第百五話
第百五話
俺達が盗賊団のアジトが見える所までたどり着いたので隠れて確認すると、2人の盗賊達が見張りとして立っていた。
手早く倒すために【隠形】【隠密】系のスキルを使い、俺とナテュールは見張りに見つからない様に背後に回りとっとと当て身で気絶させて、【監獄】の中へと収監した。
予定では排除するつもりであったが、その必要も無いくらいに見張りのレベルが低かったので、小遣い稼ぎのために生きたままの確保となった。
「取り敢えず見張りはこれで良いとしてこれから突入するぞ」
「打ち合わせ通りにすれば大丈夫だから慌てるなよ」
「「「「「「「「「「はい、分かりました」」」」」」」」」」
「は~い」
俺達は打ち合わせした通りの順番でアジトに突入していった。
全員がかくれんぼでスキルのレベル上げをしていたので、【隠形】、【隠密】系のレベルはなかなかのものになっていると自負している。
そのスキルを駆使してアジト内の盗賊達を次々と気絶させてスキル【監獄】に収監していった。
取り敢えず盗賊団のお宝は後にして捕まっている人達の所へと向かった。
今回は幸運な事に捕らわれている6人全員が生きており、しかもその6人全員が牢屋と思われる所に囚われていた。
1人2人くらいは盗賊達にお酌をさせられたりしているかもと思っていたが、そんな事もなくて助かった。
まあ、お酌とかをさせられていても無事に助ける方法はあったので問題無かったのだが、面倒臭いから助かったというのは本音である。
取り敢えず、牢屋の見張りも収監してから囚われていた人達を眠らせた。
ここでこの人達をすぐに助けても良かったが、こちらの人数をふたてに分けるのは愚策であると思っているし、どっかの小説やドラマみたいに囚われている人達に「助けに来ました、静かにしていて下さい」とか、「盗賊達を倒した後に来ますので静かにじっとしていて下さい」とかを言っても、不安から騒ぐ人が出ないとも限らないので、今回は見張りを倒して収監した後に睡眠系の薬を散布して寝てもらった。
そして、万一の時のために、入り口を結界で侵入不可状態にしてからさらに奥へと向かった。
盗賊団の残りは17人なので慎重に進んでいった。
入り口で2人、道中で2人、そして牢屋の入り口付近で見張りの2人だったが、奥に本当に元騎士団にいた元騎士が要るのだろうか?
俺ならもっと見廻りの人数を多めにしていたと思うから、この元騎士団の元騎士はそういう事を学んでいないのか、それともアジト内ということで油断しているのだろうか?
それとも罠なのだろうか?
まあ、罠であったとしても何とか出来そうだし、学んでいてもその内容を身に付けていない無能ならまるで相手にもならないから大丈夫だろう。
そして、油断するような奴なら単なる腕っぷしが多少有るだけのバカだろうから、皆の練習相手にでもしておこう。
それにしても、副団長の元騎士の話はあったが、肝心の盗賊団の団長の話がろくに無かったのは気になるな。
そんなに印象が薄いのか、それとも団長よりも元騎士の副団長の方が強く印象深いのか、それとも、団長がわざと情報を取られないように操作しているのかどれなのだろうな?
それ以外も有るかも知れないが、ここまで来たらもう知らん。
結果は変わらず殲滅有るのみ。
取り敢えず全員捕らえてから【鑑定】すれば良いな。
もしその中に団長が居なかったとしても、盗賊達にゲロしてもらえば良いだけだしな。
さて、もう少しで残りの17人が集まっている場所に着くから色々と準備しなくちゃな。
これからも宜しくお願い致します。