第百二十九話
第百二十九話
結論から言おう。
結局、翌日の昼まで何も起こらなかった。
そして俺は結果報告と、この屋敷を借りるのではなく、買い取る事にした事を言いに行った。
報告を聞いた後に、俺が屋敷と土地を買い取る事を聞いた時の相手の顔は驚きすぎて可笑しかった。
調査をしても何も無かったし、何も分からなかったが、何か勘の様なものに引っ掛かるものを感じていたので、買い取る決断をした。
皆にもその事を言ったが、特に驚いた風でもなく、「やっぱりそうなったか」って皆の顔に書いてあっただけであった。
まあ、あれだけの日数を掛けて何も異常が無かったので、何とか心の中で折り合いを付けたって感じだった。
それに、この街に来た理由は、ほぼ食材と調味料などの食事関連に、この街でも良い感じの奴隷が居れば買いたいとか、休暇7割、修行3割って感じに予定していたので、そちらの方に舵を戻したかったのもある。
ついでに、この街の冒険者ギルドの依頼をこなしていって、ランク上げと、お金を稼がないといけないって言うのもある。
ちなみに、屋敷と土地は、通常の同じ規模の物件に比べたら、百分の一よりも安かった。
それだけこの依頼での失敗が多くて、価値が下がっていたのだと思うと運が良いのかも知れない。
だから冒険者ギルドでも、依頼報告と買い取りを言った時に驚かれたのだけどね。
しかし、俺達が買い取って、俺達が無事に生活した後に売りに出す事になった場合は、また値段は高くなっていくんだろうな。
日本でも、事故物件に大家か管理人や適当な人を住まわせてから再び売る時には、事故物件の告知義務がないって知り合いの人に聞いた記憶が有るのだが、それは本当だったのか今では確かめ様もないが、もしそうなら、その手法はこの世界でもやっていそうだけどね。
まあ、単純に、この屋敷と土地の場合だと、単純に広いので値段は高くて買えないっていうのが普通なんだろうけどね。
兎に角、購入手続きをしたので、明日からにはなるが、屋敷と土地は俺の物になった。
後はこの屋敷を拠点として、海の魔物や魚介類を手に入れ、奴隷商館を見に行ったり、依頼をこなしつつ全員の調理の腕を上げる事も忘れずに腰を据えてレベルアップをしていくかな。
特に、海の魔物は大きいらしいし、美味しいのも多いらしい。
それに、今までは海の魔物と戦った事が無いので、その経験も積めるのは有難い。
海の幸はいくら有っても困らないので、これを機に大量に手に入れておかないとね。
後、俺は出来れば転移系のスキルや魔法を手に入れておきたいかな。
そうすれば、この屋敷にいつでも転移して海の幸を補充出来るからね。
兎に角、全ては明日からのんびり、じっくりレベルもスキルレベルも上げて、この世界を安心安全に暮らせる様にしていこう。
もちろん、俺だけでなく、ナテュール達全員が安心安全に暮らせる様にするのが大前提だな。
明日からが楽しみだなって思ったが、まずは家具や調理器具とかの生活用品を揃えないとね。
これからも宜しくお願い致します。
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