魔法少女☆旅行(22)
リンクにリンクを重ねました(異世界で勇者~シリーズ)。
完全ドMチックですね(はぁ)
「さて舞香、今日はトリックアートを観に行こうと思う」
「噂には聞いた事がありますけど……どういうとこなんですか?」
「そこは着いてのお楽しみ。ホテルからも近いし……ほら、着いた」
「え? もうですか?」
5分にも満たない車移動の末に辿り着いた場所。
そこは珍妙な色彩と奇怪な文様の為されたまさに現代版魔法の家。
トリックアート館はは3つの建物からなる。
それぞれ見所があるが、俺の一押しは「トリックアート迷宮?館」だ。
ここは魔法の世界~ファンタジーやマジック~をトリックアートで実現しており、実際内部を散策し体験できる。
まあ分かりやすくいうと、不思議の国のアリス実体験みたいな感じか。
そう説明をしても首を傾げる舞香。
俺は論より証拠とばかりに受付を済ませると、内部に案内した。
「これは……」
舞香が目をパチクリさせている。
そこにあるのは幻想にして幻視。
虚偽に塗れた現実。
俺達は襲い来るドラゴンを退治したり、無数の扉から本物の扉を探し当てたり、人魚姫になったりして王子様を助けたりした。
その一つ一つに舞香が過剰に反応するのが楽しい。
クレバーな舞香はまず頭で理解をしようとするので、こういう幻惑系のものとは相性が悪い。
だがそれは反面、気構えを抜いてしまえば一番楽しめる(騙される)ということ。
すっかり昔のお転婆姫に戻った舞香の姿をデジカメに収めながら、俺はこの平穏な時間を満喫するのだった。
例えそれが……砂の楼閣のごとく脆い、束の間の安らぎと理解していても。




