弐番 続・定食屋「ところてん」
サンドイッチの中身はベーコンとレタスとトマトだった。いわゆるありきたりなBLTサンドイッチ。
「ねぇユキ、高校は行くんだよね?」
「ん?ああ行くぞ」
「何処に行くの?」
「なんでそんな事を聞くんだ?」
「え!?いや……あの、一緒の学校行きたいなぁと思って……」
別にそんなことを恥ずかしながら言わなくても良いと思うのだが、この手をモジモジしながら言うのは本当に辞めて欲しい。可愛いから。
「予定だけど、『王立魔技術法専門学校』みたいなやつ」
「また凄いところに行くんだね。そこって確か凄い難関校だよ?私入れるかな……」
「何でオレの心配じゃなくて、自分の心配なの?オレ最後の半年学校行ってないんだぞ?」
「ユキなら大丈夫かと思いまして。だってユキはすっごく頭良いじゃん!」
確かに自慢じゃないが、大抵のテストは満点か-1・2点くらいだった。
が、それは日々の勉強のおかげであり、半年程学校に行っていない+日々の勉強もしていないとなると少々心配だ。
「じゃあ私はこれで失礼します。勉強してきます」
「そうか。でも大丈夫か?模試1ヶ月後だぞ?確か受付もあと2日3日」
「え!?嘘!?それ早く言ってよ!!1ヶ月くらい前に!!」
「いや無理だから。まぁ頑張れ」
「ん~もう!どうしようどうしよう……ばかぁ」
そう言うとユミは走って行ってしまった。
朝飯を食べ終わったオレは、勘定を済ませて店を出た。
「さて、どうしよーかな」
今日は特にやることはない。なくはないのだが、それは勉強なのだが段々怠くなってきてしまっていた。オレが外に出なかった間に、中学校の卒業式が終わってしまったため少し不充分なのだ。
幸い中学校の卒業式が他よりも1ヶ月程早かったので勉強時間は確保できた。
「…………勉強するか」