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#5『繋がれ・・・』
受話器を手に取り、病院に電話をかける。
『……ツー……ツー』
繋がらない。
「…な、なんでだよ!」
もう一度電話をかける。
『……ツー……ツー』
「くそっ!繋がれ…繋がれよ……」
『……ツー……ツー』
俺が焦っていると、いろはが寄ってきた。
「おとーさん……お、おかーさんが……」
「えっ?」
慌てて振り返ると愛子がぐったりと倒れていた。
「ま、まさか……愛子!!」
愛子のもとに駆け寄り、彼女の手首を握った。
…彼女の手首からは、脈を感じなかった。