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#6『罪』
「愛子……どうしちゃったんだよ…」
「…アナタ……のせいよ」
愛子の口が開き、俺にそう言った。
「……なンで…アんなことヲしタノ?ネぇ………コタエテヨ」
愛子の口は更に俺を責めたてる。
俺の…せい?
思い出せない……過去に何をしたんだ……俺は…
「おとーさん!やめて!思い出そうとしないで!!」
いろはが金切り声をあげた。
と、愛子の腹から黒い何かが勢いよく飛び出した。
血が滴るソレは彼女の腹から這い出ると、こちらを見据えた。
姿は人の形をしており、全身はどす黒い血で染まっている。
髪は長くボサボサで、目は赤く口は頬まで裂けていた。
ソレは口の両端を吊り上げて、赤い目を細めると
「愛シ……テルワ…………ア…ナタ……」
そう言った。