクにまで上がるまで、三年は掛かりそうなので、修行の日数を減らして依頼を受けようと思っている。
それまでは、ダンジョンは放置って事にしようと思っているし、みんなにもそう言ってある。
一応、ダンジョンへの入口には俺が結界を張って、出入り禁止にしてある。
それに、みんなには、「早くダンジョンに潜りたいなら、さっさと全員でCランクになるぞ」って言ってある。
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