第百十話
第百十話
俺は、護衛として半数のメンバーを置いて、残りの半数を連れて盗賊団のアジトを出た。
そして、スキルの【厩舎】から蒼玉達を連れ出して、さらに馬車を出して繋いだ。
その間も探索系のスキルで辺りを確認していた。
まあ、ゴブリン程度であれば蒼玉達は瞬殺してしまうのであまり心配はしていないけどね。
ついでに、【監獄】に収監した盗賊達の確認もさらっとだけしておいた。
盗賊団のアジトを殲滅している時に捕らえた奴も新たに収監しているし、殺した奴は取り敢えず【アイタムボックス】に回収しておいたので、一応殲滅しきっているとは思う。
だからこの盗賊団のアジトでする事は、捕らえられていた人達を次の街に送って行く事と、このアジトを野生の魔物や他の盗賊団に再利用されない様に埋めるだけである。
まだ時間がありそうだったので、胃に優しいスープと、消化に良いおじやを用意しておいた。
ちなみに、おじやには溶き卵を入れてある。
そして、出汁も鶏ガラからとった出汁でお米を炊いておいたのでさらに美味しい筈である。
まさかおじやの為に【龍言語魔法】内にあった時空間系魔法を使うことになるとは思わなかった。
前に大量のスープとかを作る時には気が付いていなかったが、馬車での移動中に見付けた時には思わず笑いそうになった。
ちなみにお米は蒼玉達を手に入れる時に飼料として売られていたので、街中のお米を買い占めておいた。
ただ、餅米はなぜかなかった。
一応、お米は飼料として有名だったが、普通に人も主食の一つとして食べられていたが、お米を炊くのが難しいのか知れないが、貴族や金持ちの腕の良い料理人がいる家庭か一流の高級料理屋、もしくは家畜の飼料と極端な感じだったので、買い占めても大丈夫だった。
だから、一般の人に出しても「これは家畜の飼料じゃないか、こんなもの食べられるか!!」とか「こんな物を出すなんて、私達を家畜扱いしているのか?」とかは言われる心配は無いらしい。
しかし、まさかお米がこんなに両極端な扱いになっているとは思ってもいなかった。
「皆さん、馬車に乗り込む前にこちらに消化に良い食事を用意しておいたので、休憩がてら食べておいてください」
「食事がすみ次第出発するのでその積もりでいてくださいね」
そうこうしているうちに盗賊団のアジトから皆が出てきたので、馬車に乗り込む前に食事をとってもらった。
一応、少し丁寧な言葉遣いにしておいた。
俺はその間に入り口を塞いでおいた。
これでもうここを再利用される事は無いだろう。
俺ものんびりめに入り口を塞いでおいたので、捕らえられていた人達はその間に食事とお手洗いを済ませていた。
ナテュール達も一緒に食事とお手洗いを済ませていた。
さて、いよいよ次の街に出発出来るな。
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