2/8
#2『ドアに弾き飛ばされ』
ドアに弾き飛ばされた俺は、無様にひっくり返った。
「おとーさん!朝ごはんが出来たから呼んでこいってお母さんが」
声の主は中学生くらいの女の子だった。
……ってお父さん!?
「えっ?俺がお父さん!?」
突然の展開に頭がついていかない。
ただでさえ、頭が割れそうに痛いのに……
「おとーさん、寝ぼけてるの?」
「あはは……」
肩まで伸ばした黒髪、まんまるな目、身長は140cmもないだろうか。
……いかん、全く記憶にない。
「いろはだよ!い・ろ・は!覚えてる?」
「あ、ああ!もちろんだ、我が子を忘れるわけないだろ?」
すみません、忘れてます。
えーと、いろはっていうのか…忘れないようにしないとな。